イラクのモスル奪還(2017/07/11)
イラクのアバディ首相は10日、北部の都市モスルが「カリフ制国家」樹立を目指す組織過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から解放されたと正式に宣言した。だが、同日も戦闘があったように、今後も残党掃討の諜報戦は続き、更に不発弾の処理も残っているためまだ戦いが完全に終結したとはいえないという。また、3年間にわたり破壊された都市のインフラの再建には時間がかかり、観光の美しい街だったモスルにはあと数か月市民は帰宅できないという。
米国トランプ大統領も声明で「イスラム国のイラクやシリアでの残日も限られているだろう」と奪還を賞賛した。イラク政府軍は更にモスル西方の都市、タルアファルの奪還を目指しているという。
7月10日付
『NYデイリーニュース』(AP通信引用)は「イラクがイスラム国からのモスル奪還に“完全勝利”宣言」との見出しで以下のように報道している。
「月曜イラク第2の年モスルを「カリフ制国家」樹立を目論む過激派組織イスラム国から3年ぶりに奪還。アバディ首相は「過去3年間のイラク軍とイラク市民にとり、素晴らしい勝利記念日だ。」、「これは多くの殉職者の血により実現した。」と悲惨さを述べた。...
全部読む
7月10日付
『NYデイリーニュース』(AP通信引用)は「イラクがイスラム国からのモスル奪還に“完全勝利”宣言」との見出しで以下のように報道している。
「月曜イラク第2の年モスルを「カリフ制国家」樹立を目論む過激派組織イスラム国から3年ぶりに奪還。アバディ首相は「過去3年間のイラク軍とイラク市民にとり、素晴らしい勝利記念日だ。」、「これは多くの殉職者の血により実現した。」と悲惨さを述べた。この日の未明、西端チグリスで最後に空爆が聞かれたが、まだ不発弾などの後処理や、ISIS戦闘員が潜んでいる可能性もある。
米国のトランプ大統領は声明で、「このモスルでの勝利で、ISISのイラクやシリアでの残日も限られているだろう」と述べた。
2014年ほんの数日間の間にモスルはISに占領され、米軍などの支援国による空爆で9か月間奪還作戦が続いたが、過激派の手に落ち数千人が死亡、周辺地域も荒廃し90万人が自宅から非難した。
今年2月イラク軍がモスル西側に入ると、市民の犠牲者は跳ね上がった。数組のIS戦闘員を標的にした空爆で、地下シェルターにいた家族たちが全員死亡した。奪還前イラク兵は一週間狭い道を進み、歴史ある建物を倒しながら供給ルートを切り開いていった。ここ数日間は人間の盾を使われ膠着状態に、前線には瓦礫の下に多くの家族がいた。戦闘が最も激しかったモスル西側のインフラは壊滅状態で、イラク内務省は65%の建物が崩壊したとしている。西方でも建物やインフラの7割が損壊している。」
7月1日付カタール
『アルジャジーラ』は「アバディがモスルのISILへの“完全勝利”宣言」との見出しで次の様に報道している。
「イラクのアバディ首相が遂にイラク・レバントのイスラム国(ISIL)への勝利宣言をした。黒い軍服を着た首相は今後の課題について、安全を維持し、残党を探すためには諜報と安全対策が必要等と述べ、イラクの旗を掲げた。
この勝利のみでISILを完全に排除できたとは言えず、今後も厳しい戦いが続くが2都市を奪還でたのは大きな成果。月曜イラクは首相の勝利宣言後祝福ムードに包まれ、市民はバグダッドのタフリール広場に集まり、踊り、旗を振った。
国連難民機関によると、紛争による破壊がひどく、市民が帰宅できるまでにはあと何か月もかかるという。軍事作戦が終了し戦いが終わるのは良い事だが、人的危機は終わっていないという。避難した人々はすべてを失った。シェルター、食、医療、水、衛生環境や救急キットが必要とされる。
モスル奪還はISILにとり大打撃だが、いまだに南部やモスル西方の数都市を支配下に置いている。一方、シリアのラッカでも統制力にも苦戦しているという。」
閉じる
「ポケモンGO」、性犯罪者は利用不可に(2016/08/02)
海外で先行ダウンロードがスタートし、先週日本でも配信が開始されたアプリ「ポケ
モンGO」。アメリカでは放映中のニュース番組のテレビカメラの前を、ゲームに夢中
になった人が横切ったり、ゲームに夢中になるあまり事故が起こるなど、様々な問題
も指摘されている。そんな中、ニューヨーク市長のクオモ氏が、性犯罪者の前科を持
つ者は「ポケモンGO」をはじめ、現実拡張型(AR)や相互交流型ゲームをすべきでは
ないとして、これを禁止する措置を取ることを決めたと発表した。日本の街中でも
「ポケモンGO」を楽しんでいるとおぼしき人々が多数見受けられる中、これを好まし
く思わない人がいるのもまた事実である。だからといってAR型ゲームを全面禁止にす
ることも難しいだろう。「ポケモンGO」が性犯罪者に禁止されるいきさつとAR型ゲー
ムの未来について、各メディアは以下のように報じている。
8月1日付
『NYデイリーニュース』(米)は性犯罪者にとって「ポケモンGO」は「ポケ
モンNO GO」だとして、ニューヨークのクオモ市長が性犯罪の前科を有する者が同
ゲームや類似のゲームをダウンロード、アクセス、またはプレイするのを禁止する方
針であることを明らかにしたと報じる。ニューヨーク州のおよその見積もりによれ
ば、仮釈放中の者を含む3000人が今回の措置により影響を受けるとされる。さらに同
州は今回対象となる性犯罪の中でも重罪のものから、軽犯罪の前科を有する5000人に
も対象を広げていく方針であるとしている。...
全部読む
8月1日付
『NYデイリーニュース』(米)は性犯罪者にとって「ポケモンGO」は「ポケ
モンNO GO」だとして、ニューヨークのクオモ市長が性犯罪の前科を有する者が同
ゲームや類似のゲームをダウンロード、アクセス、またはプレイするのを禁止する方
針であることを明らかにしたと報じる。ニューヨーク州のおよその見積もりによれ
ば、仮釈放中の者を含む3000人が今回の措置により影響を受けるとされる。さらに同
州は今回対象となる性犯罪の中でも重罪のものから、軽犯罪の前科を有する5000人に
も対象を広げていく方針であるとしている。
ニューヨーク州で性犯罪の前科を有する者が「ポケモンGO」をしているところを発見
された場合、仮釈放は取り消され直ちに収監されることになる。
クオモ市長は、技術の進歩の名のもとに子どもが犠牲になってはならないとし、あく
までも子どもの安全が優先事項だとする。また、同氏は、州がゲームの使用を禁止す
るだけでは不十分で、ゲームを開発したナイアンテックラボ社に対しても、性犯罪が
ゲームを利用するのを阻止するための協力を書簡で求めている。同氏はさらに、同社
に対して公安局の保持する最新の犯罪者リストを提供する方針であることも明らかに
している。公安局はナイアンテックラボ社の他、アップル社やグーグル社に対しても
情報共有の社会的必要性と協力の重要性を説き、働きかけていくという。ただし、ナ
イアンテックラボ社からの回答はまだ無いという。
今回のクオモ市長の発表のきかっけとなったのは、クライン氏とサヴィーノ氏の両上
院議員が「ポケモンGO」やAR型ゲームの利用により、子どもたちが性犯罪者から狙わ
れているといった内容の報告書である。報告書内では、両議員のスタッフが2週間か
けて中程度から重罪レベルの性犯罪者100人の家の近所を調査したところ、調査時間
のうちの57%の頻度でポケモンが出没したという。これに「ポケストップ」や「ポケ
モンジム」などといったアイテム入手やポケモンをトレーニングできる場所を含める
と、その頻度は73%にまで跳ね上がる。この両議員は、性犯罪者の家から最低でも100
フィート(約30メートル)はゲーム上のスポットから離すことを義務付ける法律の立
法化に向けて活動を行っている。また両議員は、このような法整備だけでも不十分
で、性犯罪者が子どもを自宅におびき寄せる危険性は消えないとも主張している。
「ゲームは子どもを楽しませてくれるが、同時に危険性にも目を向けるべき」。
クオモ氏は州の司法長官を務めていた2008年に、性犯罪者のインターネット使用を制
限する法案を通したことで知られている。この法律は性犯罪者に対し、州へのeメー
ルアドレスやユーザーネームを報告を義務付けている。これらの情報はソーシャル
ネットワークサービスと共有されている。法律が施行されてから、今日まで1万8544
人の犯罪者に関する5万2000件の情報が情報関連会社に送付されている。
同日付
『IBタイムズ』(米)によれば、「ポケモンGO」を使った犯罪が頻繁に起きて
いるという。例えば、「ポケモンGO」を悪用した強盗などもこれにあたる。ゲーム内
ではポケモンをゲットするためにアイテムを使うことがあるが、この情報は他のプ
レーヤーにも共有される。このことを利用し、犯人はポケモンをゲットしようとやっ
てくるプレーヤーを人気のない所で待ち伏せし、金品を奪っていたと考えられる。他
にもゲームに夢中になるあまり、交通事故を起こすなど、様々な事例が報告されてい
る。
では、「ポケモンGO」をはじめとするAR型ゲームは「害悪」なのか。一概にはそうと
も言い切れない。事実、ゲームにより運動不足が解消されたという報告や、うつ病に
効果のある可能性も指摘されている。
同日付
『BBC』(英)はナイアンテックラボ社のマーケティング部長であるスミス氏
のコメントを掲載している。「現時点では問題も多いかもしれないが、改良を重ねる
ことにより、AR型ゲームはより現実に即したものになるだろう」。同社のサイトでも
注意書としてゲームの対象年齢は13歳以上で、法に則ってプレイされるべきであると
記されている。
最近注目を集めているAR型ゲームだが、改良や伸びしろの可能性も含めて注目されて
いるともいえる。
閉じる
その他の最新記事