ロシア:セロ奏者セルゲイ・ロルドージンがプーチン資産の金庫番を務める(2023/04/02)
3月31日付け
『フランス24 TVチャンネル』は、スイスの裁判所が3月30日木曜日、4人のロシア人銀行員を検証無しで、セロ奏者に数千万ユーロの現金を口座に預金させた容疑で有罪判決したことを伝えている。一介の著名なセロ奏者が扱う預金金額としては、あまりにも巨額であった。
なお、このセロ奏者は、以前からプーチン大統領と親しい間柄にあるとして、当局からは大統領の資産の金庫番ではないかと疑われていた経緯がある。
陪審員の評決は、ありふれたものであった。3月30日のチューリッヒの裁判所の一審では、4人のロシア人銀行員が、ロシアのセロ奏者が2014年と2016年に2つの口座に預金する際に、資金元に関して充分な検証を行わなかった罪状に関して立件した。
4人のロシア人銀行員に対して、裁判で宣告された罪状は比較的軽く、投獄は免れ、今後2年間に罪を犯さなければ、罰金を払う義務のみが科される。...
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なお、このセロ奏者は、以前からプーチン大統領と親しい間柄にあるとして、当局からは大統領の資産の金庫番ではないかと疑われていた経緯がある。
陪審員の評決は、ありふれたものであった。3月30日のチューリッヒの裁判所の一審では、4人のロシア人銀行員が、ロシアのセロ奏者が2014年と2016年に2つの口座に預金する際に、資金元に関して充分な検証を行わなかった罪状に関して立件した。
4人のロシア人銀行員に対して、裁判で宣告された罪状は比較的軽く、投獄は免れ、今後2年間に罪を犯さなければ、罰金を払う義務のみが科される。
しかし、『南ドイツ新聞』が論説しているように、今回の裁判での評決は、スイスの銀行にとって痛いところを突かれている。すなわち、スイスは国として、ロシアの富裕層の資金元が不明な金を預金できる評判に値しないのかが問われていることになる。
さらには、プーチン大統領の資産額 (これに関しては不明となっている。) に関する憶測がこの裁判を契機に行われている。
セルゲイ・ロルドージンは4500万ユーロ(=約63億円)をスイスの2つの口座に何食わぬ顔で預けたという。彼は、プーチン大統領直属のセロ奏者と言われており、英国の『ガーデイアン紙』によれば、プーチン氏の最も親しい友人と言われている。なお、2人の交友関係は、40年前の兵役を務めていた時期に遡るという。
なお、2016年にパナマで弁護士事務所が、脱税した資産家をリストアップした‘パナマ・ファイル’の事件が発覚して以来、セルゲイ・ロルドージンは、プーチン大統領の資産隠しの作業に専念するようになったという。
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パナマ文書調査、22カ国で12億ドル超の罰金・税金などを徴収(2019/04/05)
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は3日、タックスヘイブン(租税回避地)での取引に関する2016年の「パナマ文書」の報道以降、世界22カ国の政府がこれまでに徴収した罰金や滞納税は、計12億ドル(約1340億円)超に上るとの調査結果を発表した。
『AFP通信』などが伝えたところによれば、事件が明るみに出てから3年を迎えるに当たり、各国の記者がそれぞれ可能な範囲で自国政府の徴収額を調査し、ICIJが米ドルに換算して結果を集計し、ウェブサイトに公表した。
これによると、各国の徴収額は、英国が約2億5300万ドル、スペイン約1億6400万ドル、フランス約1億3600万ドル、オーストラリア約9300万ドル、コロンビア約8900万ドルなどとなっており、合計額は12億ドルを超えた。...
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『AFP通信』などが伝えたところによれば、事件が明るみに出てから3年を迎えるに当たり、各国の記者がそれぞれ可能な範囲で自国政府の徴収額を調査し、ICIJが米ドルに換算して結果を集計し、ウェブサイトに公表した。
これによると、各国の徴収額は、英国が約2億5300万ドル、スペイン約1億6400万ドル、フランス約1億3600万ドル、オーストラリア約9300万ドル、コロンビア約8900万ドルなどとなっており、合計額は12億ドルを超えた。既に徴収額が公表されている国もあるが、今回メディアがICIJに取材した金額を初めて報告した国もある。日本の国税当局は徴収額を明らかにしていない。
ドイツ紙「南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)」は、ドイツ政府が税務調査によって、1億8300万ドルを徴収したと報じた。同紙は2015年夏、オフショア金融センターでの会社設立支援などを行うパナマのモサック・フォンセカ法律事務所から流失した、1,150万ファイルにも上る大量の租税回避行為に関する機密文書を入手した。
その後、米首都ワシントンにあるICIJも同じ文書を入手し、これに基づき大規模な調査が行われ、2016年4月3日に分析結果が発表された。100社超のメディアが調査に参加し、政治家、サッカー界のスター選手、大富豪ら140人がタックス・ヘイブンに口座を持っていることが判明。各国の税務当局は、先を争ってこの大規模で組織的な税逃れの仕組みに対応し、罰金や滞納税などの税金を次々に徴収した。
ICIJは、「隠された資産から徴収された金は、重要な行政サービスの資金として活用されるが、パナマ文書の不朽の遺産と言えるのは、人々の行動や態度への影響という思いが広がっていることだ。」と指摘した。パナマ文書に記述された租税回避手法は合法のものも多いが、事件発覚以降は世間の見る目が変わり、厳しい非難が向けられているという。
違法行為に関わった政治家や弁護士、会計士らの関係者に対しては、米国、ブルガリア、エクアドルなどの国々で、資金洗浄、詐欺ほかの容疑により、逮捕や裁判などの刑事手続が進められている。
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