トランプ氏の核発言と核安保サミット(2016/04/04)
オバマ米大統領は、ワシントンで開催されていた核安保サミット閉会の会見で、ドナルド・トランプ氏が米国は日本や韓国を防衛する役割を降り、両国は核武装を検討すべきと発言したことについて、外交や国際情勢への無理解を示すものだと批判した。トランプ氏の発言は、核拡散の防止を目指す核サミットに集まった各国首脳からも憂慮する声が上がり、オバマ大統領の面子は傷ついた。
今回の核サミットは、核拡散に向けての大きな成果はなかったが、テロリストの核入手阻止などでは各国が結束した。また、トランプ発言によって、日本が保有する核廃棄物が思わぬ形で注目を集めることになった。
4月1日付
『CBSニュース』は、オバマ大統領が核サミット閉会の会見において、トランプ氏の核兵器を巡る発言に対し「外交、核戦略、朝鮮半島情勢などを知らない者が言うことである」と述べ、厳しく批判したと伝えた。
トランプ氏は先日、日本と韓国は自ら核武装したほうが良いと述べるとともに、大統領に就任した場合、欧州で核兵器を使わないとの明言をしなかった。折しも、テロリストの核兵器入手阻止などを議題とする核サミット出席のため、50カ国以上の指導者がワシントンに集まっていた。...
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4月1日付
『CBSニュース』は、オバマ大統領が核サミット閉会の会見において、トランプ氏の核兵器を巡る発言に対し「外交、核戦略、朝鮮半島情勢などを知らない者が言うことである」と述べ、厳しく批判したと伝えた。
トランプ氏は先日、日本と韓国は自ら核武装したほうが良いと述べるとともに、大統領に就任した場合、欧州で核兵器を使わないとの明言をしなかった。折しも、テロリストの核兵器入手阻止などを議題とする核サミット出席のため、50カ国以上の指導者がワシントンに集まっていた。
オバマ大統領は、日本及び韓国との同盟はアジア・太平洋地域における米国のプレゼンスを維持する要石であり、それを台無しにすべきでないと述べた。そのうえで、この重要性が認識できない人物は大統領の資質がないと語った。
4月1日付
『ザ・ニューヨークタイムズ』紙は、オバマ大統領がドナルド氏の核発言に対し、大統領としての適性に疑問を投げかけるとともに、核拡散防止を目指す核サミットの成果を強調したと報じている。
オバマ大統領は、50ヵ国以上の核サミット出席者の間でトランプ発言に対して憂慮する声が上がったと語った。トランプ氏はニューヨークタイムズ紙との会見時に、米国はもはや日本や韓国を防衛する重責を負うべきではないと主張するなかで両国の核武装問題を持ち出し、その後も公開の場で自説を擁護した。
オバマ大統領は、イランとの核合意によってイランの核開発が相当遅れることになり、核拡散防止には大きな成果であると主張した。また、就任以来4回目でかつ最後となる核サミットの成果をまとめるに当って、自ら主唱する核の拡散防止と米軍が既に保有する核弾頭の高性能化の間に葛藤があることを認めている。米軍の核技術高度化にロシアや中国は身構え、新兵器開発の口実にしようとしている。米国と並ぶ二大核保有国であるロシアのプーチン大統領は、核サミットで野心的な核兵器制限が議論できないよう欠席した。
サミットでは、ポーランドやカザフスタンなどでの高濃度ウラン在庫の削減や日本の分離プルトニウムの廃棄が議論されたが、こうした国際会議では各国はそれぞれ自主規制など“お土産”を持参するのが慣わしである。ところが、舞台裏では日本との間で悶着があった。
モニス米エネルギー庁長官と日本の代表は、濃縮ウランおよびプルトニウム0.5トンの廃棄と米国への移送合意を自賛したが、日本が毎年8トンのプルトニウム生産能力のある新設備の計画を進めていることは問題にしなかった。日本が大量の核燃料を抱えていることについて、近隣諸国は懸念している。これに対し米エネルギー庁広報担当は、日本は重要使用済み物質を廃棄しており、今後の核燃料再処理についても再利用と廃棄をバランスさせるだろうとの見解を示した。
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ブルームバーグ氏が大統領選への出馬意向を初めて明言(2016/02/09)
英
『フィナンシャルタイムズ紙』によると、前ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ氏が大統領選挙への出馬を検討していると発言したことが分かった。これまでの選挙選を見て、民主共和両党の候補者らの「対話や討論のレベルが低く有権者を侮辱している」等とし、今後の展開を注視し3月までには決断を下す意向で、無所属で立候補する可能性がより濃厚となってきた。
2月8日付
『ロイター通信』は、「前ニューヨーク市長ブルームバーグ氏が大統領選出馬検討を明言」との見出しで次のように報道している。
・73歳の億万長者、自身の名前を冠した通信社の創立者ブルームバーグ氏は、大統領候補者らの討論の質を疑問視しており、選挙への立候補の意思を問われると「あらゆる選択肢を検討」しているとした。
・無党派での立候補の可能性を側近に検討を指示しており、情報筋によると10億ドル以上の自己資産投入を検討。...
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2月8日付
『ロイター通信』は、「前ニューヨーク市長ブルームバーグ氏が大統領選出馬検討を明言」との見出しで次のように報道している。
・73歳の億万長者、自身の名前を冠した通信社の創立者ブルームバーグ氏は、大統領候補者らの討論の質を疑問視しており、選挙への立候補の意思を問われると「あらゆる選択肢を検討」しているとした。
・無党派での立候補の可能性を側近に検討を指示しており、情報筋によると10億ドル以上の自己資産投入を検討。
・民主共和両党の最有力候補(共和党トランプ氏、クルーズ氏、民主党サンダース氏等)に割って入り出馬するかは3月までに決定する意向。
・これまで無党派出馬の候補が当選したことはないが、ウォール街の人脈やリベラル社会派を前面に出馬予定。ある世論調査は無党派候補の当選の可能性は低く、トランプ氏の票を増すことになると分析。
同日付米
『ABCニュース』は、「マイケル・ブルームバーグ氏大統領選出馬検討明言」との見出しで次のように報道している。
・先月の「ニューヨークタイムズ紙」の報道では、同氏が世論調査でトランプ氏の支持率急増とクリントン氏の支持率低下を受けて(自身はコメントを控えた上で)顧問に無党派出馬の検討調査を指示していたとした。
・無党派から出馬する場合、一定の署名を集めた上で、50州の投票用紙に名前を記載させる必要があるため3月までに決断の意思があるとした。その為の費用は250~300万ドルと見られる。
同日付
『AOL』は、次のように報道している。
・ブルームバーグ氏は以前にも出馬を検討していたが、断念。サンダース上院議員やトランプ氏の台頭を受けて出馬を真剣に検討しだした。
・10億ドルの自己資産を選挙に投資する意思があるとし、無党派候補として記載に間に合う、3月上旬には決断の予定。
同日付「AOL」は、次のように報道している。
・先月世論調査専門家フランク・ルンツ氏は「ブルームバーグ氏の出馬は文字通り選挙選を覆すことになる」と述べた。
・ルンツ・グローバル・パートナーズ社が行った全国900人の有権者への調査では、ブルームバーグ氏、トランプ氏、クリントン氏の3候補での争いとなった場合、29%がブルームバーグ氏、37%がトランプ氏、33%がクリントン氏に投票と回答している。一方、ブルームバーグ氏、クリントン氏、テッド・クルーズ氏の3候補での争いとなる場合には28%がブルームバーグ氏、37%でクリントン氏が首位に、テッド・クルーズ氏が34%となっている。
2月9日付英
『BBC』は、ブルームバーグ氏は民主党から2001年共和党に移り、その後無所属となった。銃規制や中絶問題などへのリベラルな姿勢は民主党候補へのダメージとなる可能性が指摘されると報道している。
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