中国対峙戦略進展;インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すればフィリピンも初の潜水艦導入を決定【欧米・インドメディア】(2024/02/02)
中国がインド太平洋地域での軍事力拡大を進めているが、これに米国は真っ向から対抗している。そしてこの程、その米国の支援に勇気づけられてか、インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すれば、フィリピンも同国初の潜水艦を導入する決定をして、中国対峙戦略を進展させつつある。
2月1日付米
『AP通信』、インド
『NDTV』ニュース、欧米
『ロイター通信』等は、インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すれば、フィリピンも同国初の潜水艦導入を決定し、それぞれインド太平洋における中国の軍事力拡大に対抗しようとしていると報じた。
米国政府は2月1日、インドによる海上安全保障や偵察機能強化に資するよう、総額39億9千万ドル(約5,865億円)相当の軍事兵器の売却を承認した。...
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2月1日付米
『AP通信』、インド
『NDTV』ニュース、欧米
『ロイター通信』等は、インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すれば、フィリピンも同国初の潜水艦導入を決定し、それぞれインド太平洋における中国の軍事力拡大に対抗しようとしていると報じた。
米国政府は2月1日、インドによる海上安全保障や偵察機能強化に資するよう、総額39億9千万ドル(約5,865億円)相当の軍事兵器の売却を承認した。
これは、インド太平洋地域における米・インド間協力を強化するもので、同地域で軍事力を拡大している中国に対抗するためのものである。
米国務省が議会に通知した内容によると、無人攻撃機MQ-9リーパー(2007年運用開始)31機、ヘリコプター発射型空対地ミサイルAGM-114(1985年実戦配備)170基、小型航空爆弾GBU-39(2003年運用開始)310発及びその関連支援物資となっている。
同省の声明によると、“この売却によって、米・インドの戦略的関係が強化され、インド太平洋及び南アジア地域の政治的安定、平和、経済発展にとって重要かつ主要な防衛パートナーであるインドの安全保障を向上させることになる”とした上で、“米国の外交政策と国家安全保障の目標も達成させることになる”としている。
一方、フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領(66歳、2022年就任)は2月1日、南シナ海における領海主権を擁護するため、同国初となる潜水艦導入も織り込まれたフィリピン国軍第三次近代化計画を承認した。
西フィリピン海担当のロイ・トリニダード海軍報道官は同日、“我が軍は大規模ではないが、領有権及び主権はしっかり守っていく”と表明した。
同報道官は更に、同第三次近代化計画の総予算は2兆ペソ(356億2千万ドル、約5兆2,360億円)で、数年がかりで実現していくことになるとも言及している。
同報道官は、インドネシア、ベトナムに続いて導入するとする潜水艦の具体的隻数は明かさなかったが、“複数隻”になると明言した。
その上で同報道官は、フランス、スペイン、韓国が潜水艦商談に興味を示しているとも付言している。
なお、フィリピンは2011年以降、排他的経済水域内の南シナ海の一部(中沙諸島から南沙諸島海域)を西フィリピン海と呼称しているが、その海域内の複数の島嶼・岩礁について中国と領有権問題を抱えている。
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月のタイムゾーンができる可能性(2023/03/09)
宇宙開発が始まって以来、宇宙ではその都度違う時間が使われていたが、各国で月探索ミッションが進められる中、今後は地球各地の標準時間のように、月にも標準時間が必要だといわれている。
3月7日付米
『ニューヨーク・タイムズ』:「月のタイムゾーンができる可能性」:
各国で月探索ミッションが進められる中、欧州宇宙機関は、月のタイムゾーン制定が必要だとしている。
宇宙開発が始まって以来、数十年間、月探査ミッションは当事国の時間に合わせて行われていた。しかし、複数のミッションが入り組む現在、欧州宇宙機関(ESA)は、現在のシステムは持続性がないと判断、その解決方法として、月のタイムゾーン制定案をあげている。...
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3月7日付米
『ニューヨーク・タイムズ』:「月のタイムゾーンができる可能性」:
各国で月探索ミッションが進められる中、欧州宇宙機関は、月のタイムゾーン制定が必要だとしている。
宇宙開発が始まって以来、数十年間、月探査ミッションは当事国の時間に合わせて行われていた。しかし、複数のミッションが入り組む現在、欧州宇宙機関(ESA)は、現在のシステムは持続性がないと判断、その解決方法として、月のタイムゾーン制定案をあげている。その主な目的は、様々な国や企業間でのコミュニケーションをスムーズに行うことだ。
日本企業「マイスペース」は今年4月、ミッション1月面探査機を月面着陸させることを目標とし、2024年にはNASA(米航空宇宙局)は1972年のアポロ17号以来最初の有人月面着陸を、2025年には4人の宇宙飛行士の月着陸を予定している。昨年中国が宇宙ステーションの建設に成功、2030年までの月面着陸に意気込み、韓国も昨年8月、宇宙船「タヌリ」をスペースXのファルコンに搭載している。
ESAは声明で、「探査が増えるにつれ、ミスコミュニケーションの可能性も増してきた。ミッションによっては、月の周辺で同時に行われるだけでなく、共同観測やランデブー操作において、互いに連絡を引き継ぎながら行われる可能性もある」とする。
このように月の国際的開発が進んでいることから、このような月の時間測定案は重要となる。「正確な時間は地球でのナビゲーションの要であり、月と地球間のナビゲーションにとっても重要となる」という。
一方で、世界共通の時間管理システムの詳細は未定のままとなっている。議論すべき点の一つは、月標準時間において、「月を基準とするか、地球と連動したものにするか」という問題だという。
地球の時間は原子時計に基づくが、月で時間をシンクロさせるのは難しい。というのも、月では時計が一日に約56マイクロ(1秒の100万分の1)早く進むからだ。月の時計開発が実現すれば、それは将来的には、火星探査等、今後の宇宙開発に生かされるだろう。
同日付印『NDTV』:「欧州宇宙機関、月標準時間の”早急な”制定を求める」:
各国が近い未来に向けた月の基地建設計画する中、欧州宇宙委員会(ESA)は、”早急な”月のタイムゾーン制定が必要だとしている。
ESAは地球の天然衛星に関し、今後は共同して通信や作業をすることになることから、独自のタイムゾーンが必要だとの見解を示している。
ESAのナビシステムエンジニアのピエトロ・ジョルダーノ氏は、「月にいる間に、時間が測れる共通の月時間が必要だ。国をまたいだ合同作業が行われ始めている」とし、国際的な月面システムやユーザーが利用できる月標準時間の重要性と緊急性を強調する。
これは昨年11月オランダにあるESAの欧州宇宙研究技術センター(ESTEC)で提言されたもの。月面上の通信やナビゲーションサービスを網羅した共通の「ルナネット」の一貫となる。
一方で、月では日毎に56マイクロ秒時計が早く進むことや、月面上では軌道上と時計の進み具合が違うことから技術的な課題が残されている。
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