ドイツ当局は6日、全国境での検問を開始した。ドイツへの入国を禁止され、強制退去させられた者が、再度開かれた国境を越えて入国し、難民申請をするといった不法入国の取り締まりを強化することが狙いだが、欧州連合(EU)の基本理念の1つである「移動の自由」が損なわれる恐れがあるとの懸念も出ている。
ドイツ紙ビルトの報道を受けて、中国の
『新華社通信』やアフリカのメディアなどが報じている。ドイツ警察は6日から、地方の幹線道路などに検問所を設けるなどして、全国境上に検問を拡大することとした。
EU域内で国境検査なしに各国間の移動の自由を認める「シェンゲン協定」に参加する各国間では、通常検問は行われていない。今回、ドイツが全国境での検問実施という強硬策を取った背景には、アラブ系の大規模な犯罪組織を率いる男が、今夏レバノンに強制送還された後、密入国業者の助けを借りてドイツに再び入国し、難民申請をしていた事実が判明したことがある。...
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ドイツ紙ビルトの報道を受けて、中国の
『新華社通信』やアフリカのメディアなどが報じている。ドイツ警察は6日から、地方の幹線道路などに検問所を設けるなどして、全国境上に検問を拡大することとした。
EU域内で国境検査なしに各国間の移動の自由を認める「シェンゲン協定」に参加する各国間では、通常検問は行われていない。今回、ドイツが全国境での検問実施という強硬策を取った背景には、アラブ系の大規模な犯罪組織を率いる男が、今夏レバノンに強制送還された後、密入国業者の助けを借りてドイツに再び入国し、難民申請をしていた事実が判明したことがある。
ドイツ連邦政府のホルスト・ゼーホーファー内相は、違法入国や難民申請制度の濫用に対し、より強力な措置を講じる方針を示している。同内相は、「法の支配がここで有効でなければ、人々は我が国の難民制度全体を信用しなくなる。」と語り、理解を求めた。
警察による任意の取り調べも強化され、入国を禁止されているにも関わらず国境を越えようとする者は、誰でも即刻入国を拒否される。入国を禁止されていながら難民申請をした者は、刑務所に移送されるか、ドイツから強制退去されるまで身柄を拘束される。
ドイツの法律によれば、当局は任意の取り調べの範囲内で、特別な理由なく、いかなる者も呼び止め、所持品検査や身元確認などを行うことができる。ドイツへの不法入国には、最高3年の禁錮刑が科される。
ドイツの政治家らの間には、ゼーホーファー内相の国境管理強化の方針への批判が強まっている。社会民主党(SPD)内には、欧州全体の「開かれた国境」による「移動の自由」の概念を「偉大な財産と成果」であると評価し、EU加盟各国と協調し、いかなる国境管理も一方的に決定しないよう求める声が出ている。緑の党でも、シェンゲン協定参加国間での国境管理強化は「危険な反欧州の合図」であり、独警察に能力の限界を超えた任務を強いるものとの指摘がある。
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最初の3人の死を捜査している警察によると、ホテルの部屋で被害者ふたりの遺書が見つかっており、争った跡や他の誰かが関わった形跡はないという。
土曜日に3遺体がバイエルン地方の都市パッサウのホテルで発見され、ついで月曜日に女性ふたりの遺体が遠く離れたヴィッティンゲンで発見された。この不気味な事件はドイツ中を震撼させている。発行部数の多い日刊紙ビルトによると、被害者たちは、騎士や槍試合、武器そして錬金術など中世への偏愛を共通して持っていたという。...
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最初の3人の死を捜査している警察によると、ホテルの部屋で被害者ふたりの遺書が見つかっており、争った跡や他の誰かが関わった形跡はないという。
土曜日に3遺体がバイエルン地方の都市パッサウのホテルで発見され、ついで月曜日に女性ふたりの遺体が遠く離れたヴィッティンゲンで発見された。この不気味な事件はドイツ中を震撼させている。発行部数の多い日刊紙ビルトによると、被害者たちは、騎士や槍試合、武器そして錬金術など中世への偏愛を共通して持っていたという。
検視報告書によると、パッサウのホテルのふたりの被害者は、ひとりは男性のトルステン・W氏(53)、もうひとりは女性のケルスティン・E氏(33)で、ダブルベッドに寝て、手を取り合った状態で発見された。彼らは、頭と胸をクロスボウで射られ殺されており、死後硬直が見られた。
このラインラント・プファルツ州からきたカップルの遺書も部屋で見つかったと警察が述べた。ほかの女性は30歳のファリーナ・C氏で床に横たわっており、首をクロスボウの矢で射られていた。すでに報じられたように、胸は射られていない。
地方検事局は事件を嘱託殺人と自殺として扱うといい、ファリーナ・C氏がカップルを射った後、自分自身を射ったと見られると語った。
―中世への偏愛―
3人は、オーストリア国境に近い川岸のホテル「ツア・トリフトシュペレ」に、雨の金曜日の夜にチャックインした。
ファリーナ・C氏が先に300ユーロ(約3万7千円)を朝食抜きの3泊分代金として支払い、3人は部屋に入ったという。ふたりの女性は黒い服を着ていたとメディアが報じた。
3人は荷物を持っておらず、後で車からクロスボウのバッグを取ってきた。
ビルト紙によると、トルステン・W氏は過去5か月の間「ミリウス・コンドゥクティウス」という店を経営しており、中世様式の剣、斧、ナイフ、旗や衣装そして蜂蜜と水で作ったミードというアルコール飲料などを販売していた。
彼の腕に施された刺青には、中世の錬金術師と自然哲学者のシンボルが彫られていた。ラインラント・プファルツ州の店はまた、夜に、剣での戦いを練習する場所も提供していたとビルト紙は報じた。
またビルト紙の写真には、サスペンダーを着け、ロープと鎖に繋がれ、赤いペンキが塗られ、頭に包帯を巻いた奇妙な女性のマネキンが置かれているところが写し出されていた。
ファリーナ・C氏はパン屋の販売主任で、「中世の共同体、そして大道芸人と騎士トーナメントに沸く中世の市場の喧騒に情熱を燃やしていた」とミュンヘナー・メルクーア紙が報じた。
月曜日、警察は650キロメートル離れたニーダーザクセン州ヴィッティンゲンにあるファリーナ・C氏のアパートを捜索し、新たに女性ふたりの遺体を発見した。
ひとりは35歳の小学校教師で、ファリーナ・C氏のパートナーであった。もうひとりは19歳でこのアパートで暮らしていたと火曜日、警察が語った。
警察によると、ヴィッティンゲンの事件現場である木材で縁取られた家では、クロスボウや矢は見つかっておらず、暴行や争った跡などもなかったという。「初動の所見では、死亡時期は2,3日前と見られる」と警察は語った。
ドイツの法律では、火器は厳しく制限されているが、アーチェリーの道具はスポーツ用として自由に入手でき、18歳以上なら誰でも強力なクロスボウを購入できる。
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