1月27日付中国
『チャイナ・デイリィ』、1月28日付米
『AP通信』は、中国当局が日本漁船等に対して中国領海からの即時退去を命じたと報じている。
中国海警局は11月27日、東シナ海における中国領海内の釣魚諸島(ティアユ、中国名)周辺に進入した日本の漁船1隻及び複数の海上保安庁の船舶に対して即刻退去するよう命令を出した。
中国は、同諸島は中国に属するとしていて、日本側の無主地先占の法理(注後記)に基づく自国の領土との主張を拒否している。...
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1月27日付中国
『チャイナ・デイリィ』、1月28日付米
『AP通信』は、中国当局が日本漁船等に対して中国領海からの即時退去を命じたと報じている。
中国海警局は11月27日、東シナ海における中国領海内の釣魚諸島(ティアユ、中国名)周辺に進入した日本の漁船1隻及び複数の海上保安庁の船舶に対して即刻退去するよう命令を出した。
中国は、同諸島は中国に属するとしていて、日本側の無主地先占の法理(注後記)に基づく自国の領土との主張を拒否している。
同局の敢禹報道官(カン・ユー)は、“釣魚諸島は歴史的に中国の固有の領土であり、これらの日本船舶は違法に領海侵入した”と発表した。
その声明の中で、同報道官は、“中国領海に侵入しての活動を即刻中止して退去すること、更に同様のことを二度と繰り返してはならない”と同船舶に警告したと言及している。
中国は、曖昧な歴史的見解を以て、東シナ海の同諸島はもとより、台湾、更には南シナ海のほとんどの海域を中国固有の領土だと主張してきている。
なお、尖閣諸島は第二次大戦後、米国が同諸島を含む琉球群島を統治下に置いていたが、1972年に日本に返還されている。
(注)無主地先占の法理:いずれの国にも属していない無主の土地を、他の国家に先んじて支配を及ぼすことによって、自国の領土とする国が、先に先占を宣言し、実効支配している、とする論理。これに基づき、日本は1895年1月、正式に尖閣諸島を領土とすると宣言。
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1月10日付
『ロイター通信』は、陸上自衛隊傘下のARDB所属女性隊員に密着取材し、万一の武力衝突に備えた訓練につき詳報している。
『ロイター通信』は、昨年11月中旬、沖縄県の与那国島、徳之島周辺海域で行われたARDB部隊を含む様々な訓練に同行取材した。
日本にとって、軍事力を最大化してきている中国と、尖閣諸島を含む東シナ海において対峙する懸念が強まっていることから、自衛隊の総力を挙げての統合訓練が益々必要となっているからである。...
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1月10日付
『ロイター通信』は、陸上自衛隊傘下のARDB所属女性隊員に密着取材し、万一の武力衝突に備えた訓練につき詳報している。
『ロイター通信』は、昨年11月中旬、沖縄県の与那国島、徳之島周辺海域で行われたARDB部隊を含む様々な訓練に同行取材した。
日本にとって、軍事力を最大化してきている中国と、尖閣諸島を含む東シナ海において対峙する懸念が強まっていることから、自衛隊の総力を挙げての統合訓練が益々必要となっているからである。
その際、訓練に参加した女性隊員3人に密着取材した。
彼女らは、海上自衛隊の輸送船“おおすみ(1998年就役)”に乗船して、離島防衛作戦の一環で上陸訓練等に参加した。
ARDB部隊は総勢2,400名だが、そのうち女性隊員は僅か40名(1.7%)であり、全自衛隊約23万人における割合8.7%に比べても非常に少なく、ARDBが担う作戦自体が非常に過酷であることを示している。
自衛隊における女性隊員数は直近10年で倍増しているが、同盟国の米軍における女性隊員比率の半分程度でしかなく、更に、ARDBに至っては米海兵隊(1775年前身設立、現隊員数約18万人)における女性隊員の僅か1.6%でしかない。
『ロイター通信』が密着取材した、3人の女性隊員に共通していることは、同性が少数、かつ、厳しい訓練が伴うことより、より結束力が強く、また、信頼のおける仲間を見付けようとしているという点である。
ARDB団長の梨木信吾陸将補(50歳、2021~2023年在任)は、昨年11月の無人島で実施されたヘリコプターによる上陸作戦に関し、“女性隊員を安定的に採用・配置していくことは非常に重要である”とコメントしていたが、当該上陸作戦は男性隊員のみで実施されている。
これに関し、衛生兵の丸山ひかり 2等軍曹(38歳)は、“ARDBの任務は体力的、精神的、かつ技術的にも厳しいという評判があり、多くの女性隊員はそれに耐えうるかと懸念している”とコメントした。
輸送船“おおすみ”の甲板上で実施されたフィットネス・トレーニングは、男性隊員のみで行われていたが、丸山2等軍曹と一緒に、2年弱前にADRB配属となったトラック整備士の黒澤瑠奈伍長(20歳)は、艦内の狭いトレーニングジムで訓練に励んでいた。
彼女らの回りでは、男性隊員が重量挙げ等に黙々と取り組んでいた。
なお、防衛省は女性自衛隊員の確保に努めてきているが、直近でセクシャルハラスメント問題が大きく取り上げられており、その努力に水を差す結果となっている。
すなわち、セクシャルハラスメントに遭った海上自衛隊所属の女性水兵が、上官の命令で加害者の男性隊員に無理やり面談させられたり、また、陸上自衛隊で発生したセクシャルハラスメント事件に関わった3人の男性自衛隊員に対して、福島地裁が昨年12月、有罪判決を下しており、木原稔防衛相(54歳、2023年就任)は、公式会見で謝罪を述べる他なかった。
この件に関し、“おおすみ”艦長の中野沢香2等海佐(42歳)は、“全く言葉にできない嘆かわしい事態だ”とした上で、“何がセクシャルハラスメントに相当するのか、徹底的に教育し直す必要がある”と強調した。
更に同艦長は、“自身が入隊する以前の二十数年前に就役した本艦には、女性隊員の乗船が可能な体制(寝室、トイレ等)が取られていなかった”とし、“今は多少なりとも女性隊員の受け入れ態勢が整いつつあるが、より多くの女性隊員に任務が開放されれば、もっと改善されるはずだ”とも述べている。
(注)ARDB:日本版海兵隊と呼ばれ、陸上自衛隊に属し、団本部は長崎県佐世保市相浦駐屯地。任務は、離島作戦・離島防衛・強襲上陸。総勢2,400人が所属。
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