英外務省は8日、ロシアのニュース専門局RTと通信社スプートニクに対し、偽情報の拡散において積極的役割を果たしているとして、ロンドンで開催される報道の自由に関する国際会議への出席を禁じたことを発表した。
ロシアメディア
『イタル・タス通信』、当事者の
『スプートニク』のほか、
『AFP通信』や英メディア業界紙などが報じた。同会議は、報道の自由に関する初めての閣僚級会議であり、7月10~11日に英首都ロンドンで、英国・カナダ両国政府の共催で行われる。
同会議は、偽ニュースを含む報道の自由の諸問題を各国の代表が論議し、国際協力を深めることを目的としており、北朝鮮、シリア、ベネズエラ以外の国はすべて招待されているという。約60人の各国の閣僚や政府当局者に加え、約1,000人のジャーナリストや学者、市民団体の関係者などが参加する予定だ。
英外務省報道官は、2社への対応について、「RTとスプートニクは、偽情報の拡散に積極的な役割を果たしているため、参加を認めなかった。申請全てを承諾することは不可能だが、ロシアを含む世界中のメディアのジャーナリストが会議に出席する。」と説明した。
在英ロシア大使館はこれに先立ち、RTの参加を認めないとの決定について、「政治的動機に直接結びついた差別」であると非難し、英外務省に抗議していた。同大使館の5日の声明によると、RTは主催者から、同会議で同社記者の席はないと告げられたという。
RTとスプートニクはともにロシア連邦政府が所有する実質国営メディアであり、主に海外の視聴者らに向けて情報発信をしている。RTは英外務省の8日の発表後、不都合な意見を禁じ、主流メディア以外のメディアを叩いておきながら、表現の自由を主張するのは一種の偽善であるとの内容の英政府を批判するコメントを発表した。
英メディア規制機関の情報通信庁(Ofcom)は昨年12月、英ソールズベリーで同年3月に起きたロシア人元二重スパイとその娘の毒殺未遂事件の後に放送されたRTのニュースや時事問題を扱う複数の番組で、同社が公平性に関する規範に違反したと判断していた。同庁はさらに、RTが放送規定に適合していないとして制裁を科すことを検討しているとしたが、RTはこれに対し法廷で争う意向を示している。ジェレミー・ハント英外相は今年5月、RTはロシア政府の意向に沿った報道をしていると批判していた。
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7月27日付米
『ロイター通信』:「プーチン大統領、トランプ大統領に“モスクワに招待する”旨伝えたと披露」
BRICS新興国首脳会議出席のため南アフリカ訪問中のウラジーミル・プーチン大統領は7月27日、先週ヘルシンキ(フィンランド)で米ロ首脳会談を持った際、ドナルド・トランプ大統領をモスクワに招待すると話した旨公表した。
同首脳会談後、米国内では、トランプ大統領が2016年米大統領選へのロシア不当介入問題について責任追及をしなかったり、米国情報局の情報よりプーチン大統領の言葉を信用すると言ったりと、弱腰とみられる対応に非難の声が上がった。...
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7月27日付米
『ロイター通信』:「プーチン大統領、トランプ大統領に“モスクワに招待する”旨伝えたと披露」
BRICS新興国首脳会議出席のため南アフリカ訪問中のウラジーミル・プーチン大統領は7月27日、先週ヘルシンキ(フィンランド)で米ロ首脳会談を持った際、ドナルド・トランプ大統領をモスクワに招待すると話した旨公表した。
同首脳会談後、米国内では、トランプ大統領が2016年米大統領選へのロシア不当介入問題について責任追及をしなかったり、米国情報局の情報よりプーチン大統領の言葉を信用すると言ったりと、弱腰とみられる対応に非難の声が上がった。そこで、両国外交関係者とも、次の米ロ首脳会談の日程案協議の話から後退している。
しかし、プーチン大統領は、トランプ大統領の発言を良く理解しており、引き続いて首脳会談を持ちたいとの同大統領の意向にも賛成しているとし、次回の首脳会談について、場合によってモスクワでの開催について進言したと披露した。
また同大統領は、それぞれの国の事情があるにせよ、国際社会にとっては米ロ関係が改善する方が安心できるとみていると付言した。
更に同大統領は、「新戦略兵器削減条約(START、注1後記)」が2021年に失効することから、本件の取扱いについてもヘルシンキで協議したとも語っている。
なお、トランプ大統領は実業家時代の2013年、モスクワで開催された「ミス・ユニバース世界大会(注2後記)」代表として訪ロしている。
7月28日付ロシア『イタル・タス通信』:「プーチン大統領、モスクワでもワシントンでもどちらでもトランプ大統領と会談する“腹積もり”だと表明」
プーチン大統領は7月27日に当通信のインタビューに答えて、トランプ大統領と次の会談を持つのは、ワシントンでもモスクワでもどちらでも構わないと語った。
同大統領は、トランプ大統領が自身をワシントンに招待すると発言しているが、自身もトランプ大統領をモスクワに招待したいとも述べたと付言した。
同大統領は更に、双方とも引き続き首脳会談を持つ意向について同意しており、もしそれぞれの国を訪問することが、政治的な背景等で難しいというなら、例えば主要20ヵ国首脳会議などの国際会議の機会を捉えて会談する考えもあると述べている。
(注1)START:2011年2月に米ロ間で締結され、発効した核兵器の軍縮条約(オバマ大統領とメドベーチェフ大統領が署名)。2009年12月に、次の条約を締結することなく失効した「第一次戦略兵器削減条約(START I、1991年にブッシュ大統領とソ連/ゴルバチョフ大統領が署名)」に続くもの。
(注2)ミス・ユニバース世界大会:1952年から続く、世界の各国代表が参加して世界一の栄冠を競い合う美の祭典。日本代表は、1959年にMiss児島明子、2007年にMiss森理世が優勝。トランプ氏は、主催者のミス・ユニバース機構の元代表。
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