ミャンマー、アフガニスタンを抜き世界最大のアヘン供給国となる
国連の最新報告によると、2023年の世界のアヘン生産量は、これまで最大だったアフガニスタンを抜いてミャンマーが最大となっている。
12月12日付米
『Forbes』:「ミャンマーがアフガニスタンを抜き世界最大のアヘン生産地となる」
国連報告によると、ミャンマーでは政治紛争によりアヘン生産者が増えており、一方アフガニスタンではタリバンによる徹底したアヘン取締りが行われていることから、ミャンマーがアフガニスタン抜いてアヘン生産の最大生産国となったという。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、ミャンマーでは今年、1080トンのアヘンが生産された。...
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12月12日付米
『Forbes』:「ミャンマーがアフガニスタンを抜き世界最大のアヘン生産地となる」
国連報告によると、ミャンマーでは政治紛争によりアヘン生産者が増えており、一方アフガニスタンではタリバンによる徹底したアヘン取締りが行われていることから、ミャンマーがアフガニスタン抜いてアヘン生産の最大生産国となったという。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、ミャンマーでは今年、1080トンのアヘンが生産された。これは前年の約790トンから36%増で、同国の生産量として2001年以降最大となる。
アヘンはケシ属植物から採取され、ヘロイン生産の主要な原料となっており、高い中毒性のある麻薬となる。ケシ栽培はミャンマーで2021年民主政権が追放されて以来急速に拡大し、昨年から今年にかけ18%拡大した。軍事クーデターにより、より多くの人が内戦による暴力や不安から、農業に就いているためである。
UNODCは、現状のままだと、政情不安や経済問題がのしかかり、農家は他の選択肢がなく、また規制もないため、アヘン栽培者が更に増加すると指摘する。民族間や軍との紛争が絶えないシャン州や国境地帯での情勢悪化により、この傾向に拍車がかかるともみられている。
アフガニスタンでは、タリバンがケシ栽培を厳しく規制したことで、昨年からアヘン生産が95%減少した。
同国は長年、世界でヘロイン生産最大の国で、今年時点でも330トンを生産している。タリバンによる徹底した生産規制により、アヘンの世界的不足がおき、価格が値上がりしているため、更に生産が加速するとみられている。
国連報告によると、ミャンマーのアヘン経済規模は10億ドルから25億ドル。この数字はアヘンの国内消費量と輸出量を足したもので、2022年のミャンマーのGDP(国内総生産)の2~4%にあたる。
国連の報告によると2023年、アフガニスタンを追い抜きミャンマーが世界のアヘン生産のトップとなった。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)が12日発表した報告によると、アフガニスタンでは2022年タリバンが麻薬を禁止してからアヘン生産が95%減少し、世界的供給国がミャンマーに移った。2021年に起きたクーデターにより、政治、社会、経済不安にあえぐミャンマーでは多くの国民がケシ栽培を始めているという。
ミャンマーの農家は、ケシ栽培から75%の収入を得ている。ケシの平均価格は1キロあたり355ドルに達っしているといい、昨年から今年にかけ違法栽培耕地が18%増加し4万100ヘクタールから4万7000ヘクタールに拡大した。
2013年のピーク時の5万8000ヘクタールには届かないが、3年連続して拡大しておりアヘン生産が広がりつつある。国連は東南アジアのアヘン生産は貧困、政府支援不足、地域の経済不安が根源にあると指摘する。
北東ミャンマーはラオスとタイと国境を接する悪名高い「ゴールデントライアングル」の一角で、法に縛られないことからアヘンやヘロインの生産が歴史的に盛んな場所だった。だがここ数十年では、アヘンの生産が減少しており、タブレット状や結晶状のメタンフェタミンが代用されていた。
UNODCは、麻薬生産の増加が、カジノや詐欺、麻薬密売、マネーロンダリング、オンライン犯罪行為等に波及する危険を指摘する。
アフガニスタンは数年間、世界最大のアヘン生産国だったが、2021年政権を取り戻したタリバンが違法麻薬の取締を約束してから栽培は激減。ケシは昨年、アフガンの農業生産高のほぼ3分の1を占めていたが、耕地は2022年の23万3000ヘクタールから、2023年は1万ヘクタールに縮小している。
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タウリンに老化防止効果か、動物実験
肉や魚介類に含まれるアミノ酸であるタウリンは、エナジードリンクによく使われているが、新たな研究では老化防止への効果が認められたという。
6月8日付米
『NBCニュース』:「高タウリン摂取で老化抑制効果、動物実験」:
肉や魚介に含まれるアミノ酸であるタウリンはエナジードリンクの成分によく使われ、脳機能を促進すると謳われるが、実証はされていなかった。だが、国際研究チームが8日「サイエンス」に発表した研究によると、タウリンを投与した動物実験では、老化抑制効果がみられた。これがヒトへも効果がある可能性があるという。
ニューヨーク、コロンビア大学医学部のチームは、マウス、サル、ヒトにおいて、加齢とともにタウリン量が減少することを突き止めた。...
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6月8日付米
『NBCニュース』:「高タウリン摂取で老化抑制効果、動物実験」:
肉や魚介に含まれるアミノ酸であるタウリンはエナジードリンクの成分によく使われ、脳機能を促進すると謳われるが、実証はされていなかった。だが、国際研究チームが8日「サイエンス」に発表した研究によると、タウリンを投与した動物実験では、老化抑制効果がみられた。これがヒトへも効果がある可能性があるという。
ニューヨーク、コロンビア大学医学部のチームは、マウス、サル、ヒトにおいて、加齢とともにタウリン量が減少することを突き止めた。タウリンは年齢とともに8割程減少するが、理由は不明。
マウスとサルへのタウリン投与実験では、中年期で健康状態の向上が確認された。マウスでは、加齢に伴う体重増加傾向は減少、骨密度、筋持久性や筋力が上昇し、インスリン耐性は減少、免疫系統の向上もみられ、寿命が1割(ヒト換算で7,8年)伸びた。サルでは、血糖値の改善や骨密度上昇、肝臓や免疫機能でも改善がみられた。
研究チームは、タウリンが加齢を抑制したと結論づけるのは早急だが、一定の効果は確認されているとする。ヒトでの臨床研究はまだないが、データは動物実験結果がヒトへも当てはまる可能性を示している。
ケンブリッジ大学で1993年~98年に行われた40~79歳の男女3万人を対象とした調査によると、タウリン摂取量が多いヒトほど健康で、炎症症状や2型糖尿病、高血圧、肥満の割合が少なかった。運動によりタウリン量が増える運動量との関連性も確認されている。
欧州食品安全機関は、マウスに投与されたタウリンの割合のヒトへの投与は安全だと判断しており、エナジードリングに添加されているタウリンの量も安全だが、専門家が懸念するのはカフェイン量の方である。
人体でも少量のタウリンは生成されるが、殆どは食べ物を通して摂取され、貝類、鶏肉や七面鳥のもも肉に多く含まれる。量は少ないが、牛乳やアイスクリーム等の乳製品にも含まれる。サプリメントではなく、食べ物からの摂取でも同じ効果を得ることは可能。
1970年代の研究では、猫はタウリンを生成できないが、キャットフードでアミノ酸を補うと、盲目など網膜変性機能の改善が見られたと報告され、ペットフードのタウリン不足も心臓病の原因となると考えられた。それ以降、タウリン不足はヒトの加齢由来の疾病と関連性があるとされている。
同日付米『Forbes』:「エナジードリングの主成分タウリンが加齢を抑制し寿命を伸ばす可能性」
多くの食べ物に自然に含まれ、レッドブルやモンスター等のエナジードリングの主要成分であるタウリンが、長寿や健康な生活への鍵となるとする研究が8日発表された。
タウリンは体内で生成され、食べ物にも含まれており、動物の加齢の原因に影響していると考えらている。マウス、サル、ヒトでは、血液検査でタウリン量が測定できる。免疫系統や神経機能、骨密度、肥満などの加齢により衰える傾向にある身体過程。平均80歳で5歳の3分の1に減少する。
タウリン不足が加齢を引起こすかの実験では、ヒトでは45歳ころとなる生後14ヶ月のマウス250匹の半数にタウリンを摂取させたところ、メスで12%、オスで10%となる3,4ヶ月寿命が長くなったという。これはヒトで換算すると7,8年の伸びとなる。
赤毛猿でも同様の効果がみられた。タウリンを6ヶ月投与したところ、体重増加抑制、背骨や足の骨密度向上、免疫向上が確認された。研究チームの遺伝発達学者ヴィジャイ・ヤダブ氏は、タウリンを摂取したマウスは、より健康な生活を送り、ほぼ全ての測定項目で改善が見られたとする。
欧州の60歳以上の成人12000万人を対象とした50項目の健康測定調査では、タウリン量が高い程、健康、糖尿病羅漢も少なかったとの報告もある。運動との関連性も研究されており、激しい運動後にタウリンの増加が見られることから、運動の効用には、タウリン増加の側面が関係しているとも考えられる。
過去25年、科学の世界では、長寿のみならず「健康寿命」をのばす研究が行われてきた。今回の研究は、タウリンが体内の不老長寿の薬であることを示すものかもしれない。
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