【Globali】
中国、香港独立派議員を失格に(2016/11/08)
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会は、香港が英国から中国に返還された際に導入された一国二制度(香港に50年間英領時代に近い高度な自治を認めるもの)の基本となる香港基本法の解釈権を持つとされるが、同委員会は11月7日今年行われた選挙で立法議員に当選した香港独立派の二人を定められた方式で就任宣誓を行わなかったとして議員失格となるという判断を示した。この全人代の判断は、香港が二人の議員をどう扱うかを決める前に下されたため、香港では自治を損なう政治介入として反発が生まれているが、一方で香港は中国本土とは違う制度のもとで治められる地域ではあるが、飽くまでも中国の一部であり、独立は許されないとして二人の行為を批判する見方もある。31年後には一国二制度の期限を迎えるが、香港の将来について香港の中でも様々な意見が出てきている。
11月7日付
『ワシントンポスト』は、「中国、香港に政治介入し独立派立法議員を失格に」という見出しで、中国は月曜日香港に対する法の解釈を明らかにし独立の議論は認めないと明言したと報じた。独立派の二人の立法議員は宣誓の際、中国を侮辱する日本語を使い、香港国を守ると宣誓し、「香港は中国ではない」という幕を掲げた。立法議会では宣誓は無効とされ再度宣誓を要求したため大混乱となったが、全人代が断固たる結論を出した。...
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11月7日付
『ワシントンポスト』は、「中国、香港に政治介入し独立派立法議員を失格に」という見出しで、中国は月曜日香港に対する法の解釈を明らかにし独立の議論は認めないと明言したと報じた。独立派の二人の立法議員は宣誓の際、中国を侮辱する日本語を使い、香港国を守ると宣誓し、「香港は中国ではない」という幕を掲げた。立法議会では宣誓は無効とされ再度宣誓を要求したため大混乱となったが、全人代が断固たる結論を出した。全人代の月曜日の決定は、予め匂わされていたため、日曜日は香港で抗議が行われた。香港弁護士協会は先週、香港の裁判所が審議していた矢先の中国の介入は香港の司法の独立を阻害し、香港の自治に対する国際的な信頼を損なうと警告していた。香港大学法学部の教授は、これによりこの先独立派と親中国派の対立が更に深まると懸念する。
多くの香港人は自治を守り民主主義を求めるが、独立まで主張しているのはごく少数である。独立派の主張を非現実的で望ましくないと見る人もいる。「サウスチャイナモーニングポスト」の編集長は先週、二人の立法議員の馬鹿げた行動は、北京政府の強硬派の術中に陥るだけだと批判した。あるコラムニストも、北京政府と全面対決しても得るものは何もないと主張すると報じている。
11月8日付
『サウスチャイナモーニングポスト』は、「一つの国という基本原則に反対する独立派立法議員の馬鹿げた行動が宣誓について北京政府の介入をもたらす」という見出しの論説を掲載した。香港の裁判所は北京政府の解釈に従うべきだという介入が香港の各界の懸念を生んでいるのは尤もであるが、北京政府は独立派の動きを根絶するためには即座に動く必要があると考えたものである。この介入によって独立派の抵抗は更に強まるかもしれないが、過去の経験からみて、中国の基本原則を侵害すればするほど中国の香港に対する規制は強まるばかりである。一国二制度を支持するものにとってこれは何の利益もないと述べている。
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中国、G20で鉄鋼減産協力約す(2016/09/06)
中国杭州G20首脳会議は9月5日予定通り閉幕したが、今回の会議の成果の一つとして中国の鉄鋼過剰生産問題で、議論の場となる「世界フォーラム」設立で合意したことが上げられる。中国の鉄鋼過剰生産問題は、中国でも習主席は経済構造改革の本丸と位置付けて取り組んでいるが、企業レベルでの抵抗が強く進展の速度は遅い。これに欧米は業を煮やしているが、今回のG20でもEUのユンケル委員長が事態の改善を強く求めた結果、「世界フォーラム」の設立という形で一歩前進した。習主席としては国内の改革に外圧を上手く利用しようということであろうが、どのような効果をもたらすか注目したい。
9月5日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「中国、世界首脳会議で鉄鋼問題への協力を約す」という見出しで、朝鮮半島、シリア、難民問題に加え自由貿易を力強く後押しすることを議論して終わった世界の経済大国による首脳会議で、中国は政治的な課題を抱える鉄鋼問題について、貿易相手国と緊密に協力することで合意したと報じた。中国は貿易を首脳会議の主要なテーマとしたが、会議では世界市場における安価な中国の鉄鋼製品が欧米の職を奪い保護主義の台頭を許しているという不満が噴出した。...
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9月5日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「中国、世界首脳会議で鉄鋼問題への協力を約す」という見出しで、朝鮮半島、シリア、難民問題に加え自由貿易を力強く後押しすることを議論して終わった世界の経済大国による首脳会議で、中国は政治的な課題を抱える鉄鋼問題について、貿易相手国と緊密に協力することで合意したと報じた。中国は貿易を首脳会議の主要なテーマとしたが、会議では世界市場における安価な中国の鉄鋼製品が欧米の職を奪い保護主義の台頭を許しているという不満が噴出した。首脳宣言では、経済協力開発機構(OECD)の下に鉄鋼の過剰生産能力を調査するフォーラムを設立することとしたが、鉄鋼過剰生産につき中国に配慮して中国を名指しにはせず、世界的な課題としたと報じている。
9月5日付香港の
『サウスチャイナモーニングポスト』は、「欧州委、中国の過剰鉄鋼問題への批判を強める」という見出しで、欧州委員会のユンケル委員長はG20首脳会議において鉄鋼過剰設備への対応を中国に迫ったと報じた。委員長は日曜日の記者会見で首脳会議は鉄鋼業界が直面する問題への解決策を早急に見つける必要があり、中国は急速に成長する経済力に合った責任を負担する必要があると語った。中国の安価な鉄鋼製品の供給にEUの不満は高まっているが、これは中国が今年末までに欧州において市場経済国の地位を獲得出来るか否かに影を落としていると伝えている。
9月5日付
『ロイター通信』は、「G20、中国との緊張を回避しつつ過剰鉄鋼問題への対応を約す」という見出しで、G20の首脳は低価格で世界の鉄鋼業界を苦しめ、一方では中国と他の生産国との緊張を高めている過剰設備問題への対応で協力することを約したと報じた。この問題を世界的に解決して来年のG20までに報告するための世界フォーラムの設立は、永年過剰供給と需要低迷で苦しんで来た業界を助けるという強い決意の賜物である。世界フォーラム設立のニュースを世界の鉄鋼業界は歓迎するが、その成功は中国の態度次第であると業界関係者はみていると伝えている。
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