マーマレードで日英友好に貢献の英国人女性に旭日小綬章【英国メディア】(2024/10/05)
2005年にワールド・マーマレードアワードを立ち上げた英国人女性に、日英友好の貢献への証として旭日小綬章が授与された。
10月4日付
『BBCニュース』は、マーマレードアワード創設者の英国人女性に日本から勲章が贈られたと報じている。
英国湖水地方(北西部)カンブリア州ペンリス在住のジェーン・ヘイゼル・マコッシュ氏は2005年、同地方で有名なマーマレードの英国内外での普及を広めるべく、住居のダルメイン邸(12世紀建築、1992年に登録されたユネスコ世界文化遺産の一部)を会場としてダルメイン・ワールド・マーマレードアワード(DWMA、マーマレードの腕を競う品評会)を開催した。...
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10月4日付
『BBCニュース』は、マーマレードアワード創設者の英国人女性に日本から勲章が贈られたと報じている。
英国湖水地方(北西部)カンブリア州ペンリス在住のジェーン・ヘイゼル・マコッシュ氏は2005年、同地方で有名なマーマレードの英国内外での普及を広めるべく、住居のダルメイン邸(12世紀建築、1992年に登録されたユネスコ世界文化遺産の一部)を会場としてダルメイン・ワールド・マーマレードアワード(DWMA、マーマレードの腕を競う品評会)を開催した。
以降、二十年近くの間に同アワードが世界的に有名になり、日本・スペイン・豪州・カナダ等からも参加者が増え、3千個ものマーマレードが出品されるまでになった。
中でも、日本の柑橘類生産の中心地である八幡浜市(愛媛県西端)では、2019年から毎年DWMA日本大会を開催するまでに至っている。
そうした中、日本政府からこの程、マーマレード普及等を通じて日英友好に貢献した証として、旭日小授章が同氏に贈られることになった。
同章はこれまで、ビル・ゲイツ氏(68歳、米マイクロソフト創業者)、ウィリアム・ヘイグ氏(63歳、2010~2014年英国外相)、オリビア・ニュートン=ジョン氏(1948~2022年、豪州出身ポピュラー歌手)、ナンシー・ペロシ氏(84歳、2007~2011年及び2019~2023年米下院議長)、クリント・イーストウッド氏(94歳、米俳優・映画監督・プロデユ―サー)等錚々たる人たちが受賞している。
駐英日本大使の林肇氏(66歳、2020年就任)が10月1日、同章を直接マコッシュ氏に手渡した。
同大使は、自身もDWMAに3回参加しているが、“これまでの努力に敬意を表し、深く感謝している”と述べている。
同氏も、“この章を受章できたのは、日本と英国のDWMAフェスティバルに長い間関わってくれたボランティアのお陰だ”とした上で、“八幡浜市でこれまで5回DWMAフェスティバルを開催してくれた、大城一郎市長(59歳、2009年初当選)が率いるチームのお陰でもある”とコメントした。
なお、DWMAは2025年4月で二十周年を迎えるが、これまでに得た収益金は25万ポンド(約4,900万円)余りに上り、地元の慈善団体「カーライル及びノースレイクランド・ホスピス・アット・ホーム(1997年設立の湖水地方自宅療養支援看護団体)」や英国内外の緩和ケア支援団体に寄付されている。
(注)旭日小綬章:国家や公共に対し功労のある人、または功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた人に贈られる勲章。勲四等に相当。
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英国地球科学専門誌、エベレスト標高が年々上昇している地質学上の理由を解明したとする研究論文掲載【英国メディア】(2024/10/03)
ヒマラヤ山脈にある世界最高峰のエベレストは、僅かながら年間数ミリずつ標高が高くなっている。これまではプレートテクトニクス(注後記)によるものとされてきたが、英国地球科学専門誌がこの程、地下の高温の液体マントルからの強い圧力によるものだとする新設を唱える研究論文を掲載している。
10月1日付
『BBCニュース』、
『ジ・インディペンデント』紙は、直近の地球科学専門誌が、エベレストの標高が年々上昇している地質学上の新たな理由を解明したとする研究論文を掲載していると報じた。
9月30日発行の英国査読科学月刊誌『ネイチャー・ジオサイエンス』(2008年創刊)は、エベレストの標高が年々高くなる理由の新説を唱える研究論文を掲載した。
エベレストは2020年、正式な標高が8,848.86mと認定されているが、年々2mm程度標高が高くなっていて、それはプレートテクトニクスによるものだと説明されてきていた。...
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10月1日付
『BBCニュース』、
『ジ・インディペンデント』紙は、直近の地球科学専門誌が、エベレストの標高が年々上昇している地質学上の新たな理由を解明したとする研究論文を掲載していると報じた。
9月30日発行の英国査読科学月刊誌『ネイチャー・ジオサイエンス』(2008年創刊)は、エベレストの標高が年々高くなる理由の新説を唱える研究論文を掲載した。
エベレストは2020年、正式な標高が8,848.86mと認定されているが、年々2mm程度標高が高くなっていて、それはプレートテクトニクスによるものだと説明されてきていた。
しかし、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL、1826年創立の国立大学)の地球科学研究グループが同月刊誌に投稿した研究論文によると、従来のプレートテクトニクスだけでなく、エベレストの東側を流れる川が長い間に渓谷を大きく削った浸食による力も加わったためだとしている。
すなわち、この浸食によって地殻の一部が質量を失い、地下の高温の液体マントルからの強い圧力によってエベレストを押し上げた隆起によるものだとする、地殻均衡リバウンド説を唱えている。
同論文によると、当該浸食が8万9千年の間に特に激しくなり、エベレストはその間に15~50m隆起したと推定されるという。
研究に関わった科学者の説明は以下のとおり。
●アダム・スミス博士
・エベレストの75km東側を流れるアルン川が、8万9千年前に他の川と合流して大きな落差のある南方に流れを変えて、高水量とともに浸食力を増大したために多くの土砂・堆積物が削り取られて流失。
・長期にわたって流された土砂・堆積物は何十億トンと推定され、その質量喪失によって地下の液体マントルによる上方への圧力が増して地殻均衡リバウンドが発生。
●マシュー・フォックス博士
・当該浸食が激しくなった8万9千年の間の隆起は15~50mと推定されるが、現在では全地球無線測位システム(GPS)によって、年間約2mm隆起していることが確認可能。
(注)プレートテクトニクス:1960年代後半以降に発展した地球科学の学説。地球の表面を覆う何枚かのプレートが、互いに動くことで大陸移動等が引き起こされるとするもので、この理論の下、エベレストは年間数ミリずつ標高が高くなっていると説明。
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