4月20日付
『ロイター通信』:「ベトナム、中国による南シナ海占有強化に反対」
ベトナム政府は4月19日、中国が南シナ海の島嶼に新たな行政区を設置したことに対して、自国の領有権が侵害されるとして断固反対する旨表明した。
中国国営メディア『CGTN(中央テレビ国際版)』によると、中国政府は4月18日、南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島、中国が全島実効支配)及びスプラトリー諸島(南沙諸島、中国が人工島を建設して占有)に、海南省三沙市(サンシャ)傘下の行政区を新たに設置したと発表している。
ベトナム外務省のル・ティトゥ・ハン報道官は声明で、“パラセル諸島内島嶼への三沙市行政区設置は、ベトナムの主権を侵害する”と非難した。
今月初め、ベトナム政府は中国に対して、パラセル諸島周辺海域で自国漁船が中国海警艦に追突されて沈没したとして、外交ルートを通じて公式抗議を行っている。
一方、中国探査船が先週初めから、南シナ海スプラトリー諸島海域のマレーシア沖の同国国営石油企業ペトロナスが石油掘削海域に張り付き、4月19日現在も居座って無言の圧力を加えている。
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4月7日付米
『CNNニュース』:「中国、新型コロナウィルス感染流行問題を契機に南シナ海で制海権拡大」
中国人民解放軍(PLA)の英文ウェブサイトに先週、PLAが直近で実施した大規模実戦訓練(注1後記)及びベトナム漁船沈没(注2後記)について詳細な経緯が掲載された。
更に、新型コロナウィルス発症地の武漢(ウーハン)在の軍需産業を拡充するとも言及している。
中国の大規模訓練が実施される前、米軍原子力空母“セオドア・ルーズベルト”がグアム港に向かって航行中に、中国主張の領海内に侵入したと中国側が非難していた。...
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4月7日付米
『CNNニュース』:「中国、新型コロナウィルス感染流行問題を契機に南シナ海で制海権拡大」
中国人民解放軍(PLA)の英文ウェブサイトに先週、PLAが直近で実施した大規模実戦訓練(注1後記)及びベトナム漁船沈没(注2後記)について詳細な経緯が掲載された。
更に、新型コロナウィルス発症地の武漢(ウーハン)在の軍需産業を拡充するとも言及している。
中国の大規模訓練が実施される前、米軍原子力空母“セオドア・ルーズベルト”がグアム港に向かって航行中に、中国主張の領海内に侵入したと中国側が非難していた。
当該空母は、乗組員の中に170人余りの新型コロナウィルス感染者が認められたことから、任を解かれて現在グアム港に停泊中である。
更に先週、別の原子力空母“ロナルド・レーガン”の乗組員にも若干名の感染者が出ており、現在はメインテナンスを兼ねて横須賀港に停泊中である。
また、在韓米軍の中だけでなく、先週末には、佐世保港の米軍基地内でも初の感染者が報告されている。
米国防総省は、米軍内で合計1,500人余りが罹患していると発表している。
かかる状況下、同省は、感染拡大防止対応のため、世界に展開している駐留米軍兵の移動を停止したり、軍事訓練を中止したりしている。
同省報道官のジョナサン・ホフマン次官補は先週、“全運用能力を可及的速やかに再開”することを念頭に置いて、日々危機管理を行っていると表明した。
しかし、軍事評論家の何人かは、たとえ一時的とは言え、米軍艦が南シナ海から撤収したことで、中国側が絶好のチャンスと考えているはずだと分析している。
例えば、元米海軍大佐で米太平洋軍統合情報センター前運用部長のカール・シュスター氏は、“米軍がウィルス禍にかまけている間に、中国は南シナ海で制海権強化のためにやりたい放題をしようとするはずだ”として、ベトナム漁船を沈没させた事態を例に挙げて、“米軍が中国側対応にすぐさま反応できない状況をみて、ベトナム側が不安を覚えたに違いない”と解説している。
実際問題、新型コロナウィルス感染問題発生前、空母“セオドア・ルーズベルト”はベトナムのダナン港に3月初めに5日間ほど寄港していて、中国側がベトナムと米国の接近を懸念していたと分析される。
なお、米軍は原子力空母を11隻保有しているが、通常のメインテナンスでも非常に長い時間を要するため、実際に就役させる艦数は限られ、3月30日時点では僅か5隻であった。
しかも、そのうち2隻はウィルス禍の影響を受けた“セオドア・ルーズベルト”及び“ロナルド・レーガン”で、2隻はイラン対峙のため中東に張り付き、もう1隻は米東海岸にいる。
すなわち、南シナ海にすぐさま代替投入できる原子力空母打撃軍はないということである。
同日付中国『CGTN(1997年設立の中国中央テレビ国際ニュース局)』:「中国、米国による新型コロナウィルス感染問題に引っ掛けての中国中傷を止めるよう要求」
中国外交部(省に相当)の趙立堅(チャオ・リーチャン)報道官は4月7日、米国が中国に対して、新型コロナウィルス世界流行問題を巧みに利用して、南シナ海で無謀な行動に出ているとの中傷を行っているとして、改めて遺憾の意を表明した。
これに先立ち、米国側は、4月2日に発生したベトナム漁船沈没問題に関し、南シナ海において“違法な主張”に基づく暴挙だと非難していた。
同報道官は、中国側は主権擁護のため、国際法に基づいて違法操業していたベトナム漁船を取り締まったに過ぎないとし、また、沈没したのは漁船側が海警艦に体当たりしてきた結果だと説明した。
更に同報道官は、“中国は新型コロナウィルス感染問題に関わり、深刻化している他の国々に可能な限りの支援を行っている”とも強調した。
(注1) 大規模実戦訓練:3月25日前後に、駆逐艦、潜水艦、戦闘機等を投入して実弾訓練を実施。中国側は、3月に米軍艦が3度も南シナ海の中国領海内に無断進入、あるいは横断航行したことに対抗して、中国主権擁護のための訓練だと表明。
(注2) ベトナム漁船沈没:中国側発表によると、4月2日、パラセル諸島(西沙諸島、中国が全ての島嶼を実効支配)内にベトナム漁船が侵入して違法操業していたため、中国海警艦が取り締まりに赴くと体当たりしてきて、最終的に同漁船が沈没したもの。同漁船の全乗組員は海警艦が救助しており、乗組員らは違法操業を認めているという。
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