米国インフレ、31年ぶりの高水準に(2021/11/11)
米国の消費者物価指数が1年前に比べて6.2%上昇し、1990年11月以来の高水準を記録した。
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『レゼコー』が、アメリカのインフレが非常に大きな打撃を受けていると報じている。米労働統計局の10日の発表によると、10月の消費者物価指数は0.9%上昇し、1年間の上昇率を6.2%に押し上げた。これは、アメリカ人が1990年11月以来、30年以上ぶりに経験する高水準である。
統計局は、半年前までは一部の業界に集中していたインフレが、現在ではほとんどの消費者製品に広がっていると指摘している。...
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『レゼコー』が、アメリカのインフレが非常に大きな打撃を受けていると報じている。米労働統計局の10日の発表によると、10月の消費者物価指数は0.9%上昇し、1年間の上昇率を6.2%に押し上げた。これは、アメリカ人が1990年11月以来、30年以上ぶりに経験する高水準である。
統計局は、半年前までは一部の業界に集中していたインフレが、現在ではほとんどの消費者製品に広がっていると指摘している。エネルギーや食品だけでなく、住宅、中古車、新車などもインフレの対象になっている。食品とエネルギーを除く物価は、10月に1ヶ月間で0.6%、1年間で4.6%上昇した。
『レゼコー』は、インフレの原因は、原油価格の上昇から、春のエネルギー価格上昇の引き金とされた国内石油パイプラインの停止まで複数あると伝えている。また、自動車市場では、マイクロプロセッサの不足により、中古車の価格が高騰しているという。生産量の減少を補うために、メーカーは販売時の割引を制限している。サービス分野でも、航空輸送とレンタカーが、ここ数ヶ月の交通量の回復による影響を受けているという。
米『USAトゥデイ』は、インフレの理由として、サプライチェーンの混乱、労働力不足、広範囲に及ぶロックダウン後の突然の経済活動の回復などを挙げている。
バイデン政権はこれまでインフレ率の上昇は一時的なものだと軽視し、2022年には消費者物価が下がると予測し、9月にインフレ率が鈍化したことを指摘していた。しかし、統計局の発表を受けて、バイデン大統領はインフレ率の上昇を抑制することを「私の最優先事項 」とすると声明で発表した。また、15日に署名する予定の1.2兆ドル(約139兆円)規模のインフラ法案について、サプライチェーンの近代化に資金を投入することで、コストを下げることができると強調している。
さらに大統領は自身の「経済計画は機能している」と主張しており、大統領就任後に大幅に低下した失業率や賃金の上昇を指摘している。10月には失業率が4.8%から4.6%に低下し、2020年3月以来の低水準となった。また、失業保険申請件数は20ヶ月ぶりの低水準となり、株式市場も好調で、先週のダウ平均株価は初めて3万6千ドルを超えた。しかし、こうした数字が、インフレの上昇によって影を潜めつつある。
USAトゥデイとサフォーク大学が先週行った世論調査では、バイデンの経済対策を支持する有権者は31%にとどまり、不支持と答えた有権者は60%だった。この世論調査によると、バイデンの全体的な支持率は38%と過去最低を記録した。経済とインフレは、有権者が来年1年間にバイデン氏に対処してもらいたいと答えた分野のトップ5に入っている。
先週行われたバージニア州知事選では、2020年の大統領選でバイデンが10ポイント差で州をリードしていたにもかかわらず、共和党候補者が僅差で勝利した。米NBCの出口調査によると、有権者の33%が、税金、中絶、教育などの他のすべての問題よりも、経済を最重要課題としていた。インフレの影響が2022年の中間選挙まで続くとすれば、民主党は来年の中間選挙で上院・下院の議席を奪還するために苦しい戦いが強いられることになる。
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米世論調査、アメリカ人の半数以上がサプライチェーン問題の影響を受けていると回答(2021/10/21)
水曜日に発表されたConvention of States Action/Trafalgar Groupの調査によると、米国人の大半が、日常生活品を購入する際にサプライチェーンの混乱による影響を「個人的に」受けたことがあると回答した。
米
『ブライトバート・ニュース』によると、「一般的な生活用品を購入しようとしたときに、遅延や不足に遭遇したことがありますか」という質問に対し、全体では、53.7%が「ある」と答え、3分の1強の35.8%が「ない」と回答した。10.5%は「不明」と答えた。
なお、民主党員の48.3%は、品不足で購入できないあるいは納品の遅れなどを個人的には経験していないと回答したのに対し、42.4%は経験していると回答した。...
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『ブライトバート・ニュース』によると、「一般的な生活用品を購入しようとしたときに、遅延や不足に遭遇したことがありますか」という質問に対し、全体では、53.7%が「ある」と答え、3分の1強の35.8%が「ない」と回答した。10.5%は「不明」と答えた。
なお、民主党員の48.3%は、品不足で購入できないあるいは納品の遅れなどを個人的には経験していないと回答したのに対し、42.4%は経験していると回答した。共和党員の67.7%、無党派層の50.6%も、経験していると回答している。この調査は、2021年10月15日から18日にかけて、1079人の有権者を対象に実施され、誤差は±2.99パーセントとなっている。
米『USAトゥデイ』紙は、「またもやお店で必要なものが見つからない?それはあなただけではない。新型コロナのパンデミックから2年が経過し、世界的なサプライチェーンの混乱により、さらに多くの品物が不足している。」と報じている。そして、現在アメリカのお店では、炭酸飲料、鶏肉、コーヒー、紙おむつ、冷凍食品、ケチャップ、トイレットペーパーなど様々な商品が不足しいると伝えている。トイレットペーパーの不足は、特に目新しいものではないが、原料である木材パルプが不足しているため、通常の60%程度しか生産できていないという。
ジョンズ・ホプキンス大学で貿易を教えているTinglong Dai教授は、『USAトゥデイ』に対し、こうした品不足は、カリフォルニア州の「ロサンゼルスとロングビーチ港でのコンテナ船の記録的な混雑が東海岸まで拡大していること、中国全土で発生している停電、トラックドライバーやサービス業の労働者不足、新型コロナとコロナ規制」により発生していると説明している。
なお、米『OANN』によると、南カリフォルニアのロサンゼルス港とロングビーチ港は、国際コンテナ航路のアメリカ側ターミナルであるが、世界銀行とIHSマークイット社が発表したランキングによると、世界で最も効率の悪い港のひとつとなっているという。
世界の351のコンテナ港を調査した結果、ロサンゼルス港はタンザニアのダルエスサラーム港、アラスカのダッチハーバー港に次いで328位であった。隣接するロングビーチ港は333位で、トルコのネムルト湾、ケニアのモンバサ港に次いで低かったと、5月に発表されたコンテナポートパフォーマンスインデックスで報告されている。なお、インデックスでは、日本の横浜港とサウジアラビアのダンマーム港がトップに選ばれた。
隣接するロサンゼルス港とロングビーチ港の外で荷揚げを待っているコンテナ船は、今月18日に100隻という過去最高の記録を達成した。アメリカ人による輸入品の購入は、アメリカのサプライチェーンのインフラでは対応できないレベルにまで急増している。
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