著名米映画監督、サメの乱獲に繋がった大ヒット海洋アクション・スリラー映画制作を陳謝【米メディア】
12月18日付GLOBALi「
いよいよ米国でも日本人・中国人等アジア諸国で好まれるフカヒレ取引全面禁止に」で触れたとおり、海洋自然保護活動団体は米国政府のフカヒレ取引全面禁止措置法について、絶滅危惧種に指定されたサメの保護活動に追い風になると歓迎した。一方、大ヒット海洋アクション・スリラー映画を制作した著名米映画監督が、同映画を契機にサメの乱獲を後押しする契機となった恐れがあったとして、同映画制作に関わったことを陳謝している。
12月17日付
『ニューヨーク・ポスト』紙は、「スティーブン・スピルバーグ監督、“ジョーズ”公開後のサメ乱獲という“狂騒劇”を引き起こしたことを陳謝」と題して、同監督が1975年に同映画を制作・公開して以降、人々が挙ってサメを毛嫌いして乱獲騒ぎに繋がるような事態を引き起こす原因を作ったことを陳謝していると報じた。
スティーブン・スピルバーグ監督(75歳)はこの程、自身が手掛けた1975年の大ヒット映画“ジョーズ”を契機に、サメの乱獲による個体種激減に繋がった事態を陳謝した。...
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12月17日付
『ニューヨーク・ポスト』紙は、「スティーブン・スピルバーグ監督、“ジョーズ”公開後のサメ乱獲という“狂騒劇”を引き起こしたことを陳謝」と題して、同監督が1975年に同映画を制作・公開して以降、人々が挙ってサメを毛嫌いして乱獲騒ぎに繋がるような事態を引き起こす原因を作ったことを陳謝していると報じた。
スティーブン・スピルバーグ監督(75歳)はこの程、自身が手掛けた1975年の大ヒット映画“ジョーズ”を契機に、サメの乱獲による個体種激減に繋がった事態を陳謝した。
同監督が、英国『BBCラジオ』の番組“無人島のディスク(円盤状の記憶媒体)”(1942年放送開始)に出演し、ラジオパーソナリティのローレン・ラバーン氏(44歳、2019年就任)のインタビューに答えたものである。
同監督は、“自身が作った映画とその原作の小説の影響で、サメ個体種の減少が起こったことを今は申し訳なく思っている”と吐露した。
ラバーン氏が更に、サメに囲まれた小島に取り残されたとしたらどう感じるか、と質問したことに対して、同監督は、“自身が依然恐ろしいと感じる事態のひとつだ”と答えている。
その上で同監督は、“サメに喰われるとは思っていないが、やはり1975年以降サメ乱獲の狂騒劇が起こったことから、サメには随分と恨まれていると思う”とも語った。
米映画の祭典の「アカデミー賞(初回1929年)」を受賞した同映画は、米小説家ピーター・ベンチリー(1940~2006年)執筆の“ジョーズ”を題材にして、ニューイングランド(米北東部6州の総称)の架空のアミティ島で人を喰い殺す巨大なホオジロザメと格闘する人々を描いた海洋アクション・スリラー映画である。
サメ研究者のジョージ・バージェス氏(68歳)は2016年、フロリダ自然史博物館(1891年設立)のインタビューに答えて、当該映画が上映された途端、サメの捕獲が俄かに注目された、とコメントしていた。
同氏は、“当該映画が世に出るや否や、米東海岸の広範囲でテストステロン(ほとんどの脊椎動物が有するステロイドホルモン・男性ホルモンで攻撃性を誘発)を発揮した荒くれ漁師によるサメの乱獲が始まった”とし、“100年余り前に騒がれた「サメに関わる懸賞金(注後記)」に由来したサメ捕獲競争が始まり、多くの漁師が勇敢さを誇るためにより大きく、かつ大量のサメを捕まえるようになった”と言及している。
一方、『ジ・インディペンデント』紙によると、2千万部も売れた当該小説を書いたベンチリーも執筆したことを後悔していたという。
同紙によると、同作家は2000年、米『アニマル・アタックファイルズ(動物に襲われた被害に関わる公文書館)』のインタビューに答えて、“執筆したときは思いもしなかったが、今はサメが如何に種の保護が難しい生き物かということを思い知っている”と述懐していたという。
(注)サメに関わる懸賞金:ニューヨークの大富豪ハーマン・オルリッチ(1850~1906年)が1891年、“サメが人を襲うかどうか”証明した者に500ドル(現在価値1万3千ドル、約180万円)の賞金を出すと発表したもの。
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英科学者、オミクロン株は初期の新型コロナウイルスとは「同じ病気ではない」と指摘
オミクロン株の急拡大で連日10万人以上の新規感染者を出している英国。しかし、オックスフォード大学医学部の教授で、免疫学の権威であるジョン・ベル教授は、オミクロン株は「1年前のコロナと同じ病気ではない」と述べ、英国での高いコロナ死亡率は「もはや過去のもの」だと述べている。
英
『ガーディアン』によると、英国政府の生命科学のアドバイザーでもあるジョン・ベル教授は、オミクロン株が広がるにつれ、ここ数週間で入院患者数が増加しているものの、この病気は「それほど深刻ではなく、多くの人々が比較的短い期間入院している」と述べている。酸素を必要とする患者は少なくなり、平均入院日数も3日に短縮されたという。
ジョン・ベル教授は、BBCラジオ4の番組で「1年前に見たような、満杯の集中治療室で、多くの人が早死にするという恐ろしい光景は、私の考えでは、もう過去のことであり、今後もそれは変わらないと思うので、安心すべきだろう。...
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英
『ガーディアン』によると、英国政府の生命科学のアドバイザーでもあるジョン・ベル教授は、オミクロン株が広がるにつれ、ここ数週間で入院患者数が増加しているものの、この病気は「それほど深刻ではなく、多くの人々が比較的短い期間入院している」と述べている。酸素を必要とする患者は少なくなり、平均入院日数も3日に短縮されたという。
ジョン・ベル教授は、BBCラジオ4の番組で「1年前に見たような、満杯の集中治療室で、多くの人が早死にするという恐ろしい光景は、私の考えでは、もう過去のことであり、今後もそれは変わらないと思うので、安心すべきだろう。」と述べた。デルタ株やオミクロン株など複数の感染の波の中で、「この病気による重症化と死亡の発生率は、私たちが予防接種を受けてから基本的に変わっていない」と指摘している。
イースト・アングリア大学の医学部教授であるポール・ハンターも27日、新型コロナに感染しても、風邪をひいたときと同じように「普通の生活を送る」ことができるようになるべきだと述べた。「この病気は無くならない。最終的には、陽性になっても、他の風邪と同じように普通の生活を送ってもらうべきだ」と語っている。
一方、イングランドでは大晦日までにさらなるコロナ規制を導入しないという政府の決定を批判する科学者たちもいる。オミクロン株はより軽症であっても、感染力が強く、政府が介入しなければ入院者数と死亡者数が急速に増加する可能性があることを懸念している。
国民健康保険サービスに所属するNHSプロバイダーズのクリス・ホプソンCEOは、高齢者の感染率が上昇し始めたときに何が起こるかはまだ不明であると指摘している。また、オミクロン株で自己隔離しなければならないことによる医療スタッフの欠勤も医療サービスに負担をかけており、専門家たちは「最悪の場合」、ロンドンの医療スタッフの40%が休職する可能性があると予測している。ホプソン氏は、「現在、スタッフの欠勤が大幅に増えており、多くの医療関係者が、コロナのために治療が必要になった人の数よりも、スタッフの欠勤の方が大きな問題になりそうだと言っている」と述べた。
ジョージ・ユースティス環境相は、新しいオミクロンの変種による感染率が上昇していることを認めたが、以前の波と同じレベルの入院を引き起こしていないと述べている。
一方、感染者数はヨーロッパ全域で急増している。『ユーロニュース』によると、スペインのマドリッドでは27日、新規感染者数がパンデミック開始以来最高を記録した。21万4619人の新規感染者が報告され、発症率は人口10万人あたり1206人と過去最高を記録した。ギリシャでは28日、感染者数が過去最高となり、保健当局は「オミクロン株の感染者の割合が上昇傾向にある」と発表している。保健当局は2万1657人の新規感染者が発生したと発表し、27日に記録した患者数(9284人)の2倍以上となった。また、フランスでは新規感染者数が17万9807人と過去最高を記録した。それにもかかわらず、フランスでは入院患者数は抑えられている。人口100万人あたりの新型コロナウイルスによる入院患者数は約128人で、1週間前と変わらない。
デンマークは27日、新規感染者数が1万6164人と過去最高となり、パンデミック開始以来、初めて1万5000人の大台を超えた。同国では、感染の波がまだピークに達していないと見られている。
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