ロシア、メディアへの弾圧強める(2024/07/12)
ロシア検察当局は今週、既にロシア国内で禁止となり、海外で活動している英字メディア「モスクワ・タイムズ」を「好ましくない組織」に指定した。ウクライナ侵略を開始した2022年以降、このような組織は急増しているという。
7月11日付
『AP通信』:「ロシア、批判への弾圧で”好ましくない”新聞認定」:
ロシア連邦検察庁は10日、在外ロシア人コミュニティで人気のオンラインニュース「モスクワ・タイムズ」を「好ましくない組織」に認定したと発表した。
批判的なメディアや反体制派の取り締まりの一環とみられる。同紙はロシア国内でのあらゆる活動を停止することが求められ、また同紙に協力したロシア人は最大5年の禁固刑の対象となる。...
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7月11日付
『AP通信』:「ロシア、批判への弾圧で”好ましくない”新聞認定」:
ロシア連邦検察庁は10日、在外ロシア人コミュニティで人気のオンラインニュース「モスクワ・タイムズ」を「好ましくない組織」に認定したと発表した。
批判的なメディアや反体制派の取り締まりの一環とみられる。同紙はロシア国内でのあらゆる活動を停止することが求められ、また同紙に協力したロシア人は最大5年の禁固刑の対象となる。
これは11月に同紙が認定された「外国の代理人」よりも厳しい対応となる。「外国の代理人」に指定された個人や組織には、経営審査が行われ、如何なる公的書類においても同認定の告知を行なう義務が生じる。
「モスクワ・タイムズ」は、ロシア軍やウクライナ戦争を批判した記事が法的処罰となったことで、既に2022年に編集活動をロシア国外に移転している。英語とロシア語で報道しているが、ロシア語サイトはウクライナ戦争開始後数ヶ月で、ロシア国内でアクセス禁止となっている。
今回の認定に編集者注では、「これは我々のロシアやウクライナ戦争の真実に関する報道を抑圧する動きの一環である。国内の記者や関係者が処罰対象となるリスクがあり、ソースや聞き取りが今後ますます難しくなるが、我々は圧力に屈しない」としている。
同紙は1992年、外国人の多い飲食店やホテル等で配布される無料日刊紙として創刊され、ソ連崩壊後のロシアでの認知度が上がった。その後、週刊誌に以降し、2017年からオンラインのみとなった。
近年ロシアは政府に批判的な組織を「外国の代理人」に指定し、さらにその中に「好ましくない組織」を指定している。「好ましくない組織」に指定された他のメディアとしては、独立系新聞でドミトリー・ムラトフ編集長がノーベル賞を受賞した「ノヴァヤ・ガゼータ」やオンラインニュース「メデューザ」などがある。
また、プーチン大統領に最も批判的だった反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏、反体制派のウラジーミル・カラ・ムルザ氏、イリヤ・ヤシン氏を懲役刑としている。
同日付独『DW』:「ロシアがモスクワ・タイムズ紙の活動を禁止」:
ロシア連邦検察庁は10日、英語紙「モスクワ・タイムズ」を「不適切な組織」と断定し、活動を禁止するとした。同機関と協力すれば、最大5年以内の禁固刑処分となり得るとしている。
同紙は、ウクライナ侵攻直後からロシア連邦軍を批判しているとの理由から、国内のホームページへのアクセスが禁止されている。ロシア最高検察庁は声明で同紙が「内政、外交両面でロシアの指導部の決定を批判する目的で報道している」としている。
2023年11月、「モスクワ・タイムズ」はスパイを意味する「外国の代理人」に指定された。ロシアメディアでは、「ノヴァヤ・ガゼータ」、「メデューザ」、「ザ・インサイダー」、「イストリー」も「好ましくない組織」に認定され活動が禁止されている。最高検察庁は、「モスクワ・タイムズ」がこれらのメディアと協力したため、禁止措置が必要となったとしている。
同紙はウェブサイト上で、今回の認定に「驚きはなく」、活動は継続されるものとし、「我々の仕事は難しくなる。ロシアで我々と如何なる関わりを持つことも今後は刑事処罰のリスクを伴うだろう。しかし我々が口をつぐむことはない」としている。
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米バイデン政権、トランプ前大統領の壁建設再開へ(2023/10/06)
バイデン米政権は、9月に最高水準に達している不法移民対策として、トランプ前大統領の目玉政策であったメキシコ国境の壁の建設を再開すると発表した。
10月5日付米
『CNBC』:「米政府がトランプの壁再建を迅速化、”増設しない”公約から数年で転換」
バイデン政権は、テキサス州リオグランデ渓谷のメキシコ国境に約20マイルの壁を増設するため、20数項目の連邦法の適用を免除するとの大幅な方針転換を示した。
2020年の民主党キャンペーンでバイデン氏は、任期中の壁再建はないと公約していた。2021年1月の大統領就任後は、共和党による不法移民の阻止の一環として、トランプ前政権が最優先事項としていた壁建設の終了を宣言していた。...
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10月5日付米
『CNBC』:「米政府がトランプの壁再建を迅速化、”増設しない”公約から数年で転換」
バイデン政権は、テキサス州リオグランデ渓谷のメキシコ国境に約20マイルの壁を増設するため、20数項目の連邦法の適用を免除するとの大幅な方針転換を示した。
2020年の民主党キャンペーンでバイデン氏は、任期中の壁再建はないと公約していた。2021年1月の大統領就任後は、共和党による不法移民の阻止の一環として、トランプ前政権が最優先事項としていた壁建設の終了を宣言していた。
方針転換は5日、国土安全保障省が明らかにし、壁増設を促進する目的で、大気浄化法(CAA)、安全な飲料水法(SDWA)、絶滅危惧種法(ESA)等の法の適用を免除することが発表された。バイデン氏は国会で、壁資金が別の資金に変更出来なかったためだと説明した。
今回の政策転換には、メキシコ国境に移民が大量に押し寄せており、民主党の知事らから政府への要請があったことも背景にある。政府によると、2022年10月以来、リオグランデ渓谷には24.5万人の不法移民が押し寄せているという。
イリノイ州のプリツカー知事は先週の書簡で、政権の移民政策が「効果を奏していない」と批判した。NBCは先週、国民の半数以上が「民主党より共和党のほうが国境の治安改善に努めている」とする世論調査結果を公表している。
10月6日付『ロイター通信』:「バイデン氏、トランプ政権の資金で国境の壁建設再開へ」:
バイデン政権は5日、トランプ前大統領の目玉政策だった移民対策のメキシコ国境の壁の一部を追加建設すると発表。
トランプ氏はSNS上に、「私は何度も言ってきているが、数千年もの間役に立ってきたのはこの2つしかない、車輪と壁だ!バイデンはこれほど時間がかかったことを私や国民に謝罪するだろうか」と投稿した。一方、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、この動きを「後退」だと批判した。
移民政策は、大統領選挙の争点となるとみられ、9月のロイター・イプソス世論調査によると、国民の54%が「移民は米国人の生活に悪影響」としている。
9月はメキシコ国境を超える移民の数は最高に達した。バイデン大統領は当初、トランプ前政権の政策の多くを廃止すると宣言していたが、コロナウイルス流行時の国境管理措置「タイトル42」を継続。5月に停止した後も、検問所に入る前に事前に政府のアプリで予約をとる方式を採用したり、違法入国者へより厳格な措置を義務付けた新たなルールを採用した。
新ルール発表後、一時的に移民は減少したが、ここ数週間はベネズエラ経由が増えたことで、移民は再び増加。過去2年間、ダリエンギャップと呼ばれるコロンビアとパナマの間のジャングルを経由し、経済的政治的困難から抜け出そうとするベネズエラ人がメキシコ国境に流入。5日政府は、ベネズエラとの関係悪化で停止されていたベネズエラへの強制送還を再開すると発表した。
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