民事・刑事裁判被告として喘ぐトランプ、今度はNY州裁判官妻を標的にして”魔女狩り裁判”とアピール【米・英国メディア】(2023/12/04)
米高裁は12月1日、米議会襲撃事件で負傷した警察官らによる損害賠償請求事件に関し、大統領の免責特権が適用されるとのドナルド・トランプ前大統領(77歳、2017~2021年在任)の主張を否定した。このようにトランプは益々窮地に追い込まれているが、裁判勝訴のためには形振り構わない同前大統領は、今度は民事裁判を審理するNY州地裁判事の妻を標的にして攻撃を始めている。
11月30日付
『CBSニュース』、
『フォーブス』誌、
『CNNニュース』、12月1日付
『Nexstar Media』、英国
『ザ・ガーディアン』紙等は、ドナルド・トランプ前大統領が今度はNY州地裁判事の妻を標的にして形振り構わぬ反撃に出ていると報じた。
ドナルド・トランプ前大統領、その家族及び所有企業は、NY州税等をごまかすために同企業の資産価値を不正に過小評価したとして詐欺罪に伴う損害賠償請求(2億5千万ドル、約370億円)で提訴されている。
この訴訟に対して、同前大統領は、NY州判事や書記官らを標的にして、“偏った裁判”を進めようとしているとしてSNSを使って誹謗中傷していた。
そこで同州地裁審理担当のアーサー・エンゴロン裁判官(74歳、2003年就任)は、同前大統領に対して、自身を含めたNY州地裁関係者についてSNSで一切言及しないよう箝口令を出した。
これに対抗して、同前大統領は、今度は、エンゴロン裁判官の妻のドーン・エンゴロン氏を標的とした攻撃を始めた。
すなわち、同前大統領は11月29日午後から複数回にわたって、エンゴロン夫人が自身を誹謗中傷する投稿を『X(旧ツイッター)』に上げていたとして、同前大統領が立ち上げた『トゥルース・ソーシャル』上で非難する投稿を行った。
同前大統領は、“エンゴロン判事夫人は、NY州地裁の書記官らと一緒になって、NY州地裁による魔女狩り裁判を行い、自身・自身の家族及び共和党を不当に裁こうとしている”と訴えた。
同前大統領が根拠としている『X』の投稿は、保守系政治活動家ローラ・ルーマー氏(30歳)が捜し出したとされたもので、“ドーン・マリー”とのハンドルネームで2つ投稿されていたとする。
ひとつは、“トランプに囚人服を着せたイラストを付して、「刑務所に一直線」”としていて、もうひとつでは、“トランプを「オズの魔法使い」の西の邪悪な魔女として描いた”投稿をしていたという。
かかるアピールに対して、エンゴロン夫人は即座に、政治専門紙『ザ・ヒル』に宛てたメールで、“指摘されたハンドルネームの『X』上のアカウントは自分のものではない”としたうえで、“自分は反トランプを訴えるような投稿を全くしたことはない”と全否定した。
同紙は、当該投稿がエンゴロン夫人のアカウントではないと証明することはできなかったが、本件が報道された段階で当該投稿は削除されている。
なお、NY州地裁事務管理部のアル・ベーカー報道官も『CNNニュース』の取材に対して、“エンゴロン判事夫人は反トランプを標榜するような投稿を行っていないし、また、言及されている『X』のアカウントは同夫人のものではない”との公式コメントをしている。
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悪あがきのトランプ、選挙不正画策容疑で起訴され司法取引に応じた弁護士は”自分と無関係”と子供だましの虚言【米メディア】(2023/10/24)
8月8日付GLOBALi「
悪あがきのトランプ、自身が被告人となった事件担当裁判官の忌避を画策」で報じたとおり、議事堂襲撃(注後記)を扇動した容疑で起訴されたドナルド・トランプ前大統領(77歳、2017~2021年在任)は、自身が不利となることを自覚してか、審理担当裁判官を“偏向”等の屁理屈を付けて忌避しようと画策している。そして今度は、2020年大統領選結果を覆すべく投票不正を画策した容疑でトランプとともに起訴された後、罪を認めて司法取引に応じた弁護士について、“自分の代理人となったことはない無関係の人物”と嘯いている。
10月23日付
『NewsOne』オンラインニュース(1980年設立の黒人向け専門メディア)は、ドナルド・トランプ前大統領が、2020年大統領選でジョージア州での投票結果を不正に覆そうとした罪で自身と共に起訴された後、罪を認めて司法取引に応じた弁護士について、“自分とは無関係の弁護士”だとアピールし始めたが、これまでのテレビ報道やSNS投稿で子供だましの大噓だと報じている。
シドニー・パウウェル弁護士(68歳、1978年弁護士登録)は今年8月14日、2020年大統領選に関わり、ジョージア州での選挙結果を覆そうとした罪でドナルド・トランプ前大統領らとともに起訴された。...
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10月23日付
『NewsOne』オンラインニュース(1980年設立の黒人向け専門メディア)は、ドナルド・トランプ前大統領が、2020年大統領選でジョージア州での投票結果を不正に覆そうとした罪で自身と共に起訴された後、罪を認めて司法取引に応じた弁護士について、“自分とは無関係の弁護士”だとアピールし始めたが、これまでのテレビ報道やSNS投稿で子供だましの大噓だと報じている。
シドニー・パウウェル弁護士(68歳、1978年弁護士登録)は今年8月14日、2020年大統領選に関わり、ジョージア州での選挙結果を覆そうとした罪でドナルド・トランプ前大統領らとともに起訴された。
そして同弁護士は10月19日、司法取引(有罪を認めた上で、トランプを含む他の被告人について誠実に供述すると宣誓することでの減刑処分)に応じる旨同意した。
これに対してトランプは10月22日、“言論封殺”とか“大統領選候補者への選挙妨害”等と訴えている一環で、同弁護士が“自身の代理人となったことはない”し、“マイケル・フリン(64歳、元国防情報局長官・国家安全保障問題担当補佐官)の代理人だ”と自身が立ち上げたSNS『トゥルース・ソーシャル』に投稿してアピールしている。
しかし、この投稿の内容は全くの虚言であることが明らかである。
何故なら、以下のような過去のテレビ報道や自身のSNS投稿で、同弁護士がトランプの顧問弁護士であったとの確かな証拠があるからである。
・2020年11月14日付けトランプ投稿:“我々の自由と権利及び公正な選挙”を守るため、ルディ・ジュリアーニ弁護士(現79歳、元ニューヨーク市長)率いるシドニー・パウウェル弁護士ら6人の弁護団が一緒に戦ってくれることに大いに期待、と表明。
・同年11月19日テレビ報道:同日開催の共和党主催記者会見で、ジュリアーニ弁護士団々長が、“トランプ及び選挙キャンペーンチームを代理して、過日の選挙に不正があったことを証明していく”とした上で、“弁護団を代表して自身が演説した後にパウウェル弁護士が所信表明を行う”と会見。
(注)議事堂襲撃事件:2021年1月6日にワシントンDCで起きた政治的な暴動事件。当時大統領であったトランプの支持者らが、「2020年の大統領選で選挙不正があった」と訴え、連邦議会が開かれていた議事堂を襲撃。暴動側・警察側併せて犠牲者5人、負傷者148人、そして800人以上が訴追。
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