ドイツメディアが見る(9月23日付)ヨーロッパ、各地の独立の動き(2014/09/26)
スコットランドの独立住民投票では、独立が否決されたが、この独立を巡る住民投票は、欧州全域に影響を与えたとみられる。ドイツメディアでは、今後ヨーロッパがスコットランド独立投票から学ぶことや、投票結果の分析に注目が集まっている。
『ディー・ツァイト』(ドイツ)は「スコットランド独立投票、ヨーロッパが教訓にすべきこと」、「ヨーロッパには、スコットランドのような不安定な国がたくさんある」、
『フランクフルター・アルゲマイネ』(ドイツ)は「スコットランド独立投票、賛成派“民主主義の勝ち”-ヨーロッパ連合代表者ら“ほっとした”」、「ヨーロッパ分離派の動き、次はスペインの番だ」、
『南ドイツ新聞』(ドイツ)は「ヨーロッパが、スコットランド独立住民投票から学ぶべきこと」と報じ、ヨーロッパの各地の独立の動きを取り上げた。...
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『ディー・ツァイト』(ドイツ)は「スコットランド独立投票、ヨーロッパが教訓にすべきこと」、「ヨーロッパには、スコットランドのような不安定な国がたくさんある」、
『フランクフルター・アルゲマイネ』(ドイツ)は「スコットランド独立投票、賛成派“民主主義の勝ち”-ヨーロッパ連合代表者ら“ほっとした”」、「ヨーロッパ分離派の動き、次はスペインの番だ」、
『南ドイツ新聞』(ドイツ)は「ヨーロッパが、スコットランド独立住民投票から学ぶべきこと」と報じ、ヨーロッパの各地の独立の動きを取り上げた。
ディー・ツァイト(ドイツ)は、「スコットランドの民族主義者は、ヨーロッパに賛成だという態度を示した上で、この選挙活動の中で、自由においても民主主義においても、スコットランドがまるで他のどのヨーロッパの国々よりも優れている、ヨーロッパの一国かのような姿勢も示していた。でも、その民族主義者が示した“親ヨーロッパ”態度は、実際には道徳的優位性を誇示する戦略にすぎなかった。実際にはスコットランド国民党(SNP)は、ユーロの導入に反対だった。例えば、ヨーロッパを統一しようとする概念を、熱心に支持しているスウェーデンの外務大臣カール・ビルトが、そのスコットランド国民党の方針に対して批判的な発言を出したところ、スコットランド国民党の代表らはその発言をバカにして、ノンセンスだとした」とし、「この住民投票によって、スコットランド国内での人々の意見が分かれていることが浮き彫りになって、数年も分裂した国であり続けるだろう。この選挙をきっかけに、政治的な考え方が根本的に異なって結婚生活が崩壊し始め、仲直りに苦しんでいる奥様のケースや、パートナーが縁を切ったケースさえみられるようになっている。スコットランドのような、独立の是非が問われそうなヨーロッパの地域がたくさんあるので、ヨーロッパの今後の動向に注意が必要だ」と伝えた。
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)は「ドイツ人のマーティン・シュルツ欧州議会議長は、“実は独立にならずによかった”とほっとした様子を見せた。また、例えばドイツキリスト教民主同盟のハーバート・ロイル欧州議会議員は、“英国のキャメロン首相はグレート・ブリテンが、ヨーロッパ連合にとどまった方がいい”とグレート・ブリテンの人々を説得すべきだと求めるなど、他の欧州議会議員の中で、独立の動きに対して、“当該地域の自主権の強化をしなければならない”という声が増えている」とし、「スペイン中央政府は、スコットランドの独立の反対の結果を受けて、ほっとした様子を見せたのに対して、カタルーニャ州政府は、“スペイン政府が、スコットランドの民主主義の見習うべき例に従って、住民投票を拒否してはいけない”との見解を示した」と報じた。
南ドイツ新聞(ドイツ)は、「欧州連合のジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ欧州委員会委員長による、“このスコットランドの住民投票の結果は、団結した強いヨーロッパを象徴した結果となって、欧州委員会全員が賛成するだろうという結果となった”という発言は、様々な批判を招いた。記者会見で、“バローゾ欧州委員会委員長の伝えたいことは、住民投票で逆の結果になったとしたら、分裂した弱いヨーロッパの象徴となったということですか”という批判・質問に対して、バローゾ欧州委員会委員長の報道官はコメントを控えた」とし、「ヨーロッパがスコットランド独立住民投票から学べることは、もし、今後、独立における住民投票を拒否したら、独立への意志がどんどん強くなるだろうということだ」と伝えた。
ディー・ツァイト(ドイツ)は、さらに「今回の住民投票の結果は今後、他のヨーロッパの地域にどんな影響があるか、さらに、キャメロン首相が2017年に予定している“グレート・ブリテンにおける、ヨーロッパ連合からの独立の是非を問う住民投票”に、どんな影響があるか注目が集まる」とし、「恐らくスコットランドにとっても、他の独立が問われそうなヨーロッパの地域にとっても、“連邦国家”が適切な解決になるかもしれない」とした上で、「スコットランドの住民投票の結果は、グレート・ブリテンが脱ヨーロッパの方針にならないように、好影響が出るようになるかもしれない」と報じた。
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スウェーデンメディアが見るスノーデンのライト・ライブリフッド賞(2014/09/25)
スウェーデンで「もうひとつのノーベル賞」と呼ばれるライト・ライブリフッド賞に米国のエドワード・スノーデンの受賞が決まった。受賞についてスウェーデンメディアは次のように報じる。
『ザ・ローカル紙』は「スウェーデンのライト・ライブリフッド賞の受賞者が、スノーデンに決定というニュースがリークされた後、スウェーデン外務省は、ライト・ライブリフッド財団に、外務省施設の使用を禁止した」と報じる。
『ラジオスウェーデン』は「表向きの理由は、授賞式に使用されるプレスルームのセキュリティ状況と発表されたが、本当の理由は今年の受賞者にある」と伝える。
ザ・ローカル紙によると、「米国を内部告発したスノーデンが、“基本的な民主的プロセスや憲法上の権利を侵害する国の監視が、前例のない程及んでいた事を明らかにする勇気と熟練技”で受賞が決定し、150万クローナ(21万ドル)の賞金と共に他の3人と共同受賞」。...
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『ザ・ローカル紙』は「スウェーデンのライト・ライブリフッド賞の受賞者が、スノーデンに決定というニュースがリークされた後、スウェーデン外務省は、ライト・ライブリフッド財団に、外務省施設の使用を禁止した」と報じる。
『ラジオスウェーデン』は「表向きの理由は、授賞式に使用されるプレスルームのセキュリティ状況と発表されたが、本当の理由は今年の受賞者にある」と伝える。
ザ・ローカル紙によると、「米国を内部告発したスノーデンが、“基本的な民主的プロセスや憲法上の権利を侵害する国の監視が、前例のない程及んでいた事を明らかにする勇気と熟練技”で受賞が決定し、150万クローナ(21万ドル)の賞金と共に他の3人と共同受賞」。また「ライブリーフッド賞はもうひとつのノーベル賞と呼ばれ、“今日我々が直面する最大の緊急課題”に、実際的な回答を支援するために1980年に設立。授賞式はノーベル賞と同じ12月にスウェーデン議会で開催」と報じる。
『スウェーデンテレビ』は、「ビルト外務大臣はスノーデンの受賞に立腹した」が、「大臣自身は関与を否定した」と伝える。ラジオスウェーデンによると、「この春大臣は、スノーデンが、ストックホルムのインターネット国際会議に招待されなかった事を認め非難を受けた」。
『TT通信』は、「スノーデンは、どの受賞候補者より議論を呼ばない人物で、外務省の決定を“現実的政治”と理解を示した」が、「小国から来る受賞者に、スウェーデンは民主主義と人権の価値を支援してきた。政府が思い切って支持していたら、より適切だっただろう」と財団代表、フォン・ユクスキュル氏の話を引用する。
TT通信によると「財団はスノーデンとその弁護士に連絡を取り、法的支援に資金提供すると決定。スノーデンは、スウェーデンに来て受賞する事を望んでいる」。ザ・ローカル紙は「スノーデンは禁固30年の刑に直面する」と報じるが、TT通信は「スウェーデンの法律では、スパイ行為は政治的犯罪と見なされ、理論上スノーデンがスウェーデンに来ても、米国に身柄引き渡しのリスクはない」と報じる。
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