TICADから見る中国の影響力(8月31日)
(TICADから見る中国の影響力)
第七回TICAD(アフリカ開発会議)が終了し、横浜宣言が採択された。そもそもなぜ、今アフリカなのか。アフリカは日本にとっては大きな意味がある。まずアフリカは日本が国連安保常任理事国になるために必要な大票田である。それだけではない。経済的視点から見ればアフリカは世界の最後のフロンティアと言え、各国による開発競走、市場争奪戦が盛んに繰り広げられている最前線である。...
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(TICADから見る中国の影響力)
第七回TICAD(アフリカ開発会議)が終了し、横浜宣言が採択された。そもそもなぜ、今アフリカなのか。アフリカは日本にとっては大きな意味がある。まずアフリカは日本が国連安保常任理事国になるために必要な大票田である。それだけではない。経済的視点から見ればアフリカは世界の最後のフロンティアと言え、各国による開発競走、市場争奪戦が盛んに繰り広げられている最前線である。生き残りのためにはアフリカ市場を獲得することが必須事項となる。なにしろ世界の人口予測によれば2050年には世界の4人に1人はアフリカ人になる計算なのだ。このアフリカ市場に中国は早くからかなり深く食い込んでおり、日本もアフリカとは関わってはきたものの、投資額や支援規模において中国に先行されていることも確かである。その一方で例えばケニアが鉄道事業で中国に対し、重い債務を負ったように、債務のワナに陥るのではなないかという懸念も世界の一部に根強くあることも間違いない。それを踏まえ今回のTICADにおいて日本は、中国に対し過剰債務を抱えないようアフリカの国々に促していくという日本ならではの役割を持っていた。横浜宣言では中国の「一帯一路」を意識しつつ、日本が押し進める「自由で開かれたインド太平洋構想にも好意的に留意する」との前向きな文言が明記され、中国一辺倒に染まるアフリカに日本が一石を投じた格好となった。だが、近年、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」を使って日本が思っている以上に影響力を強めている。アフリカ諸国の中には「自由で開かれたインド太平洋構想」に対し慎重な国があり「自由で開かれたインド太平洋構想を支持する」という表現が見送られた。アフリカ開発銀行のアデシナ総裁は日本のメディアのインタビューに対し「債務の罠」を危惧する考えについて言及し、「中国がそうした意図を持っているとは思えない」と不快感を表した。さらに「アフリカでは債務危機に陥っている国はない」として、中国の過剰債務を問題視しない考えも示した。TICADの隙間から中国の影響力を垣間見た感がする。
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香港動乱(8月31日)
(香港デモで追い込まれている中国)
香港という国際都市で、公然とデモ隊鎮圧が行われるということは民主主義国家にとっては考えられないことである。中国がデモ隊抑え込みを急ぐ背景には9月11日から2日間にわたり香港で行われる一帯一路サミットを間近かに控えていることに加え、10月1日には建国70周年を迎えることがある。なんとかして香港のデモを抑え込まなければ、習近平国家主席の面子は丸つぶれとなり、中国が主導権を握る一帯一路が逆風にさらされることにもなりかねない。...
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(香港デモで追い込まれている中国)
香港という国際都市で、公然とデモ隊鎮圧が行われるということは民主主義国家にとっては考えられないことである。中国がデモ隊抑え込みを急ぐ背景には9月11日から2日間にわたり香港で行われる一帯一路サミットを間近かに控えていることに加え、10月1日には建国70周年を迎えることがある。なんとかして香港のデモを抑え込まなければ、習近平国家主席の面子は丸つぶれとなり、中国が主導権を握る一帯一路が逆風にさらされることにもなりかねない。そうなった場合には同じく中国が主導するAIIBにもその影響は及ぶことになる。しかし、現実的には中国の思い通りには話は進んでいない。中国当局は試行錯誤しまくっている。例えば装甲車などが香港に入る威圧的な映像で脅してみたり、正体不明の男達を使いデモ隊をバットなどで襲撃させたりしているが、これらは皮肉なことに逆に市民の反発を買い、デモ参加者の結束を固める形になっている。
(今後1週間以内に当局がデモ隊を制圧する可能性も)
無許可集会への参加を扇動したなどとして雨傘運動を主導した民主派団体の中心メンバーであり、「民主の女神」として世界的にも知られる周庭らを当局は逮捕した。しかし国際社会の批判をかわすためにすぐに2人を保釈してしまい、かえって弱腰姿勢をさらす結果となった。保釈された2人に対し「中国政府と香港政府は香港人を怯えさせ、民主運動を阻止しようとしている。今後も抗議活動を続けていく」と国際社会に向けてアピールする機会を与えてしまった。仮に第二の天安門事件が起きれば中国は国際社会からの批判を避けられなくなり、米中貿易戦争の駆け引きにおいてもトランプ大統領にとって有利な中国叩きの材料となってしまう。何より中国が恐れるのはこの問題が台湾に飛び火することである。香港における中国当局の失態は台湾での新たなるデモの動きにつながりかねず、そのまま台湾の総統選挙で蔡総統への票につながる可能性もある。中国当局が今後とるとみられる手法はまずデモ自体を違法行為と認定した上で、こうした忠告を無視し、デモに参加した者をテロリスト認定し一気に素早く抑えこむことである。今後1週間以内にこの行動に出る可能性が高く、まずは今後1週間、何が起こるか香港情勢に注視していきたい。
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香港に中国軍が上陸?新映像公開でけん制か(8月30日)
抗議活動が続く香港で強まる香港政府や中国の圧力。香港に向かう中国軍の車列と海からは兵士たちが列をなして上陸する。香港に駐留する中国人民解放軍が部隊を交代する映像を中国の国営テレビが公開した。
あす予定されていた大規模デモを前に、抗議活動をけん制するねらいがあると見られる。
民主化運動に関わってきた人物が、相次いで警察に逮捕された。そのうちの一人、周庭。5年前の香港で、民主的な選挙の実現を求めて、学生たちの怒りが爆発した雨傘運動。...
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抗議活動が続く香港で強まる香港政府や中国の圧力。香港に向かう中国軍の車列と海からは兵士たちが列をなして上陸する。香港に駐留する中国人民解放軍が部隊を交代する映像を中国の国営テレビが公開した。
あす予定されていた大規模デモを前に、抗議活動をけん制するねらいがあると見られる。
民主化運動に関わってきた人物が、相次いで警察に逮捕された。そのうちの一人、周庭。5年前の香港で、民主的な選挙の実現を求めて、学生たちの怒りが爆発した雨傘運動。このとき、10代だった周氏は、雨傘運動を主導した1人で当時、民主化運動の女神とも呼ばれた。
今回の抗議活動にも参加し、来日した際は日本語で支援を呼びかけた。同じく雨傘運動のリーダー・黄之鋒も逮捕された。
2人について警察は、抗議活動の中で、市民に対し、違法な集会への参加を扇動した疑いなどがあるとしている。警察は、集会とデモ行進を認めない決定を、民主派の団体に通知した。
これに対し、団体の代表は、異議を申し立てたものの、認められなかったことを明らかにした。
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香港・「雨傘運動」のリーダーらを警察が拘束(8月30日)
民主派の団体「香港衆志」によるとけさ、団体の幹部で5年前、香港で民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」を主導した黄之鋒が警察に拘束された。容疑などは分かっていない。
黄は雨傘運動に関連して実刑判決を受け、ことし6月に出所したあと、警察本部を取り囲むなどの抗議活動に参加していた。
警察は活動禁止の命令を受けた団体「香港民族党」の陳浩天代表を暴動に関わった疑いなどで昨夜逮捕したと明らかにした。...
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民主派の団体「香港衆志」によるとけさ、団体の幹部で5年前、香港で民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」を主導した黄之鋒が警察に拘束された。容疑などは分かっていない。
黄は雨傘運動に関連して実刑判決を受け、ことし6月に出所したあと、警察本部を取り囲むなどの抗議活動に参加していた。
警察は活動禁止の命令を受けた団体「香港民族党」の陳浩天代表を暴動に関わった疑いなどで昨夜逮捕したと明らかにした。
香港ではあす、雨傘運動のきっかけとなった中国が香港トップの行政長官を選ぶ選挙に民主派が立候補することを事実上閉ざす決定をした日から5年となる。
これに合わせて大規模なデモが計画されているが、警察はきのうデモを認めない決定をしている。
こうした中、香港に隣接する中国広東省の深センでは、軍の指揮下にある武装警察と警察が合同で暴徒と化したデモ隊を制圧する大規模な訓練を行ったとする新たな映像が公開された。
映像には棒などを持った暴徒に対し、武装警察が香港市民が使う広東語で撤退するよう呼びかけ、放水車なども出て制圧する訓練の様子が撮影されている。
深センの武装警察について中国国防省は「通常の訓練を行っている」と強調しているが、映像を公開することで一部で過激化する抗議活動をけん制するねらいがあると見られる。
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香港デモ・団体代表など襲撃相次ぐ(8月30日)
抗議活動が続く香港でデモを呼びかけた団体代表、民主派の団体が襲撃される事件などが相次ぎ、市民の間で不安が広がっている。
一方、抗議活動をけん制するかのような動きも出ている。中国の国営テレビは香港に駐留する人民解放軍が中国本土の部隊と交代する様子を伝えた。
中国国防省は「香港の部隊は今後も正常な職務を執行し、軍事訓練を行い香港の繁栄や安定を守る」と述べた。
香港警察はあす計画されている大規模な集会とデモ行進について「一部で暴力行為がエスカレートしている」として認めないことを決めた。...
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抗議活動が続く香港でデモを呼びかけた団体代表、民主派の団体が襲撃される事件などが相次ぎ、市民の間で不安が広がっている。
一方、抗議活動をけん制するかのような動きも出ている。中国の国営テレビは香港に駐留する人民解放軍が中国本土の部隊と交代する様子を伝えた。
中国国防省は「香港の部隊は今後も正常な職務を執行し、軍事訓練を行い香港の繁栄や安定を守る」と述べた。
香港警察はあす計画されている大規模な集会とデモ行進について「一部で暴力行為がエスカレートしている」として認めないことを決めた。多くの参加者は計画通りデモを行う可能性が高く衝突の懸念が強まっている。
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