米大統領選;中国・イランはバイデン氏、ロシアはトランプ氏に肩入れして水面下で種々画策か【米・英国メディア】(2020/08/08)
反米で協調している中国、ロシア、イランであるが、次期大統領として望む人物は異なる模様である。この程、米防諜部門幹部が明らかにしたところによると、中国とイランはジョー・バイデン民主党候補の当選を、一方、ロシアはドナルド・トランプ大統領の再選を狙って、種々水面下で画策しているという。
8月7日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「米防諜部門トップ、中国・イランがバイデン氏に、ロシアはトランプ氏に肩入れして種々画策と証言」
米トランプ政権の防諜部門トップが8月7日、中国及びイランがジョー・バイデン民主党候補に、一方ロシアはドナルド・トランプ大統領に肩入れして水面下で画策していると警鐘を鳴らした。
米国家防諜・安全保障センター(2001年設立)のウィリアム・エバニーナ長官(53歳)が上院公聴会で述べたもので、民主党議員から外国政府の選挙介入事態についての突っ込んだ質問に答えた。...
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8月7日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「米防諜部門トップ、中国・イランがバイデン氏に、ロシアはトランプ氏に肩入れして種々画策と証言」
米トランプ政権の防諜部門トップが8月7日、中国及びイランがジョー・バイデン民主党候補に、一方ロシアはドナルド・トランプ大統領に肩入れして水面下で画策していると警鐘を鳴らした。
米国家防諜・安全保障センター(2001年設立)のウィリアム・エバニーナ長官(53歳)が上院公聴会で述べたもので、民主党議員から外国政府の選挙介入事態についての突っ込んだ質問に答えた。
同長官は、投票に先駆けて“中国、ロシア、イランがそれぞれ影響を行使すべく画策している”と証言した。
同長官は更に、“中国は、トランプ政権による様々な対中国政府圧力に嫌気している”とし、“特に、直近の香港政策に対する批判、中国動画共有サービスのティックトック使用禁止措置、南シナ海における国際法上の非難、更には次世代移動通信システム5Gでの世界席捲政策への警戒等々より、中国政府としてはトランプ大統領の再選を望んでいない”と言及した。
また、同長官は、“一方ロシアは、何かにつけてトランプ大統領の方を好んでいる”とし、“バイデン民主党候補は、オバマ政権下での副大統領時代、ウクライナ政策でのロシア批判やロシア国内反プーチン派を支持していたことから、明らかに「反ロシア体制派」だとみている”と付言した。
そして同長官によると、“親ロシア派のウクライナ政治家アンドリー・デルカック議員が、バイデン候補及び民主党の勢いを削ぐ活動をしている一方、ロシア政府と関係の深い俳優らがトランプ大統領支持をソーシャルメディアやロシアテレビで盛んに訴えている”という。
一方、イランについては、明らかにトランプ氏を嫌っているが、同時に米国内の不和を駆り立てていると言及している。
8月8日付英国『ザ・ガーディアン』紙:「米防諜部門トップ、米大統領選に先駆けてロシア、中国、イランが影響力行使を画策していると発言」
エバニーナ長官が8月7日にリリースした声明によれば、ロシアはトランプ氏を、中国はバイデン氏を支持する一方、イランは米国の大混乱を画策しているという。
同長官によると、“ロシアはバイデン候補を「反ロシア派」と位置付けて何かにつけて中傷している”とし、“ウクライナのデルカック議員はバイデン氏についての汚職疑惑を盛んに喧伝し、ロシア政府に近い俳優らがSNS等でバイデン候補に関わる偽情報を流している”といいう。
『ワシントン・ポスト』紙は過日、デルカック議員は、バイデン氏の謀議批判の急先鋒である、トランプ大統領のルディ・ジュリアーニ顧問弁護士と何度も面談している、と報じている。
同長官はまた、中国については、ロシア程露骨な活動は認められていないが、ともかくトランプ大統領の対中国非難政策(COVID-19、中国スパイ疑惑、香港問題、南シナ海問題等々)に嫌気がさしていて、中国の利益を損なうことがないよう、対米圧力を高めているとする。
一方、イランについては、反米思想をSNS等で拡散して大統領選での米国内分断を図っているという。
また、トランプ氏再選で、対イラン政策が更に厳しくなることを警戒しているともいう。
なお、トランプ大統領は8月7日、ベッドミンスター(ニュージャージー州)のトランプ氏所有のゴルフクラブで会見し、“ロシアが望んでいるのは、自身の再選だと考えている”とし、“中国は、「スリーピー・ジョー(バイデン候補を揶揄する呼称)」が勝てば米国を思い通りにできると思っているので、バイデン候補を好んでいる”と発言した。
また、“イランも自身の再選を望んでいない”とも言及した。
その上で、“自分が再選したら、イランとも北朝鮮とも核問題につき速やかに合意に漕ぎ着ける”と強調した。
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プーチン大統領の熱狂的信奉者のひとりであるチェチェン共和国首長が引退をほのめかす発言【米・英・ロシアメディア】(2017/11/28)
ウラジーミル・プーチン大統領は、経済制裁の標的とされていることから、欧米諸国から余り支持されていないと言える。また、同大統領がロシア首相職に就いていた際、第二次チェチェン紛争(注後記)を、非人道的爆弾等を投入したりして無理やり収束させた経緯から、欧米や人権団体から人権侵害だとも非難されている。一方、チェチェン共和国代表としては、プーチン大統領の支援もあって現在の和平が実現できていることから、同大統領のためなら死をも厭わないと、熱烈信奉者であることを公言してやまない。しかし、同国代表がこの程一線から退くことをほのめかす発言をするに至り、もしそれが真実なら、プーチン大統領としては哀愁を感じざるを得ないのではなかろうか。
11月27日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「チェチェン共和国首長が引退をほのめかす発言」
チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長(41歳)は11月27日朝、ロシア連邦内の共和国首脳としての責任が重くのしかかってきており、一線から退くことを考えている旨語った。
同首長は、2004年に暗殺されたアフマド・カディロフ大統領(当時)の息子で、以前は反政府勢力に属していたが、その後変節してロシア政府に忠誠を尽くしている。...
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11月27日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「チェチェン共和国首長が引退をほのめかす発言」
チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長(41歳)は11月27日朝、ロシア連邦内の共和国首脳としての責任が重くのしかかってきており、一線から退くことを考えている旨語った。
同首長は、2004年に暗殺されたアフマド・カディロフ大統領(当時)の息子で、以前は反政府勢力に属していたが、その後変節してロシア政府に忠誠を尽くしている。
なお、同首長は、プーチン大統領は自身の“アイドル”であり、同大統領のためなら死をも厭わないとも語った。
一方、ドミトリィ・ペスコフ大統領府報道官は、カディロフ首長はまだ現職に留まることになると淡々と表明した。同首長の発言を軽視するようなロシア政府の対応は、これまで同首長が、チェチェン共和国の特権や助成金などを要求するに当って、しばしば引退をほのめかしてきたからだとみられる。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『ロイター通信』配信):「チェチェン共和国首長、人心刷新が予想される中、プーチン大統領のためには死をも厭わないと発言」
ロシア大統領選が来年行われるが、それを契機に多くの指導者・政治家らの人心刷新が行われることになる。
このため、自身の生き残りを画策してか、チェチェン共和国のカディロフ首長が11月26日夜の国営テレビに登場し、プーチン大統領のためなら死をも厭わないと語った。同首長はこれまでも、自身はプーチン大統領の一歩兵とも言い切る等おもねる発言をしている。
同首長は昨年、プーチン大統領の支援もあって再選(任期5年)されているが、ロシア政府は同時に、チェチェン共和国にもロシア連邦法を厳しく適用していくとも示唆していた。
なお、同首長は最近、拷問やゲイの抹殺を標榜しているとして人権団体から非難されている。
同日付ロシア『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「“その時が来た”と、チェチェン共和国のカディロフ首長が引退をほのめかす」
チェチェン共和国のカディロフ首長は11月26日、ロシアテレビのインタビューに答えて、(欧米諸国からの非難があることについて)自身に非難がきているとすれば、それは個人の犯罪等の問題ではなく、ロシア連邦やチェチェン共和国のために忠実に尽くしていることから来るものであろうから、何ら気にするものではないと明言した。
同首長は昨年9月、ロシア政府支援もあって、ほぼ無投票で首長に再選されている。そしてその前後に同首長は、もしプーチン大統領から一線を退けと命令されるなら、喜んでそれに従うと発言していた。しかし、実際にはモスクワから命令など出ないこともあって、“辞める”と言いながらも、いつも現職に留まってきている。
(注)第二次チェチェン紛争:チェチェン独立派勢力(中心は独立最強硬派武装勢力のイスラム国際戦線)と、ロシア人及びロシア連邦への残留を希望するチェチェン共和国のチェチェン人勢力との間で1999年に発生した紛争(第一次チェチェン紛争は1994~1996年)。2009年4月、ロシア国家対テロ委員会が、独立派の掃討が完了したとして対テロ作戦地域からの除外を発表、10年の長きにわたった紛争は終結。
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