ドイツ;子供にワクチンを受けさせない親に罰金(2019/05/07)
ドイツ保健相は、学齢の子供にはしかのワクチンを受けさせていない親に罰金を科す法案を提出した。伝染性が高く、死に至る可能性のあるはしかの再流行を受けたものである。
『ニューヨーク・ポスト』、
『ABC7ニュース』(共に米国、AP通信引用)などが報じた。
5月4日発刊のドイツの週刊誌「ビルト」のインタビューで、ドイツのイェンス・シュパーン保健相は、子供がはしかワクチンを受けていると証明できない親は最高2,500ユーロ(およそ31万円)を支払われなければならないことになると語った。
また、同保健相は、幼い子供や医学的な理由からはしかワクチンを受けられない子供を守るために、はしかワクチンを受けていない子供が保育園に行くことを禁じる法案も提出している。...
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5月4日発刊のドイツの週刊誌「ビルト」のインタビューで、ドイツのイェンス・シュパーン保健相は、子供がはしかワクチンを受けていると証明できない親は最高2,500ユーロ(およそ31万円)を支払われなければならないことになると語った。
また、同保健相は、幼い子供や医学的な理由からはしかワクチンを受けられない子供を守るために、はしかワクチンを受けていない子供が保育園に行くことを禁じる法案も提出している。
ワクチン接種を含む医療処置の義務化は、ドイツでは政治的に微妙な問題であり、シュパーン保健相の法案が施行されるかは明らかではない。
しかし、一度抑え込んだと思われた疾病が重大な脅威として再登場したことを懸念し、専門家はワクチン接種の強化を唱えている。ドイツ医師会のフランク・ウルリッチ・モントゴメリー会長は、シュパーン保健相の法案を歓迎する。時節を得た重要な処置だと、5月4日にドイツRNDメディアグループに語った。
ドイツでは2019年の最初の10週間で203人のはしか患者が報告されている。昨年同時期の2倍以上だが、2017年に比べると少ない。隣国のスイスでは先週、今年はしかで2人の成人が亡くなったと報じられた。ひとりはワクチン未接種の30歳前後の男性で、もうひとりは70歳前後の男性で、癌のために免疫力が弱まっていた。
専門家によると、一般に人口の95パーセントが正しく免疫を持っていれば、はしかは簡単には広まらず、効果的に抑制できる。しかし、子供や大人でワクチン未接種の人が少人数いることで、最近の米国のように、はしかが流行する。米国では今年700人以上の患者が発生し、まだ収まっていない。
世界保健機関によれば、ヨーロッパ全体で、昨年82,596のはしかの症例があり、このうち72人がはしかで亡くなっている。最大の感染は、53,218症例がウクライナで記録されている。ウクライナでは、分離主義者との武力衝突のために、東部の医療状況が悪化している。ヨーロッパで旅行者が多いフランスとイタリアでは2018年3月から2019年2月の間で、ともに2,400人以上のはしか患者が発生しているとEU機関の欧州疾病予防管理センターが報告している。同時期、ギリシャでは1,400症例、英国では900症例以上が報告されている。
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マティス米国防長官辞任のニュースに、西側米同盟国は動揺、一方、ロシアは懐疑的なるも中国は静観【米メディア】(2018/12/23)
既報どおり、ジム・マティス国防長官が、来年2月末を以て辞任することを発表した。これまでも、米同盟国との共同歩調を主張する同長官と、あくまで米国の利益が最優先だとするドナルド・トランプ大統領と意見の食い違いがあったが、直近の、同大統領による一方的なシリア撤退方針表明が直接の引き金になった模様である。早速、欧州や豪州等の米同盟国からは動揺の声が上がり、一方、ロシアは、タフな同長官とは言え、現実的な交渉ができたが、誰が後任になるかによって米ロ関係が更に毀損されることを懸念している。なお、同長官が“戦略的競争国”と呼んで最も厳しく当った中国は、今のところ静観の構えをみせている。
12月22日付
『USAトゥデイ』紙:「ジム・マティス米国防長官の辞任に欧州からアジアまでが動揺」
ジム・マティス米国防長官の突然の辞任表明に、欧州同胞は動揺、ロシアは懐疑的、そして中国は静観している。
スウェーデンの元首相で、現在は欧州外交評議会代表を務めるカール・ビルト氏は、マティス長官が、米政権と欧州間関係を強く繋ぎ止めた唯一の人物であり、他幹部は全く信頼性に疑問があることから、同長官辞任のニュースは欧州にとって大変な事態となる、とコメントした。...
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12月22日付
『USAトゥデイ』紙:「ジム・マティス米国防長官の辞任に欧州からアジアまでが動揺」
ジム・マティス米国防長官の突然の辞任表明に、欧州同胞は動揺、ロシアは懐疑的、そして中国は静観している。
スウェーデンの元首相で、現在は欧州外交評議会代表を務めるカール・ビルト氏は、マティス長官が、米政権と欧州間関係を強く繋ぎ止めた唯一の人物であり、他幹部は全く信頼性に疑問があることから、同長官辞任のニュースは欧州にとって大変な事態となる、とコメントした。
また、元フランス政府顧問で現在はジュネーブ安全保障政策研究所代表のフランソワ・ヘスブルク氏は、機能不全の米政権を安定化させ、かつ、西側諸国の同盟関係を維持することに力を発揮してきた同長官がいなくなることで、特に米同盟国はあらゆる選択肢を検討せねばならないと語った。
一方、ロシア議会外交委員会のアレクセー・プシュコフ委員長は、同長官は“タフ”であったが“現実的対応”ができる人であったので、次に誰が後任となり、それがロシアにとって良いことになるのか疑問であるとした。何故なら、レックス・ティラーソン前国務長官の時には米ロ間交渉がうまく運んでいたが、現在のマイク・ポンペオ長官は反ロシアに凝り固まっており、米ロ関係を最悪なものにしてしまっているからである、と付言した。
また、ロシア大統領府のドミートリィ・ペスコフ報道官も、米ロ関係を更に“不安、かつ、問題化”させるだけだとコメントしている。
更に、豪州においては、元豪州軍少将で現在は政治家のジム・モラン氏が地元紙のインタビューに答えて、同長官はトランプ政権の中で唯一大人と認められる人であったが、彼が去った後、ホワイトハウスは、世界中の米同盟国に影響を及ぼすことになる外交政策をどのように決めていけるのか、と疑問を呈した。
朝鮮半島の問題で米国頼みの韓国からは、同長官の辞任についてコメントは出てきていない。
しかし、日本の岩屋毅防衛相は『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューに答えて、日米防衛関係に大変尽くしてくれた同長官が辞任することは驚きだとした上で、後任の長官にも日米関係堅持を切望したいとコメントした。
一方、同長官から“戦略的競争国”と呼ばれて敵視されてきた中国は、目下のところ静観の構えをみせている。
なお、同長官の辞任のニュースが悲観的に流されていることを受けて、トランプ大統領は12月21日、早速ツイッターで噛み付いた。
すなわち、“マティス長官辞任で米外交が弱体化するとのフェイク・ニュースは看過できない”とした上で、“歴代大統領の中で、自分ほど対中国、対ロシア外交で強く当っている大統領はいない”と吠えている。
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