香港返還25年・記念式典に習主席出席(7月1日)
香港はきょう中国に返還されてから25年の節目の日を迎え、中国・習近平国家主席も出席して記念式典が行われる。
習主席はきのう高速鉄道で香港入りし、退任する香港政府トップ・林鄭月娥行政長官らと面会。新華社通信によると面会の中で香港を混乱から安定した統治へ転換させたと述べ、大規模なデモを抑え込み、選挙制度の変更によって香港を安定に導いたと評価。記念式典の演説で政府の主導で進めてきた統制強化の成果をアピールするものとみられる。...
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香港はきょう中国に返還されてから25年の節目の日を迎え、中国・習近平国家主席も出席して記念式典が行われる。
習主席はきのう高速鉄道で香港入りし、退任する香港政府トップ・林鄭月娥行政長官らと面会。新華社通信によると面会の中で香港を混乱から安定した統治へ転換させたと述べ、大規模なデモを抑え込み、選挙制度の変更によって香港を安定に導いたと評価。記念式典の演説で政府の主導で進めてきた統制強化の成果をアピールするものとみられる。
例年は返還記念日に合わせて民主化を求めるデモが呼びかけられ、数万人規模の市民が参加してきたほか、3年前には若者らが立法会に突入する事態も起きた。ことしはデモを呼びかけてきた団体がすでに解散しているほか、ほかの民主派団体も警察に呼び出された後、今回は活動しないと表明している。
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日本列島周辺のきな臭い動き(6月26日)
尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で25日、中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは71日連続である。中国船の出没はもはや常態化しており、実効支配している証拠とエビデンスを無理やり作り出しているといえる様な行動様態である。
一方、ロシア海軍も日本を威嚇するかのような動きを見せている。20日にはロシア海軍の駆逐艦やフリゲート艦など5隻が沖縄本島と宮古島の海域を通過し、太平洋から東シナ海に入ったのを海上自衛隊の艦艇や哨戒機が確認した。...
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尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で25日、中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは71日連続である。中国船の出没はもはや常態化しており、実効支配している証拠とエビデンスを無理やり作り出しているといえる様な行動様態である。
一方、ロシア海軍も日本を威嚇するかのような動きを見せている。20日にはロシア海軍の駆逐艦やフリゲート艦など5隻が沖縄本島と宮古島の海域を通過し、太平洋から東シナ海に入ったのを海上自衛隊の艦艇や哨戒機が確認した。
5隻はいずれも15日に北海道・襟裳岬の南東沖で確認されその後、千葉県沖や伊豆諸島周辺を航行し、日本列島を威嚇するようにほぼ半周した。ロシア国防省は、太平洋で40隻以上の艦艇などが参加する大規模な演習を行うと発表しており、防衛省関係者によると、5隻はこの演習に参加していたとみられる。
ロシアの日本への威嚇は経済制裁以来、どんどんエスカレートしてきているようにも見える。プーチン政権は、日本を繰り返し非難し、「ビザなし交流」事業も停止、4月にはモスクワに駐在する日本大使館の外交官ら8人を追放し、5月にはロシアへの入国を禁止する岸田首相を含む日本人63人のリストを公開するなど、強硬な姿勢を続けている。
ロシアはサイバー空間でも日本に攻撃を仕掛け続けており、マイクロソフト社は「日本も(サイバー攻撃の)標的になっている」と報告書で警鐘を鳴らしている。さらに第2次世界大戦が終結したとする9月3日の記念日の名称について、ロシア議会議員グループは24日、「軍国主義日本に対する勝利と第2次世界大戦終結の日」にする法案を下院に提出した。その理由として、ウクライナへの特別軍事作戦の開始以降、日本は、欧米とともにロシアに対して前例のない非友好的キャンペーンを展開していることを挙げている。北朝鮮も中国とロシアと連携した動きを見せている。国連安保理で中国とロシアが拒否権を発動し、事実上の野放し状態が続いている。近日中に北朝鮮はミサイル実験・核実験を行うとみられるが、場合によっては日本列島上空を通過させる可能性も否定できない。
ロシア・中国・北朝鮮に囲まれた日本は地政学的な脅威に囲まれ、日々威嚇されているにも関わらず、現下の参院選挙において安全保障の話があまり取り上げられない。
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半導体に巨額投資進める台湾の真意は?(6月25日)
台湾は10ナノ未満の最先端半導体製造において世界シェア92%を占めている(8%は韓国)。台湾は現在、空前の半導体投資ラッシュである。
その投資額は驚くべきことに約16兆円で、日本の国家予算のおよそ6分の1である。その資金で何をしているのかと言えば、TSMCを含めた4企業(UMC、南亜科技、力晶)による20の新工場を建設中である。
北は新北から、新竹、苗栗、南は台南、最南部の高雄まで台湾全土に及んでいる。...
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台湾は10ナノ未満の最先端半導体製造において世界シェア92%を占めている(8%は韓国)。台湾は現在、空前の半導体投資ラッシュである。
その投資額は驚くべきことに約16兆円で、日本の国家予算のおよそ6分の1である。その資金で何をしているのかと言えば、TSMCを含めた4企業(UMC、南亜科技、力晶)による20の新工場を建設中である。
北は新北から、新竹、苗栗、南は台南、最南部の高雄まで台湾全土に及んでいる。これらの敷地面積を合わせると東京ドーム40個分以上になる。台湾がこれほどまでに半導体に力を注ぐ理由を、国立台湾大学「重点科技研究学院」のケツシタツ院長に聞いてみた。
ケツシタツ院長は「台湾には石油のような資源がない。その一方で、半導体が戦略的な資源となっていて、例えば中国が台湾に侵攻すれば、半導体のサプライチェーンが破壊され、工場が止まってしまうことになり、世界はそれを許さない。再稼働するまでに少なくとも半年から1年間止まってしまい、その間世界経済全体がストップしてしまうからだ」と述べた。
台湾にとって最大の対中防御策は、もはや米国から供与される武器などではなく、自前で揃えた最先端の半導体工場なのかも知れない。こうした台湾の手法は資源がない日本にとっても大いに参考となるものである。
つまり、「世界にとって不可欠な存在になる」ことで自分たちを守るという発想である。日本も世界に真似できない半導体装置や部材で自国を守るという発想を持つべきである。他方、中国はそれでも台湾に戦争を仕掛けて、半導体物資を台湾まるごと取ってしまおうとするかもしれないという見方もある。こうした事について、米国政府の非公式の代表団として台湾を訪問している米国のアーミテージ元国務副長官が、3つの理由をあげ、否定した。1つ目はウクライナにおけるロシア軍の多大な犠牲を中国が見ていること。2つ目は新型コロナによる都市封鎖で中国国内の経済活動が低下していること。3つ目は台湾への攻撃が地理的に非常に難しいことである。
台湾の安全保障は、ほぼ「半導体」の一本足打法に頼り切っているが、狡猾な中国は必ずどこかに隙を見つけて突き崩しにかかる可能性もある。いざとなったらいつでも米国や日本に移転できるオプションを同時に考えておく必要もあるだろう。
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中ロは欧米の制裁批判・ドイツは「圧力強化を」(6月23日)
ロシアと欧米との対立が深まっている。ロシア本土の飛び地のカリーニングラードを結ぶ鉄道貨物輸送の制限を始めたリトアニア。
ロシア外務省・リャプコフ外務次官は、“NATOやEUがロシアに対して仕掛けるハイブリッド戦争の一環だ”と欧米側を批判した。
さらに、ロシア・プーチン大統領はBRICS新興5か国首脳会議を前にビデオメッセージで欧米の制裁を改めて批判し、“食料危機の責任は欧米側にある”と主張した。...
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ロシアと欧米との対立が深まっている。ロシア本土の飛び地のカリーニングラードを結ぶ鉄道貨物輸送の制限を始めたリトアニア。
ロシア外務省・リャプコフ外務次官は、“NATOやEUがロシアに対して仕掛けるハイブリッド戦争の一環だ”と欧米側を批判した。
さらに、ロシア・プーチン大統領はBRICS新興5か国首脳会議を前にビデオメッセージで欧米の制裁を改めて批判し、“食料危機の責任は欧米側にある”と主張した。
中国・習近平国家主席もビデオメッセージを寄せ、“制裁は世界に悪影響”と主張し、プーチン大統領と足並みをそろえた。
今月26日からG7首脳会議が始まるのを前に、ドイツ・ショルツ首相は、各国が結束してロシアへの圧力強化とウクライナ支援を続ける重要性を訴えた。
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ロシアの利用価値を見定める中国(6月18日)
西欧からの高性能兵器がウクライナに本格的に導入される前に少なくとも兵力を集中させ勝負をきっちりつけ、東部をものにしたいと考えているロシアであるが、ウクライナ侵攻はなかなかロシアの思い通りにはいっていない。火力は今のところまだ勢いがあるが、時間の経過とともに衰えていくのは確実である。半導体不足によって武器の生産ができないからである。
少なくとも現時点においても開戦前と比較した場合、ロシアは軍事的にも経済的にも劣化あることは間違いない。...
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西欧からの高性能兵器がウクライナに本格的に導入される前に少なくとも兵力を集中させ勝負をきっちりつけ、東部をものにしたいと考えているロシアであるが、ウクライナ侵攻はなかなかロシアの思い通りにはいっていない。火力は今のところまだ勢いがあるが、時間の経過とともに衰えていくのは確実である。半導体不足によって武器の生産ができないからである。
少なくとも現時点においても開戦前と比較した場合、ロシアは軍事的にも経済的にも劣化あることは間違いない。弱体化したロシアの受け皿となるのはどこかといえば中国以外に考えられない。中国としては弱体し過ぎたロシアとしてではなく適度に弱体した状態でいてほしいと考えているかも知れない。
そうした中国とロシアの今後を暗示させるかのような動きが日本周辺で確認されている。防衛省は、15日正午ごろ北海道・襟裳沖の南東およそ280キロの海域でロシア海軍の駆逐艦など7隻が確認したが、16日には、中国海軍の情報収集艦1隻と補給艦1隻が津軽海峡を北東方向へ通過したことが確認された。
防衛省はロシアと中国の動きが活発化しているとして警戒監視を続けているが、明らかに中国・ロシアの歩調を合わせた連動した動きであり、こうした行動は中国主導で行われたものであると考えられる。今後はこうした流れに北朝鮮なども歩調を合わせてくる恐れもある。
中国は今後、弱体化したロシアを格安エネルギーの配給先として考えている。更にロシアのリソースを吸収し、利用していこうという野心ははっきりしていると言える。
そうなると、ロシアの利用価値を見定める中国に注目が集まってしまう。
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