世界終末時計、昨年とかわらず「残り時間3分」(2016/01/27)
シカゴに拠点を置く「ブレティン・オブ・ジ・アトミックサイエンス」(原子力科学者会報)は、定期的に人類の破滅までの残り時間を、時計の分針になぞらえて発表してきた。今回発表された時間は「残り3分」で、2015年に発表されたものと同じだった。各メディアは次のように報じている。
1月26日付
『ロイター通信』(米)によると、イランの核軍縮合意の成功やCO2削減に関するパリ協定が成立するなど、明るいニュースもあった。ただその一方でこれらは悪化する状況の中での小さな明かりにすぎないとする同会報のコメントを載せている。「2015年の気温が最高記録であったことは事実であり、各国の自発的なCO2排出削減目標の設定だけでは、急激な気候変動への対策としては弱すぎる」。また、会報は「ウクライナやシリアでのアメリカとロシアの紛争、南シナ海での緊張状態、パキスタンやインド、北朝鮮の核開発なども憂慮すべきである」とする。...
全部読む
1月26日付
『ロイター通信』(米)によると、イランの核軍縮合意の成功やCO2削減に関するパリ協定が成立するなど、明るいニュースもあった。ただその一方でこれらは悪化する状況の中での小さな明かりにすぎないとする同会報のコメントを載せている。「2015年の気温が最高記録であったことは事実であり、各国の自発的なCO2排出削減目標の設定だけでは、急激な気候変動への対策としては弱すぎる」。また、会報は「ウクライナやシリアでのアメリカとロシアの紛争、南シナ海での緊張状態、パキスタンやインド、北朝鮮の核開発なども憂慮すべきである」とする。
同会報は1945年にシカゴ大学の科学者らによって創設され、毎年ノーベル賞受賞者らなどと協議のうえで人類の残り時間を発表している。1950年代にアメリカとソ連が水爆実験に成功した際、終末への残り時間は2分とされた。今までで一番時計が巻き戻されたのは1991年で、この年ソ連が崩壊している。
同日付
『CBSニュース』(米)は時計の針の進み具合を決めるメンバーの1人である、物理学者のローレンス・クラウス氏のコメントを載せている。「時計の針が戻されなかったのは、人類が立ち向かわなければならない問題が改善されていないことを意味する。200か国近い国々がパリ協定に合意したが、具体的な対策はまだ始まっていない。各国の国民は指導者に対し核開発を止めるよう要求すべきだし、放射性廃棄物の問題にももっと真剣に取り組むべきだ」。
同日付
『ニューヨーク・デイリーニュース』(米)は同会報が設立された当時は、核戦争による人類の絶滅が焦点とされていたが、近年は時計の針の進み具合に気候変動などの環境的要素も汲みいれられるようになったとする。同記事によると、今回発表された内容は北朝鮮の核開発問題やパリ協定、放射性廃棄物の問題が付け加えられていることを除けば、昨年出されたものとあまり変わっていないという。
同記事もまた、国際社会に対し、指導者に自発的に働きかけることの重要性を強調している。
閉じる
アメリカでカジノの従業員を太ったことを理由に解雇するのは合法との判決(2016/01/26)
アメリカ、ニュージャージー州のボルガータホテルに勤務していた女性らが、太ったことを理由に解雇されたことを違法として裁判所に訴えていたが、この度ニュージャージー州最高裁判所から、そのような規定も合法とする判決が下された。訴えが提起された当初から、女性の見た目をあからさまに問題にする規定の是非に注目が集まっていた。各メディアは以下のように報じている。
1月25日付
『CBSニュース』(米)によると、当該ホテルは2人の従業員を労働規定に定めた体重増加違反を繰り返したとして、解雇したという。規定は従業員の7%以上の体重の増減を認めていない。
2013年には1審で規定は合法、昨年9月には2審でも同様の判決が出ていた。今回の判決でも「仕事内容と見た目は当該ホテルの従業員として働くための大切な要素」とされている。
同日付
『ニューヨーク・デイリーニュース』(米)によると、当該ホテルは抜き打ちで女性従業員の体重測定を行っており、2008年に22人の当該ホテル従業員の女性たちが、この扱いを「差別的」として訴えていた。...
全部読む
1月25日付
『CBSニュース』(米)によると、当該ホテルは2人の従業員を労働規定に定めた体重増加違反を繰り返したとして、解雇したという。規定は従業員の7%以上の体重の増減を認めていない。
2013年には1審で規定は合法、昨年9月には2審でも同様の判決が出ていた。今回の判決でも「仕事内容と見た目は当該ホテルの従業員として働くための大切な要素」とされている。
同日付
『ニューヨーク・デイリーニュース』(米)によると、当該ホテルは抜き打ちで女性従業員の体重測定を行っており、2008年に22人の当該ホテル従業員の女性たちが、この扱いを「差別的」として訴えていた。この訴えも先週棄却されたという。
当該ホテルは、男性・女性問わず従業員に対しスタイルが良く、にこやかな笑顔を求めている。女性には「砂時計のような」スタイル、男性には「広い肩幅に細いウエスト」が求められる。女性はハイヒールとピッタリしたドレスを着用し、従業員の写真入りのカレンダーはホテル客の人気アイテムだという。
今回の判決に対してホテル側の弁護士は「従業員の見た目を重視する企業のポリシーが尊重され、ほっとしている。差別的な扱いをしているわけではない」とコメントしている。
閉じる
その他の最新記事