メーデーの1日、世界各国で労働者や活動家らによる集会やデモ行進が行われた。多くの国で労働賃金上昇などの労働環境改善を訴えたデモが行われた。フランスやトルコでは参加者と警察が衝突し逮捕者も出るなどの混乱も見られた。
5月1日付米
『VOA』(AP通信引用)は「賃上げの権利を訴え労働者集会」との見出しで以下のように報道している。
・経済不安や失業率の高まりから、各地で労働者は賃上げ、労働環境や安全の向上を訴えた。
・フランスとトルコ両国の警察は抗議者らに催涙ガスを使用する事態となった。パリではバラクラバ帽(首まで覆う防寒帽子)やスキー帽をかぶった若者らが、「我々は警察が嫌いだ」と叫びながら黒ずくめの警察に石やビンを投げつけた。警察によると今週審議予定の労働改革案に反対するパリのデモにおよそ1万7000人が参加。10人が逮捕された。
・トルコのイスタンブールでは、催しが禁止されたタクシム広場に入ろうとした人々が警察に取り押さえられた。
・韓国でも、企業の従業員の解雇を容易にする労働改革法案に反対し数万人が抗議した。
・1億1100万人いる労働者のうちおよそ半数が単純労働に従事しているインドネシアでは、生活の質向上を求めて賃金高上を訴えた。カンボジアでは縫製工場の従業員がデモを行った。
・台湾では、賃上げと労働時間短縮を様々な労働団体が訴えた。
・ロシアでは今年、ロシア正教のイースターとメーデー重なり、ウクライナでは日曜から停戦となった。
・米国各地では、移民と労働者の権利を訴える集会が多く予定されており、大統領選挙への批判の声も聞かれる予定である。
南米では、メーデーを祝い社会の改善を訴えるデモが行われた。チリのサンティアゴでは大統領が力を入れていた経営側と従業員の交渉権を主張した法案を憲法裁判所が棄却した数日後、デモが行なわれた。抗議者と警察側が衝突し、催涙ガスや放水車が使用された。
・メキシコでも労働改善を求めたデモが行われ、ブラジルでは、弾劾危機の渦中にあるルセフ大統領が、弾劾に反対する支持者集会を利用し、福祉政策の充実、中間層の所得税の影響軽減、低価格住居増加を謳った。
同日付米
『U.S.NEWS』(AP通信引用)は以下のように報道している。
・フランスでは、各地で貿易団体、十代の若者、年金生活者、ファミリーらが300の平和的デモに参加。長時間労働と解雇を容易にする法案を巡って今年は特に盛り上がりを見せた。この法案を巡って過激派デモ隊と警官は度々衝突しており、問題行動を起こした集団を取り囲んだ警察側に不満を爆発させた若者が物を投げつけた。抗議者らは地下鉄の入口や集会広場に放火。全国で2人負傷、18人が逮捕された。デモ隊はオランド大統領を裏切り者とする旗をかかげ行進。企業側に柔軟性を与え国際競争力を増すことで失業率の改善を目論む現政権の労働改正案は労働者保護を危うくし、企業の利潤追求に利するだけだとの批判もされる。
・トルコでは、タクシム広場に入ろうとした抗議者に警察が催涙ガスと放水車を使い、ひかれた男性一人が死亡。タクシム広場は1977年のメーデーで34人が死亡した抗議デモの象徴のような場所。クルド人やISに関連するとみられるテロで緊張が高まる中、首都アンカラではメーデーのデモを狙った疑いでIS戦闘員とみられる4人が逮捕。
・ロシアでは、プーチン大統領や政府への批判は排除されており、デモのスローガンは賃金と若者の専門職雇用に集中。左翼は独自の集会を主なった。
・フィリピンでは、マニラで2千人の左翼デモが警官と衝突。今月9月に大統領選挙を控えており、労働者の不満を訴える候補者もいる。
・英国では、労働党党首ジェレミー・コービン氏がロンドン中心部の集会で欧州の右傾化を批判し、同党はこれに一丸となり対抗するとした。
同日付英
『ガーディアン』は以下のように報道している。
・車に仕掛けられた爆弾や衝突で警官数十人が負傷しており、フランスは厳重体制が敷かれた。仏政府は約10%の失業率を改善する改革を押し進めているが、この改革は経済が停滞した際解雇を容易にするものだと批判する物もいる。
・国際労働デーは1886年8時間労働を求める労働組合により、シカゴで始まり今は世界中でデモ行進が行われている。
5月2日付カタール
『アルジャジーラ』は「トルコから台湾まで各地でメーデー」との見出しで以下のように報道している。
・トルコではメーデーに限らずデモの際警察は常に重装備。各地で問題なく集会は行われたが、南部の町ガジアンテプでは警察署で車が爆発した後の集会は中止された。中南部の都市アダナでも自爆テロの疑いから集会が中止。警察は、アンカラでのテロを計画したとしてシリア国籍とみられるISIL戦闘員4人を逮捕。
・台湾の台北市では、労働組合が労働時間短縮、賃上げを求めデモ。大統領の対中融和政策の恩恵が殆どないとの批判が多く、輸出主導経済停滞で若者の収入が滞り、正規雇用が難しい。
・ドイツではハンブルグでデモが平和的に行われ、警察の出動も限られたものだった。
・韓国では、賃金上昇を訴え政府の労働改革を批判するデモが行われた。
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アップル社のiPhone「5c」ロック解除に米司法省が成功し「アップル対FBI」の対立は一時収まりを見せたが、その後の後継機種「5s、6,6s」へのテストで、同じロック解除方法が応用出来ない事が分かったとFBI長官が大学での会議で明かした。後継機種でのロック解除が行えなければ、再びFBIがアップル社にロック解除への協力を要請する可能性が浮上しており、そうなれば、FBIが第三者とされる提供者から「購入」したハッキング技術がアップルに明かされることが懸念されると、同長官は述べている。
4 月7日付
『ロイター通信』は「アイフォン後継機種ではロック解除が無効とFBI長官」との見出しで以下のように報道している。
・FBIのジェームズ・コミー長官はサンバーナディノ銃乱射事件の犯人が使用したアイフォンのロック解除にFBIが秘密裏に成功した件で、アイフォンの後継機種ではこの方法でロック解除が使えないと述べている。水曜、オハイオ州ケニヨンカレッジでロック解除は「限られた機種に使える方法」だとした。同日、アップルの株価は1.3%下落。
・同じロック解除方法は、アイフォン5s、6、6sでは機能しない。2013年発売のアイフォン5c(今回ロック解除に成功)は新機種普及で生産中止となった。
・司法省は3月、当事件の犯人のアイフォンのロック解除に匿名の第三者の協力により成功したと発表し、アップル社への(ロック解除協力要請する)訴えを取り下げていた。
後継機種へ解除方法が効かないため、当局は他の事件に関与した機種にアクセスするためアップル社の協力を仰がねばならなくなる可能性がある。政府が訴えを取り下げないなら、FBIが発見したロック解除方法がアップルに明かされることになるかもしれない。当件につきアップルとFBIはコメントを出していない。
同日付米
『VOA』は「FBI:銃撃犯のアイフォン解除方法が後継機種に応用できず」との見出しで以下次のように報道している。
・FBIが再びアップルにロック解除への協力を要請する見込みが高まっている。
・司法省はニューヨーク州裁判所に薬物捜査に関わったとされるアイフォン5sのロック解除でアップルに協力要請をするよう指導しており、当件の検察側は今月11日までにアップルの協力を仰ぐか裁判所に報告することとなる。
・FBIのコメ―長官はFBIがロック解除を可能にしたアイフォンの暗号欠陥をアップルに明かせば、「アップルは欠陥を修復するだろうし、問題が振り出しにもどってしまう」と述べている。
同日付米
『ウォールストリートジャーナル』は「FBI:銃撃犯のアイフォン解除方法が後継機種に応用できず」との見出しで以下次のように報道している。
・問題となっているアイフォン機種は「5c」で、22人が死亡した銃乱射事件の犯人が事件の前に使っていた。5Cのロック解除に第三者の協力で成功したとFBIが発表し、後継機種5Sや6でも同様の方法が使えるか試していた。
・FBIのコメ―長官は、オハイオ州ケニヨンカレッジで学生にプライバシー等について会議中、「この方法は6、5Sでは応用できない」と聴衆の質問に答えた。
・木曜コメントを求められ、アップルのスポークスマンは、FBIがロック解除に成功した一報を受けた際同社が出した声明(「当局の捜査に協力し続け、ハッキングの脅威が増す中、製品の安全性を高めるよう邁進する」とした)に言及した。
・同事件の携帯ロック解除の司法対立は終結したが、政府とシリコンバレーの暗号技術を巡る対立は、他の事例を含め、広がりを見せている。2月の司法文書によると、FBIがアイフォンに関してアップルに協力を要請している事案は十数件あるという。
・多くのIT企業は司法要請による捜査にも耐えうる通信製品の開発を急いでいる。
同日付米
『シカゴトリビューン』と
『CNNマネー』は「FBIはテロ犯の携帯ロック解除ツールを購入した」との見出しで以下次のように報道している。
・FBIのコメー長官によると、FBIはテロ犯のアイフォンへのハッキングツールを購入、アップルにその方法を明かすか検討している。当長官は更なる詳細には触れていない。
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