米・英・カナダ・豪州メディア;中国がG7の海洋安保声明を批判(2)(2016/04/13)
4月12日付
Globali「中国がG7の海洋安保声明を批判」で報じられたとおり、中国国営報道機関は、中国外交部(省に相当)の報道官の批判声明を大々的に取り上げている。自身の傍若無人な戦略を棚に上げ、またしても日本が国際会議において中国を貶めようとしていると勝手な理屈をこねている。ただ、今や経済力が世界第二位で軍事力が世界第三位の大国となった中国の発言には、各国が注意を払わざるを得なくなっている。
4月12日付米
『ロイター通信米国版』の報道記事「中国、G7の東・南シナ海に関わる声明に怒り」:
「・中国外交部は4月12日、G7外相会合が出した東・南シナ海に関する声明に対して、G7は世界経済の低迷をどう協力して対応していくか等に注力すべきなのに、領土や主権の争いについて偏った見解を出したことについて、非常に遺憾なことと発表。
・G7は4月11日、東・南シナ海について、現状を変更し緊張を高める威嚇的、威圧的または挑発的な一方的行動に対し、強く反対するとの声明を発表。...
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4月12日付米
『ロイター通信米国版』の報道記事「中国、G7の東・南シナ海に関わる声明に怒り」:
「・中国外交部は4月12日、G7外相会合が出した東・南シナ海に関する声明に対して、G7は世界経済の低迷をどう協力して対応していくか等に注力すべきなのに、領土や主権の争いについて偏った見解を出したことについて、非常に遺憾なことと発表。
・G7は4月11日、東・南シナ海について、現状を変更し緊張を高める威嚇的、威圧的または挑発的な一方的行動に対し、強く反対するとの声明を発表。」
同日付英
『BBCニュース』の報道「中国、G7の海洋問題についての共同声明に反発」:
「・G7の共同声明は、中国を名指ししてはいないが、岩礁の埋め立てや人工島の軍事拠点化によって海域の平安を乱し、また、現状の変更につながることになるから、強い反対を表明するとの表現より、婉曲的に中国を非難。」
同日付カナダ
『カナダ・ニュース・ネット』の報道記事「G7外相が南シナ海問題に懸念を
表明せるも、中国は猛反発」:
「・中国外交部は、南シナ海に関わるG7共同声明が一方的で偏った見方をしていると猛烈に非難。
・しかし、同海域で中国と領有権争いをしているフィリピン、ベトナム、ブルネイ、台湾、マレーシア、及び東シナ海で領有権問題を抱える日本は、いずれも以前から、中国の一方的な海洋活動を非難。」
同日付豪州
『オーストラリアン・ヘラルド』紙の報道記事「中国、G7による南シナ海に関
わる声明に憤怒」:
「・G7共同声明は、中国を名指ししていないものの、明らかに中国の海洋活動を非難するもので、他の国(例えば台湾やフィリピン)が行った埋め立てや人工島の灯台建設については、中国のそれに比べて矮小であるためか、詳しく言及せず。」
なお、フィリピン、マレーシア、シンガポールメディアなども、ロイター通信やAP通信の
記事をそのまま引用して、G7共同声明に対する中国の反発について報道している。
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日本のキャビア、世界へ乗り出す(2016/02/08)
豊かな農作物や畜産で知られる宮崎県が、今度はキャビアで日本を有名にしようとしている。各メディアは次のように報じている。
2月7日付
『オーストラリアン・ネットワーク・ニュース』(豪)は「日本はみずみずしい寿司や素晴らしいスコッチ・ウイスキーの次に、キャビアを世界に送り出そうとしている」として、宮崎県のキャビア産業を取り上げている。キャビアはチョウザメの卵で、世界三大珍味の一つとされ、今までロシアやイランが主な産地とされてきた。宮崎県は1983年からチョウザメの養殖に取り組んできた。同記事はチョウザメは恐竜が生きていた頃から今と同じ姿で、100年以上生きるものもあると説明する。...
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2月7日付
『オーストラリアン・ネットワーク・ニュース』(豪)は「日本はみずみずしい寿司や素晴らしいスコッチ・ウイスキーの次に、キャビアを世界に送り出そうとしている」として、宮崎県のキャビア産業を取り上げている。キャビアはチョウザメの卵で、世界三大珍味の一つとされ、今までロシアやイランが主な産地とされてきた。宮崎県は1983年からチョウザメの養殖に取り組んできた。同記事はチョウザメは恐竜が生きていた頃から今と同じ姿で、100年以上生きるものもあると説明する。
宮崎県の温泉の温度が年間を通して約17℃である点が、チョウザメの養殖に適しているとする。また、味は海外のものよりマイルドだという。
同日付
『テレグラフ』(英)は、日本が30年ほど前からキャビアの生産を試みていたが、苦労の末ようやく出荷にまで辿り着いたことを伝えている。
初め、ロシア産のチョウザメを養殖しようとしたもののうまくいかず、その後北アメリカ産のシロチョウザメに切り替え、試行錯誤を重ねてきた。そして2013年に商業レベルでの生産に成功したという。
このような努力を重ねてきた理由の一つにキャビアの価格が挙げられる。同記事は「ブルームバーグ」(米)の記事を引用し、キャビアは0.8グラム1000円の値が付くのだという。これまでは宮崎県三のキャビアは、日本国内でミシュラン・ガイドに掲載されるようなレストランや銀座の高級デパートで主に販売されていたが、この度初めて世界に輸出されるという。宮崎県ではこの産業を年間100億円のレベルにまで育てたいとしている。生産量も順調に伸びている。2014年は60キロ、昨年は120キロ、今年は300キロになる見込みだという。
同記事は、日本を「世界の食の傾向を掴むのに長けているだけでなく、惜しみない努力によってオリジナルを上回る能力を持つ。その良い例がスコッチ・ウィスキーだ」と絶賛している。
海外で日本産のキャビアにお目にかかれる日が来るかもしれない。
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