ドイツ、ウクライナ戦争で地下シェルター販売企業に注文が殺到(2022/04/13)
ロシアがウクライナに侵攻したことで、ドイツも軍事攻撃を受ける危険性があるとして、地下シェルターに投資するドイツ人が増えているという。
仏
『レゼコー』は、第二次世界大戦の終結から77年、ドイツに爆弾が落ちるという恐怖が再びやってきた、と伝えている。個人向けにシェルターを販売しているBSSD社のマーケティング担当者は、ドイツの日刊紙ディ・ヴェルトの取材に対して「以前は1日に10件の電話があったが、今は1時間に60件以上ある」と語っている。ロシアのプーチン大統領による核の脅威が、シェルターへの関心を高めている。
ディ・ヴェルト紙は、特に、ベルリンの壁が崩壊して以来、多くの地下シェルターが放棄されるようになっていたことも関連すると書いている。...
全部読む
仏
『レゼコー』は、第二次世界大戦の終結から77年、ドイツに爆弾が落ちるという恐怖が再びやってきた、と伝えている。個人向けにシェルターを販売しているBSSD社のマーケティング担当者は、ドイツの日刊紙ディ・ヴェルトの取材に対して「以前は1日に10件の電話があったが、今は1時間に60件以上ある」と語っている。ロシアのプーチン大統領による核の脅威が、シェルターへの関心を高めている。
ディ・ヴェルト紙は、特に、ベルリンの壁が崩壊して以来、多くの地下シェルターが放棄されるようになっていたことも関連すると書いている。現在ドイツは、シェルターやサイレン、食料の備蓄が不足していると、フランクフルター・アルゲマイネ紙が伝えている。ナンシー・フェーザー内務大臣は、ドイツ連邦政府が保護シェルターなどへの投資を増やすことを検討していると発表した。
そのような装置を待つ間、BSSD社は家の外に設置するシェルターや、さまざまな脅威に対する地下シェルターを購入することを提案している。ディ・ヴェルト紙は、爆弾からの保護施設に「大金はいらない」と伝えている。家の地下室に作る最小の核シェルターは3万5千ユーロ(約475万円)かかり、化学・生物兵器による攻撃から保護される。顧客は会社役員や熟練工などが多く、ウクライナ戦争が始まってからは、子供や祖父母を守りたいと思う女性たちからの注文が多くなっているという。
一方、裏庭に地下シェルターを作りたい場合、9.6㎡の最小モデルで約5万ユーロ(約680万円)、90㎡のモデルで30万ユーロ(約4千77万円)以上かかる。設置費用や掘削費用にも数千ユーロが必要になる。さらにシェルターは建設許可を取得しなければならない。ただし個人が購入する場合は、公共インフラの不足を補うためにドイツ税務当局が提供する税額控除を利用することができる。
最新技術を取り上げる仏ニュースサイト『ジュルナール・ドュ・ジーク』によると、地下核シェルターの世界チャンピオンはスイスだという。数年前までは、すべての新築住宅に専用の核シェルターを建設することが法律で義務付けられていた。法規制は緩和されたものの、現在では国内におけるシェルターのインフラは充実している。有事の際には、すでに30万から40万個の民間シェルターが用意されている。これは、800万人以上、つまりスイスの人口の100%以上を守るのに十分となっている。仏『BFMTV』によると、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーも人口保護率が70%を超えている。
しかし、フランスは、万が一の場合のシェルターが非常に不足している。2017年にフランスの経済月刊誌「キャピタル」に掲載された記事によると、当時、国内には約1000の核シェルターがあり、この数字はその後もあまり変わっていない。 このうち600は軍のシェルターである。また、民間の核シェルターも300から400箇所あると言われているが、これでは保護率は0%に近い。
『ジュルナール・ドュ・ジーク』は、フランスは原子力大国であり、2020年には56基の原子炉が稼動していることを考えると驚きであると伝えている。フランスは原子炉の保有数としては、世界第2位であり、トップはアメリカの93基、そのすぐ後ろに中国の54基の中国がいる。
フランスでシェルターを建設してきた総合建設会社アメシス社によると、現在、個人客からの注文が急増しており、3月上旬だけで「15件ほどの注文を受けた」と説明している。最も売れているモデルは、7万9千ユーロ(約1千万円)の「換気システム、2段ベッド、トイレ付きの14m²のシェルター」だという。現在、戦争の影響を受けておらず、材料の供給は間に合っており、平均2から3カ月で完成させることができるという。
『BFMTV』によると、シェルターを注文する客は定年退職している人、医者、軍人、外交官や閣僚など様々だという。ただし、購入客は「避難所に隠れる必要が出た際、隣人や通行人が大量に押し寄せることを恐れている」ため、シェルター業界は「すべてが秘密裏に行われる」ことが多く、誰がどこにシェルターを作っているのかは機密情報だという。
閉じる
リトアニア、中・東欧経済協力「17+1」から離脱を表明(2021/05/24)
リトアニア政府は、2012年にバルト諸国が参加した中国の「17+1」の経済協力の枠組みから離脱することを表明した。
印
『ヒンドゥスタン・タイムズ』によると、人口280万人に満たない小国リトアニアは22日、中国が主導する中・東欧諸国「17+1」の枠組みは「分断をもたらす」として離脱することを発表した。同国は、他の国々にも中国が2012年に設立したこの枠組みから離脱するよう促した。
リトアニアのランズベルギス外相は22日、リトアニアはもはや自らを「17+1」の経済協力フォーラムの「メンバーとは考えておらず、このイニシアチブには参加しない」と語った。...
全部読む
印
『ヒンドゥスタン・タイムズ』によると、人口280万人に満たない小国リトアニアは22日、中国が主導する中・東欧諸国「17+1」の枠組みは「分断をもたらす」として離脱することを発表した。同国は、他の国々にも中国が2012年に設立したこの枠組みから離脱するよう促した。
リトアニアのランズベルギス外相は22日、リトアニアはもはや自らを「17+1」の経済協力フォーラムの「メンバーとは考えておらず、このイニシアチブには参加しない」と語った。外相はまた、この中国との経済協力は欧州連合(EU)に「分断をもたらし」、EU加盟国に対し、はるかに効果的な「27+1」による中国への対応及び交渉を求めていくように促し、「欧州の強さと影響力はその結束にある」と強調した。
『ヒンドゥスタン・タイムズ』は、この発表は、以前から計画されていたものだと伝えている。リトアニアは、この地域の他のいくつかの国と同様に、以前から中国への疑念を深めていたという。バルト三国は2019年に初めて、中国のスパイ活動が自国の安全保障に対する脅威であると認識したためだ。
「バルティック・タイムズ」が2019年に出した記事によると、国防省傘下の国家安全局と第二調査局は「国家脅威評価2019」の報告書で、中国の経済的・政治的野心がリトアニアをはじめとするNATOやEU諸国に対し高まるにつれ、中国の諜報機関や治安機関の活動がますます積極的になっていると述べていた。
報告書はさらに、中国情報機関が資金提供する中国への旅行は、リトアニア市民の勧誘に利用されていると指摘し、「中国の情報機関は、意思決定者や中国に同調し、政治的影響力を行使できる人物など、ふさわしいターゲットを探している。贈り物をしたり、中国への旅行費用を支払ったり、中国で開催されるトレーニングやコースの費用を負担したりすることで、そのような個人に影響を与えようとしている」と述べていた。
米『エポックタイムズ』も、リトアニアが中国との経済協力から抜けることを決めたのは、予想外のことではないと伝えている。「17+1」構想は、参加国が金融、健康、貿易、技術など多くの分野で中国と協力することを求めるものであるが、ランズベルギス外相は3月に、ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」に対し、「17+1」の経済協力は、相互利益をもたらすものではなかった、特に投資については自国の期待が裏切られたと語っていた。また、「この枠組みは、EU内に分断をもたらし、中国からの多大な政治的圧力が伴っていた」として、参加したことは利益をもたらさなかったと述べた。
香港『サウスチャイナモーニング・ポスト』は、リトアニアの動きは、中国とEUの関係が悪化していることを示していると伝えている。欧州議会は12日、欧州議会議員や学者に対する中国の制裁措置がある限り、EUと中国の投資協定の検討を一切拒否することを圧倒的多数で決議した。
またここ数カ月、リトアニアは中国からの投資を阻止し、台湾に貿易事務所を開設すると発表するなど、中国政府の反発を買うような措置をとってきた。リトアニア議会は12日、中国の少数民族ウイグル人に対する扱いを「人道に対する罪」および「ジェノサイド」と非難する決議も採択した。また、中国のウイグル人収容所を国連が調査することや、欧州委員会に中国との関係を見直すことを求めている。
閉じる
その他の最新記事