イスラエル首相、バイデン大統領との会談後、中国からの投資について方向転換か(2021/09/03)
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、8月27日にアメリカのバイデン大統領と会談を行い、中国からの投資について何らかの行動を起こす可能性があるとイスラエル政府高官が語った。
イスラエルの
『エルサレムポスト』紙によると、具体的な行動の内容は明かされなかったものの、外国からの大規模な投資を監督する委員会を、財務省から首相直属の国家安全保障会議に移すことが検討されている可能性があるという。
現在イスラエル政府は、テルアビブ市内を走る路面電車「ライトレール」の一部を建設するための入札も延期している。中国企業が入札に参加したため、外交的に微妙な状態になっているという。...
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『エルサレムポスト』紙によると、具体的な行動の内容は明かされなかったものの、外国からの大規模な投資を監督する委員会を、財務省から首相直属の国家安全保障会議に移すことが検討されている可能性があるという。
現在イスラエル政府は、テルアビブ市内を走る路面電車「ライトレール」の一部を建設するための入札も延期している。中国企業が入札に参加したため、外交的に微妙な状態になっているという。
ワシントンの現政権および前政権は、イスラエルの主要インフラや、人工知能を含むハイテク分野への中国の投資の範囲について懸念を示してきた。イスラエルは、トランプ政権の圧力を受けて外国投資を審査する委員会を設立したものの、この委員会は任意であり、審査する範囲も非常に限られていた。トランプ政権は、イスラエルに対し、中国からの投資に対して、より強固な監視プロセスを確立するよう求めていたという。
近年、懸念されていた投資のひとつが、1日に開港し、上海国際港集団が運営するハイファ湾港である。しかし、ベネット首相のワシントン訪問団の上級外交筋によると、バイデン政権は、中国のハッキングや人権侵害などの行為に対して国際的な同盟国を結集している一方で、ベネット首相との会談の際は、中国について、イスラエルに対して具体的な要求を何もしなかったという。
米ニュースサイト『アクシオス』によると、ベネット首相の側近たちは、ワシントンに行く前に、バイデン大統領の最優先事項と思われる、中国、気候変動、新型コロナウィルスについて話し合う準備をしていた。特に、中国に関しては、首脳会談の2週間前に、CIA長官のウィリアム・バーンズが、中国によるイスラエルへの投資、特にハイテク分野への投資や、大規模なインフラプロジェクトへの関与を懸念していることをベネット首相に伝えていたという。
しかし、会談に出席したイスラエル関係者1名と、話し合われた内容全てについて報告を受けたもう1名のイスラエル政府関係者は、バイデンをはじめ、アントニー・ブリンケン国務長官、ロイド・オースティン国防長官、ジェイク・サリバン国家安全保障顧問は、中国についてはほんの少し触れただけだったと、語っている。
「今回の会議で、中国の投資問題がほとんど話題に上らなかったことに非常に驚いた。いずれにしても、我々は米国の懸念に非常に敏感であり、認識しており、中国との貿易を強化する必要性と国家の安全保障を維持することの間でバランスをとるつもりだ」と、この会合について説明を受けたイスラエルの高官は述べている。
なお、イスラエルのラピド外相は1日の記者会見で、「中国との関係について米国から具体的な要求は来ていない」、「誰からも何かを変えるよう求められなかった」と述べている。
『エルサレムポスト』によると、在イスラエル米国大使館の広報担当者は、「米国とイスラエルは、外国からの投資によるものを含む、共通の国家安全保障上の利益に対するリスクについての懸念を引き続き話し合っている。個人的な外交上のやり取りの詳細についてコメントは控える。」と述べている。
約1870億円の費用をかけて建設され、上海国際港集団(SIPG)が運営権を持つハイファ湾港は、遅れをとっていた業界でイスラエルに競争力をもたらし、地域の貿易ハブとしてのイスラエルの地位を向上させることが期待されている。イスラエルは、国有の港湾を売却し、民間の埠頭を新設することで、コストを削減し、船舶の荷揚げまでの平均的な待ち時間を短縮することを狙った。イスラエルでは全物資の約99%が海路で出入りしているため、経済成長を維持するためには港の整備を必要としている。また、トランプ政権時代にイスラエルと近隣のアラブ諸国との関係が強化され、イスラエルに新たな貿易機会をもたらす港湾として期待されている。
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東京オリンピック、射撃の金メダリストが現役のテロ組織隊員である可能性が浮上(2021/08/03)
7月30日に行われた10メートルエアピストル競技で、イランのジャバド・フォルギ選手が金メダルを獲得した。しかし、フォルギ選手が、米国がテロ組織とみなすイラン革命防衛隊に所属しているとして、そうした人物のオリンピックへの参加そのものに対する疑問の声が上がっている。
『ヤフー・スポーツ』によると、亡命したイラン人の人権団体「ユナイテッド・フォー・ナビド」は、国際オリンピック委員会(IOC)にフォルギ選手に関する調査を要求した。同団体は、反政府デモに参加したことを理由に、2020年にイラン政権によって処刑されたイランのレスリング選手、ナビド・アフカリ氏にちなんで名づけられた。
「ユナイテッド・フォー・ナビド」は声明で、「テロ組織に所属している人物にオリンピックの金メダルを授与したことは、イランのスポーツ界だけでなく、国際社会、特にIOCの評判にとって大きな失敗であると考える。...
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『ヤフー・スポーツ』によると、亡命したイラン人の人権団体「ユナイテッド・フォー・ナビド」は、国際オリンピック委員会(IOC)にフォルギ選手に関する調査を要求した。同団体は、反政府デモに参加したことを理由に、2020年にイラン政権によって処刑されたイランのレスリング選手、ナビド・アフカリ氏にちなんで名づけられた。
「ユナイテッド・フォー・ナビド」は声明で、「テロ組織に所属している人物にオリンピックの金メダルを授与したことは、イランのスポーツ界だけでなく、国際社会、特にIOCの評判にとって大きな失敗であると考える。41歳のフォルギは、長年にわたりそして現在もテロ組織の隊員である」と述べている。そして「イラン革命防衛隊は、イランの国民や反政府デモ参加者だけでなく、シリア、イラク、レバノンの罪のない人々を暴力で殺害してきた歴史を持っている。米国指定のテロ組織である。IOCが直ちに調査を行い、調査が完了するまでメダルの授与を保留することを求める」と述べている。
ワシントン・ポスト紙は1年前の記事で、イランの「最高指導者は革命防衛隊を使ってイラン国民に自分の意志を行使し、国内外からの脅威と思われるものを潰している」と伝えている。革命防衛隊は、武装組織のハマスやヒズボラと提携し、38万人以上の犠牲者を出した内戦中のシリアのアサド大統領による反政府デモ隊への攻撃を支援してきたという。
英『ガーディアン』は、2013年から2015年にかけて革命防衛隊で看護師としてシリアに従軍したと発言しているフォルギ選手は、表彰台で軍人としての敬礼を行ったと伝えている。同種目で、過去4回のオリンピック大会で金メダルを獲得してきた韓国のジン・ジョンオ選手は、「テロリストが1位を獲得するなんて。あまりに馬鹿げていて話にならない」とコメントしている。
ドバイのメディア『アルアラビヤ』によると、イランのメディアはフォルギ選手が勤務先の病院の地下で射撃の練習をしていたと報じているという。フォルギ選手は優勝後、シーア派12人のイマームの一人である「イマーム・マフディと最高指導者に私のメダルを捧げます」と語った。
米国在住のイラン人ジャーナリスト、フェレシュテ・ガジ氏はペルシャ語で「ブラボー、フォルギさん。私たちにはこのような勝利や喜びが本当に必要です。歴史を作ってくれたことを賞賛する」とツイートした。これに対し、イランを拠点とする反体制派の政治家で元政治犯のホセイン・ロナギ氏は、「シリア国民の虐殺に一役買った人物がメダルを獲得しても、それは喜びでも歴史的な出来事でもない。これはイランの恥です。ガジ氏、わたしたちは喜ぶのではなく、恥じるべきなのです」と反論している。
IOCのアダムス報道官は金メダリストがテロ組織の隊員であることの「何か証拠があるのであれば、我々に送ってほしい」と述べている。
なお、イスラエルの『エルサレムポスト』は、「国際オリンピック委員会(IOC)は、1972年のミュンヘン大会でパレスチナ人テロリストに殺害されたイスラエル人選手11名の追悼を、49年間、11大会連続で拒否してきた。」しかし今回、開会式で初めて追悼の黙とうが行われたことに対して「正しいことを選択した日本オリンピック委員会に、私たちは感謝する。」と報じている。一方で、テロ組織の現役隊員にオリンピックへの参加を許し、金メダルを授与したことで、IOCが再びオリンピックの炎を消すのに1日しかかからなかったと伝えている。
イランにとって東京大会での最初で唯一のメダルである。
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