米・英・フランス・中国メディア;ペルー洪水被害も、2024年オリンピック開催地決定のIOC総会は予定どおりペルーで開催(2017/04/15)
ペルーの首都リマで今年9月、国際オリンピック委員会(IOC)総会が開催される予定で、2024年オリンピック・パラリンピック開催都市が決定されることになっていた。しかし、
ペルー各地では、昨年12月頃から断続的に豪雨に襲われていて、3月中旬にはリマでも大洪水が発生し、一時数千人の住民が孤立し、10万人余りが被災した。そこでIOC総会がどうなるのか注目されていたが、トーマス・バッハ会長は、同国支援もあって予定どおりリマでの開催を決定した。一方、2024年大会開催に立候補しているロス・アンゼルスは、仮に宿敵パリに敗れたとしても、IOCの特別な計らいで、2028年大会開催都市に選出されることを期待している。
4月13日付英
『メール・オンライン』 (
『AP通信』 配信):「IOC・ペルー、大洪水被害にもめげず2024オリンピック開催都市決定の総会を予定どおり開催」
ペルー北東部を襲った豪雨によって、10万人以上が被災し、100人以上が犠牲になっている。
しかし、IOCとペルー政府は4月13日、今年9月13日にリマで予定されていた第130回総会を、当初の計画どおり同地で開催すると発表した。...
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4月13日付英
『メール・オンライン』 (
『AP通信』 配信):「IOC・ペルー、大洪水被害にもめげず2024オリンピック開催都市決定の総会を予定どおり開催」
ペルー北東部を襲った豪雨によって、10万人以上が被災し、100人以上が犠牲になっている。
しかし、IOCとペルー政府は4月13日、今年9月13日にリマで予定されていた第130回総会を、当初の計画どおり同地で開催すると発表した。
ペルーのペドロ・パブロ・クチンスキー大統領は、大災害に遭っても、しっかり準備してIOC関係者を迎えることができるとし、そうすることが世界へのアピールにもなると述べた。
また、トーマス・バッハIOC会長も、“連帯を示す”ためにも予定どおりリマで開催することが重要だとコメントした。
なお、IOC及びパン・アメリカンスポーツ機構(注後記)は先週、復興義援金としてペルー政府に50万ポンド(約7千万円)を寄付している。
同日付フランス
『フランス24』 オンラインニュース(
『AFP通信』 配信):「IOC、2024年オリンピック決定のための総会を予定どおりリマで開催」
IOCは当初、大災害に遭ったリマでの総会開催につき、開催地変更も含めて深刻に検討したが、ペルー政府及びIOCとも、予定どおりリマで開催することが重要だと判断した。
ペルー政府は、数ヵ国の首脳、IOC関係者及び各国高官、更には2千人余りの国際メディアをしっかり受け入れることで、世界にアピールすることができると表明している。
4月14日付中国
『新華社通信』 :「IOC総会は予定どおりリマで開催」
大洪水に襲われたリマは、開催期間が1週間と長いIOC総会を、予定どおり同地で開催できるのか疑問視されていた。
しかし、IOCのバッハ会長は4月13日、ペルー政府がIOC総会を開催できるようしっかり準備すると表明したので、予定どおりリマで開催することが重要だと判断したとコメントした。
なお、同総会では2024年大会の開催地が決定されるが、パリとロス・アンゼルスが立候補している。
一方、4月13日付米
『デンバー・ポスト』 紙:「仮に2024年大会開催都市に選出されなくとも、ロス・アンゼルスは2028年大会に指名される可能性」
2024年大会開催都市候補として、ロス・アンゼルスと争っているパリは、前回1924年開催から節目の100年に当ることで、猛烈な運動を展開している。
米オリンピック委員会のスコット・ブラックマン会長は4月12日、IOC委員の多くが欧州代表であること、そのうち40票、また中南米から10票、更にアフリカからも15票がパリに流れると予想され、ロス・アンゼルスの戦いは非常に厳しいと表明した。
しかし、同会長は同時に、2024年大会に当初立候補していたローマ、ブダペスト、ハンブルグがいずれも住民等からの支持が得られず撤退したという現実問題から、仮にロス・アンゼルスがパリに敗れたとしても、IOCの特別な計らいで、2028年大会開催について指名してもらえる可能性があると期待しているとコメントした。
(注)パン・アメリカンスポーツ機構:アメリカ大陸内の41ヵ国オリンピック委員会の集合組織で、パン・アメリカン競技大会等を主催。本部はメキシコシティ。
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米・英・ロシア・中国メディア;オバマ大統領広島慰霊訪問の評価(2016/05/30)
5月27日付
Globali 「オバマ大統領広島訪問」で報じられたとおり、現職の米大統領として初めて被爆地広島を慰霊訪問し、謝罪の言葉はなかったものの、過去すべての戦争の犠牲となった無実の市民を忘れないとし、核廃絶への誓いを述べた。海外メディは、まちまちな評価につき報道している。
5月28日付米
『デンバー・ポスト』 紙(
『AP通信』 記事引用)の報道記事「被爆者、オバマ氏広島訪問に驚きと疑念がない交ぜ」:
「・被爆者達は、原爆を落とした国の現職大統領の広島訪問について驚きを持って歓迎するも、だからと言って、彼らが望む核なき世界の実現にどれだけの効果があったのか疑念。
・オバマ大統領の任期はあと8ヵ月であるし、また、米国自身、依然多くの核兵器を保有する国であるから、同氏の広島訪問を契機に飛躍的に事態が改善することは困難と の思い。...
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5月28日付米
『デンバー・ポスト』 紙(
『AP通信』 記事引用)の報道記事「被爆者、オバマ氏広島訪問に驚きと疑念がない交ぜ」:
「・被爆者達は、原爆を落とした国の現職大統領の広島訪問について驚きを持って歓迎するも、だからと言って、彼らが望む核なき世界の実現にどれだけの効果があったのか疑念。
・オバマ大統領の任期はあと8ヵ月であるし、また、米国自身、依然多くの核兵器を保有する国であるから、同氏の広島訪問を契機に飛躍的に事態が改善することは困難と の思い。
・非核運動活動家は、2009年のプラハ(チェコ)での“核なき世界創生”演説でオバマ大統領はノーベル平和賞を受賞したものの、その後の核廃絶の気運は高まることはなく、今回の広島訪問後も沈静化してしまうことを懸念。」
同日付米
『NYSEポスト』 オンラインニュースの報道記事「白人を除き、ほとんどの米国人は原爆投下に反対」:
「・広島を慰霊訪問したオバマ大統領は、謝罪はしなかったが、トルーマン大統領(当時)が決断したような原爆投下は二度と起こしてはならないと言明。
・一部の退役軍人達は、日本が犯した第二次大戦中の米兵捕虜への虐待について謝罪していないからとして、オバマ氏の広島訪問に反対。
・安倍首相は、歴史的な訪問だとして心からの歓迎の意を表明。」
5月27日付英
『ザ・ガーディアン』 紙の報道記事「“道徳心覚醒の契機”なるも、オバマ氏の歴史的な広島訪問はほろ苦し」:
「・第二次大戦中に日本軍の捕虜となり、“バターン死の行進(注後記)”の生存者の退役軍人は、オバマ氏の広島訪問は評価するも、そもそも、日本軍が真珠湾攻撃をしなければ、つまるところ広島への原爆投下はなかった訳で、オバマ氏が謝罪の言葉を述べなかったことに同意。
・オバマ政権幹部はオバマ大統領のベトナムと広島訪問に当り、事前に退役軍人達をホワイトハウスに招待して、訪問の趣旨を説明し、但し謝罪はしないことを確認。」
5月28日付ロシア
『スプートニク』 国際オンラインニュースの報道記事「被爆者をハグするも、謝罪はなし:オバマ氏の広島訪問の意味は?」:
「・核軍縮研究のシンクタンクのウォード・ウィルソン氏は、今回のオバマ大統領の広島訪問について、謝罪の言葉があったかどうかではなく、核軍縮につながる未来への一歩となるかどうかが大事と表明。
・なお同氏は、米国で言われている、原爆投下によって日本が降伏し、更に多くの命が失われるのが防げたとする見解は誤解であり、日本の降伏は(原爆投下後)暫く後のことで、実際はソ連の対日宣戦布告が発せられたからであるとコメント。
・また、米文筆家のペリグリノ氏(科学、考古学関連執筆家、作品に“The Last Train From Hiroshima”など)も、当時の日本は既に、首都東京の大部分を含めて60都市余りを空襲で焼失していたが、広島・長崎の原爆投下後速やかに降伏しておらず、(降伏直前の)8月14日にも米軍が3千機の爆撃機を飛来させており、これらが降伏を決断させたと判断するとコメント。
・なお両氏とも、米ロ両国の核軍縮交渉が後退していることもあり、今回のオバマ氏訪問時の演説で、何らかの進展をもたらすことを期待。」
一方、同日付中国
『新華社通信』 の報道記事「中国外相、南京大虐殺を忘れるなとコメント」:
「・中国の王毅(ワン・イー)外交部長(外相に相当)は5月27日、オバマ氏の広島訪問は評価するも、原爆犠牲者のことに重きが置かれ、1937年の南京大虐殺のことが忘れられてはならず、むしろこの事態の方が深刻だとコメント。
・なお、南京では日本の侵略によって、30万人以上の中国人兵士・市民が犠牲になり、2万人余りの女性が強姦被害。
・また、中国は2014年、12月13日を南京大虐殺追悼記念日に制定。」
(注)バターン死の行進:第二次大戦中の日本軍によるフィリピン進攻作戦において、バターン半島で日本軍に投降した米軍・フィリピン軍の捕虜が、収容所に移動するときに多数死亡したことを言う。全長は120キロメーターで、その半分は鉄道とトラックで運ばれ、残り42キロメーターを3日間徒歩で移動させられた。
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