中国、制裁下のロシアに経済支援(2022/06/16)
中国国営メディアは15日、中国の習近平国家主席がロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ロシアの「核心的利益」に対する財政支援を申し出、主権と安全保障の問題についてロシアを支持することを改めて表明したと報じた。
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『ABCニュース』によると、中国の新華社通信は、習近平が「すべての当事者が責任を持ってウクライナ危機の適切な解決を推し進めるべきだ」と伝えたと報じた。ロシア当局によると、プーチンは「ウクライナ情勢に対する評価を説明」し、習近平は「外部勢力による安全への挑戦に直面して、ロシアが国益を守るために取った行動の正当性に言及した」という。中国は、ロシアのウクライナ侵攻を批判することも、侵攻という言葉で言及することも拒否しており、NATOと西側諸国がプーチンを挑発し、攻撃させたと非難している。...
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『ABCニュース』によると、中国の新華社通信は、習近平が「すべての当事者が責任を持ってウクライナ危機の適切な解決を推し進めるべきだ」と伝えたと報じた。ロシア当局によると、プーチンは「ウクライナ情勢に対する評価を説明」し、習近平は「外部勢力による安全への挑戦に直面して、ロシアが国益を守るために取った行動の正当性に言及した」という。中国は、ロシアのウクライナ侵攻を批判することも、侵攻という言葉で言及することも拒否しており、NATOと西側諸国がプーチンを挑発し、攻撃させたと非難している。
習近平はまた、中国は「ロシア側と協力して、二国間の実用的協力の着実かつ長期的な発展を促進する意思がある」、「中国はロシアとともに、主権や安全など核心的利益と主要な関心事に関わる問題で引き続き互いに支援する意思がある」と述べたという。
中国はロシアのウクライナ侵攻を黙認する一方で、国際的な制裁の中でロシア経済を支援することで起こりうる反発を避けるため、中立の立場を取ろうとしてきた。『ABCニュース』は、「ロシア当局と中国当局は、アジア、ヨーロッパ、そして世界各地の自由民主主義勢力に対抗するために外交政策での一致を強化しており、言論の自由、少数派の権利、野党をほとんど考慮せず、権威主義的支配を標榜している」とコメントしている。
英『ガーディアン』によると、ロシア当局は、両首脳は「西側の不法な制裁政策により複雑化した世界経済の状況を考慮し、エネルギー、金融、産業、輸送などの分野で協力を拡大することで合意した」と伝えている。
中国がロシアとの連携を表明したことに対して、米国国務省の報道官は、「中国は中立を主張しているが、その行動はロシアとの密接な関係に投資していることを明確にしている」と述べた。また、ロシアのウクライナ戦争から4カ月近く経った今も、中国が世界中でロシアのプロパガンダに共鳴し、ウクライナでのロシアの残虐行為を演出だと示唆していると指摘し、米国は「中国の活動を注意深く監視」していると述べた。
冷戦時代には敵対していた中国とロシアは、近年、米国の世界支配に対抗するため、協力関係を強化している。両者は、政治、貿易、軍事の各分野では、「制限なし」の関係だとして、緊密になりつつある。6月10日には、ロシア極東のブラゴベシチェンスクと中国北部の黒河を結ぶ初の道路橋が開通した。中国の税関データによると、中国はロシアの最大の貿易相手国であり、昨年の貿易額は1470億ドルに達している。
米『ブライトバート』によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は、大統領就任前にウクライナが中国の一帯一路構想(BRI)に署名し、中国との友好関係を維持しようと試みていた。大統領は先月、中国がロシアとの経済関係を強化しても、ロシアの侵略に対して強い姿勢を見せなかったと中国を擁護した。「中国は距離を置くという方針を選んだ。今のところ、ウクライナはこの政策に満足している。いずれにせよ、ロシアを助けるよりはましだ。この現状に満足している。」とスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで語っていた。一方で戦争が始まる前、中国企業がウクライナ企業のモトール・シーチ社を買収しようとするのを阻止している。モトール・シーチ社は、主要軍事品の中でも特にジェットエンジンを製造する航空会社である。昨年は、中国に一方的な制裁を加え、中国による買収を阻止するため、同社を国有化した。
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食糧危機:穀物不足がアフリカ移民急増につながる可能性(2022/06/08)
地中海に面した欧州連合(EU)5カ国は、ウクライナ戦争と干ばつ、そして世界貿易に関連した様々な問題から生まれた世界的食糧危機により、ヨーロッパにおいて移民の急増につながる可能性があると警告している。世界食糧計画(WFP)のデービッド・ビーズリー代表も3月に、ヨーロッパがアフリカ大陸や中東の食糧不足を緩和するための行動を起こさなければ、「地上の地獄」のような移民危機に直面すると警告している。
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『ABCニュース』の報道によれば、アフリカ大陸からの不法移民の玄関口となることが多いギリシャ、イタリア、キプロス、マルタ、スペインの移民担当大臣たちは6月4日ベニスで会談を行い、食糧問題がアフリカからの不法移民を急増させる可能性があるとし、EU全体に対して、この問題に対して行動を起こすよう呼びかけた。
5カ国は、EUにおいて移民受け入れの負担を再分配するためのより良い方法を求めた。キプロスのニコス・ヌリス内相は記者団に対し、移民問題には強固で共通のEU政策が必要であると述べた。...
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『ABCニュース』の報道によれば、アフリカ大陸からの不法移民の玄関口となることが多いギリシャ、イタリア、キプロス、マルタ、スペインの移民担当大臣たちは6月4日ベニスで会談を行い、食糧問題がアフリカからの不法移民を急増させる可能性があるとし、EU全体に対して、この問題に対して行動を起こすよう呼びかけた。
5カ国は、EUにおいて移民受け入れの負担を再分配するためのより良い方法を求めた。キプロスのニコス・ヌリス内相は記者団に対し、移民問題には強固で共通のEU政策が必要であると述べた。イタリアやギリシャなどの南岸に上陸した何十万人もの移民の一部を、加盟国が受け入れるという過去のEU政策は機能しなかった。また、密輸業者の船から救助された数十万人の移民のうち、適度な数を受け入れると約束した国もあったものの、実行には移されなかった。
一方、アフリカのサハラ砂漠のすぐ下に位置するサヘルでは、農家は過去10年以来の最悪の生産シーズンに直面しているため、推定1800万人が深刻な飢餓の危機に陥っているという。
米『ポリティコ』によると、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、世界中で進行中の食糧不足は、プーチン率いるロシアが原因だと主張していると伝えている。しかしロシアのプーチン大統領は、穀物や肥料の世界的供給を妨げているのは欧米の責任であると繰り返し非難している。
フォン・デア・ライエン委員長は、「ロシア側からの完全な誤報だ。今、食糧危機で苦しんでいるのは、残忍で不当なウクライナに対する戦争のせいだ」と述べた。そして、「はっきりさせておきたいのは、我々は食料と農産物に対する制裁はしていないということである」と付け加えた。
一方、イタリアのドラギ首相は、プーチンのプロパガンダがアフリカで拡散される危険性に警鐘を鳴らした。「アフリカの食糧安全保障の戦いに勝利することは、戦略的な観点からも重要である。というのは、起こりうる飢饉は対ロシア制裁が原因だという説が広まっているからだ」と語った。そして、多くのアフリカ諸国は「西側の味方ではない。国連での彼らの投票を見ただろう、そのほとんどが棄権した。もし食糧安全保障の戦いに負ければ、これらの国が西側同盟の側に来ることは望めない。なぜなら彼らは当然裏切られたと感じるだろうから。誰のせいかというのは、彼らにとって関係のない問題なのだ」と説明した。
仏『フランスアンフォ』と米『ブライトバート』によると、アフリカ大陸のチュニジア、エジプト、スーダン、ベナン、セネガルが、ウクライナとロシアからの穀物の輸出に大きく依存しており、すでに不足と価格上昇に悩まされているという。こうした中、アフリカ連合のマッキー・サル議長は、食糧不足の責任はロシアではなくEUにあるという説がアフリカ大陸で広がっていると述べ、大陸の多くの人々がこの問題を「非常に深刻で憂慮すべきこと」と感じていると語っている。サル議長はまた、西側諸国によってロシアの銀行がSWIFT決済システムから外され、その結果、アフリカ諸国がロシアに輸入食料を支払う能力に支障が出ている問題を指摘している。
サル議長は先週プーチン大統領と会談し、「大統領は、ウクライナの穀物の輸出を促進する用意があることを我々に表明した。ロシアは、その小麦と肥料の輸出を確保する準備ができている 。私はすべてのパートナーに小麦と肥料に対する制裁を解除するよう呼びかける。」とツイートした。
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