英大手電力会社がカナダの貴重な森林を破壊していた(2022/10/03)
環境にやさしい、持続可能なバイオマスペレットをアジアやヨーロッパへ供給しているイギリスの電力会社Drax社が扱う木材の一部が、カナダの貴重な原生林を伐採した木材から来ているという。
10月2日付
『Yahooニュース』(英BBC):「英電力会社がカナダの原生林を伐採」:
グリーンエネルギーの政府補助金を受けている英国の企業が、環境的に貴重な森林を伐採していたという。
このDrax社は、英国最大の発電所をもち、現在、補助金を受け、英国の再生可能電力の12%を賄っており、再生可能エネルギーとされる、輸入木材パレットを使った発電も行っている。
同社が取り扱うカナダ、ブリティッシュコロンビア州の森林の一角には、古くからある原生林が含まれている恐れがあり、同州は、貴重な森林の伐採をやめるよう通達している。...
全部読む
10月2日付
『Yahooニュース』(英BBC):「英電力会社がカナダの原生林を伐採」:
グリーンエネルギーの政府補助金を受けている英国の企業が、環境的に貴重な森林を伐採していたという。
このDrax社は、英国最大の発電所をもち、現在、補助金を受け、英国の再生可能電力の12%を賄っており、再生可能エネルギーとされる、輸入木材パレットを使った発電も行っている。
同社が取り扱うカナダ、ブリティッシュコロンビア州の森林の一角には、古くからある原生林が含まれている恐れがあり、同州は、貴重な森林の伐採をやめるよう通達している。
一方、企業側は、森林の大部分の木は枯れており、伐採は森林火災を防ぐ効果があると主張。木材工場では、余った小型の朽ちた木材のみ使用しているとする。
しかし、カナダ森林データベースの文書によると、同社工場に過去1年搬送された木材のわずか11%のみが、木材製品に利用できないほどの低品質と認定されているという。
後に同社は、森林の木を木材に利用していると認めた上で、木材業者が欲しがらない品物で、森林火災のリスクを避け、焼却処分となる類のものだとしている。
同日付加『CBCニュース』:「英ドラックス社、カナダの原生林を伐採」:
英国最大の電力会社Drax社は、再生可能エネルギーとされる輸入木材パレットを燃やし燃料を生み出している。
グリーンエネルギー補助金を受けている企業だが、環境に影響を与える森林伐採を行っていることを、BBCの看板ドキュメンタリー番組「パノラマ」が突き止めた。木材の一部はカナダの原生林由来のものだと判明したが、Drax社は、おがくずや廃材のみを使用しているとしている。
「パノラマ」は衛星画像を分析、伐採許可やドローン映像から証拠を集め、番組記者が工場のトラックを追跡した。環境学の専門家も、数千年をかけて形成された森林が破壊されているとする。
英国ヨークシャー州にあるDrax社は石炭発電所からバイオマス発電所に以降し、現在では、英国の再生可能エネルギーの12%を生産。既に6億ポンドのグリーンエネルギー補助金を受けている。木材燃焼は、専門家の間では、環境に良いと考えられている。
調査によると、Drax社は、ブリティッシュコロンビア州の環境的に問題とされる2ヶ所の森林の伐採許可を購入。1ヶ所は1マイル平方の森林で、古くからある希少な森林とされるエリアを含んでいるという。同州政府は、この森林は特に重要な場所で、伐採を保留すべきだとしている。
木を燃焼させることは、石炭の燃焼よりも多くの温室効果ガスを発生させる。電力は、古い木に代わる新たな木が植林される点、そして、それが木材パレット燃焼による炭素を吸収するため再生可能だと位置づけられている。しかし、炭素の吸着には数十年を要するため、サステナブルな素材で作られたペレットの場合のみオフセットが可能となる。
伐採されたことのない、大量の炭素を蓄えた原生林は、サステナブルなものとは見なされていない。新規に植林された木が、古い森よりも多くの炭素を吸収する可能性は、非常に低いのである。
同社は、カナダの木材パレットの80%は製材所の廃材だとし、最新科学を鑑み厳格なサステナビリティー基準を満たしていると主張している。英国政府は今年、木材など自然燃料に関する新たなバイオマス戦略を打ち出す予定としている。
閉じる
国葬を巡る論争(2022/09/26)
7月に演説中に襲撃された安倍晋三元首相の国葬が27日に実施される予定だが、国内では実施への賛否が分かれていると海外メディアでも報じられている。
9月25日付米
『ABCニュース』:「元首相国葬を巡る論争がおきる」:
27日安倍晋三元首相の国葬が営まれる。政府によると、ハリス米副大統領を含め国外からも700人が参列するというが、国葬費用に見合うのかとの疑問から重苦しい空気が漂っている。
25日には東京で国葬反対デモも行われた。警察は周辺県からの応援を得て警備強化に努めている。岸田首相は国葬決定にあたり、レガシーへの称賛だけでなく、日本が暴力に屈せず、民主主義を守る決意を示すのだとしたが、開催決定事態が民主的でなく、このイベントがレガシーの塗り替えだとの批判もある。...
全部読む
9月25日付米
『ABCニュース』:「元首相国葬を巡る論争がおきる」:
27日安倍晋三元首相の国葬が営まれる。政府によると、ハリス米副大統領を含め国外からも700人が参列するというが、国葬費用に見合うのかとの疑問から重苦しい空気が漂っている。
25日には東京で国葬反対デモも行われた。警察は周辺県からの応援を得て警備強化に努めている。岸田首相は国葬決定にあたり、レガシーへの称賛だけでなく、日本が暴力に屈せず、民主主義を守る決意を示すのだとしたが、開催決定事態が民主的でなく、このイベントがレガシーの塗り替えだとの批判もある。
世論調査によると、約60%の国民が国葬に反対し中止を求めている。反対派は、国葬実施は国民からの追悼を強要することだとするが、政府は「すべての人が喪に服す必要はない」と念を押している。
7月の安倍氏暗殺により、政府指導者らが統一協会(世界平和統一家庭連合)との繋がりがあることが明るみに出た。これが明らかになるにつれ、国葬への支持が減り、安倍氏のレガシーの輝きは失われていった。専門家からは、現政権の正確な評価を歪め、好印象を残すための国葬だとの批判もある。
自民党の内部調査からも、教会との繋がりのある政治家が多数存在することが分かっている。消費者庁は、教会の悪徳商法を調査する対策検討会を設置。安倍氏の最大の成果は、教会と政治家との関係を明らかにしたことだともいわれている。
同日付加『CBCニュース』:「安倍元首相国葬開催に多くの国民が抗議するのはなぜか」:
過去2ヶ月、日本各地で元首相の国葬に反対するデモが行われ勢いを増していった。7月の総選挙期間、屋外での応援演説中に安倍氏が男に襲撃された事件で、日本には衝撃が走り、世界も悲しみに包まれた。
安倍氏の親族による葬儀から一週間後、死を悼む国民も弔続々と弔問に訪れたが、2ヶ月を経た今、国葬への支持は大きく揺らいでしまった。元首相の国葬は55年ぶりとなる。海外からも要人が訪問するが、トルドー首相は24日、カナダに上陸したハリケーンの災害対策のため欠席すると発表した。
最新の世論調査や報道によると、約60%の人々が、国葬に反対しており、市議会議員や法曹界からも国葬に法的根拠がないとの指摘がある。
国外で安倍氏は、日本の国際的認識を高めた人物として知られている。首相在職9年間で外遊81回は首相交代が激しい日本では例外的。トランプ元米大統領とゴルフ外交をするなど、欧米の首脳との関係を深めていった。トルドー首相は安倍氏を「志ある偉大な人物であり、カナダの親しい友人」と呼んだ。
だが、国内では、戦後最も賛否が分かれる首相で、アベノミクス政策によるデフレ脱却で経済の安定を築いたことで評価されているが、安全保障問題では、タカ派の改憲論者で、自衛隊強化による平和憲法の改正論で国民の怒りを招いた。2020年の辞任後も、クロニズム(ひいき主義)スキャンダルがついて回った。安倍氏の国への貢献や国内外での成果により国葬を開催することを決めた岸田首相の決定は、統一教会との関係が明るみに出ることで、政治的緊張の火種となった。
早稲田大学の政治社会学の河野教授は、国民感情がまだ犯人への怒りで高まっていた事件後すぐに葬儀をしていたら、大きな反対に合わなかっただろうが、情勢は明らかに逆転してしまったとする。「安倍氏のスキャンダル対応に目をつぶっても、今回は追悼をしようとの機運が高まっていたのだが、教会の問題により見過ごすわけにいかないという流れに変わってしまった」としている。
閉じる
その他の最新記事