イスラム過激派組織イスラミックステート(IS)によるシリアやイラクでの支配領域は、2015年春に最大に達したとされているが、同年5月以降は、米主導の有志連合による空爆作戦の成果もあって、ISの支配領域の奪還が奏功している。そのお蔭もあってか、米国務省の年次報告書によると、テロで犠牲になった人が2割近く減少している。
6月3日付米
『ザ・ウィーク』誌の報道記事「米国、2015年の世界のテロ発生件数が13%減少と発表」:
「・米国務省が6月2日に発表したテロ年次報告書によると、2015年の世界でのテロ発生件数は前年比▼13%減少し、テロによる死者(テロ実行犯含む)も▼14%減の約2万8,300人(編注;テロ実行犯を除くと▼19%減の約2万1,400人)。
・主として、イラク、パキスタン、ナイジェリアでのテロ件数の減少が要因。...
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6月3日付米
『ザ・ウィーク』誌の報道記事「米国、2015年の世界のテロ発生件数が13%減少と発表」:
「・米国務省が6月2日に発表したテロ年次報告書によると、2015年の世界でのテロ発生件数は前年比▼13%減少し、テロによる死者(テロ実行犯含む)も▼14%減の約2万8,300人(編注;テロ実行犯を除くと▼19%減の約2万1,400人)。
・主として、イラク、パキスタン、ナイジェリアでのテロ件数の減少が要因。
・ただ、アフガニスタン、エジプト、シリア、トルコ、フィリピン、バングラデシュではテロ件数が増えており、テロの広がりを懸念。
・同省テロ対策局のジャスティン・シベレル局長代理は、ISのシリアやイラクでの支配領域を減少させたが、エジプトやリビアで勢力を伸ばしており、依然ISが世界のテロの脅威となっているとコメント。」
同日付米
『タイム』誌の報道記事「昨年の世界のテロ発生件数が減少」:
「・2015年の世界でのテロ発生件数は約1万1,800件(うち、ISによるものが931件、タリバンが1,093件)で、前年比▼13%減少。
・また、テロによる死者数も約2万8,300人で、同▼14%減少。
・なお、テロによる死者の74%がアフガニスタン、イラク、ナイジェリア、パキスタン、シリア。」
同日付トルコ
『ハリエット・デイリィ・ニュース』の報道記事「米国、2015年のテロ発生件数がトルコで増加と発表」:
「・米国務省発表では、世界のテロ発生件数は減少しているものの、トルコでは、クルディスタン労働者党(PKK)やISなどによるテロ事件数が上昇。
・シベレル局長代理によれば、イラクにおけるISの支配領域は40%減少させたものの、IS信奉の過激派集団によるテロ事件が92ヵ国、そのうち55%がイラク、アフガニスタン、パキスタン、インド、ナイジェリアで発生しており、依然ISによるテロの脅威は大。」
一方、同日付イスラエル
『Yネット・ニュース』英文オンラインニュースの報道記事「米国務省、イランが依然世界最大のテロ支援国家と発表」:
「・シベレル局長代理は、2015年のテロ発生件数・死者数の減少は2012年以来初めてとコメント。
・ただ、今年1月にイラン核合意が正式発効したものの、イラン革命防衛隊(IRGC、編注;2001年に米国がテロ支援組織に指定)によるテロ支援は依然最大だと懸念表明。
・その他のテロ支援国家は、シリア、スーダン。
・なお、アヤトラ・アリー・ハメネイ最高指導者は国営TV報道の演説の中で、イランは仇敵である米英に協力してIS撲滅を行う考えは全くないと明言。
・一方、ISやアル・カイーダがパリ、レバノン、トルコで起こしたような大量殺戮テロが増える恐れがあるので、6月10日~7月10日にフランスで開催される欧州サッカー連盟(UEFA)主催の欧州サッカー選手権大会観覧で訪仏する米市民に対し、米国務省は今週、注意喚起。」
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