今月ロシアで産油国会議開催へ(2016/03/10)
2月にサウジアラビア、ロシア、ベネズエラ、カタールの4ヶ国で原油の増産凍結へ向けて他の産油国を含めた合意を図るという話し合いが行われて以来、これを原油価格安定化へ向けての第一歩と評価する意見と、現在の需給ギャップを考慮すれば増産凍結では意味がなく減産まで行かなければならないしそこまではなかなか難しいだろうという否定的な意見とが交錯しているが、原油相場は、この動きだけを反映したものではないだろうが、ニューヨーク原油先物WTI(ウェストテキサスインターミディエイト)が、2月半ば1バレル26ドルを底に38ドル前後まで持ち直している。
今週いくつかのメディアが3月下旬ロシアで増産凍結についての産油国会議を開催する予定であると報じた。
3月9日付ロシアの
『スプートニクインターナショナル』は、「OPECと他の産油国、モスクワで会議へ-イラク石油省」という見出しで、9日イラク石油次官が、OPECとその他の産油国間の会議を3月20日モスクワで開催する予定であると語ったと報じた。同次官はイラクは増産凍結の建設的な議論をする準備が出来ていると語ったとも報じている。
3月8日付
『スプートニクインターナショナル』は、「サウジの作戦成功か?石油危機収束の5つの兆候」という見出しで、サウジのシェールオイルなどの高コスト生産者を淘汰するという作戦が上手く行き原油価格は下げ止まったのではないかという5つの兆候を挙げている。...
全部読む
3月9日付ロシアの
『スプートニクインターナショナル』は、「OPECと他の産油国、モスクワで会議へ-イラク石油省」という見出しで、9日イラク石油次官が、OPECとその他の産油国間の会議を3月20日モスクワで開催する予定であると語ったと報じた。同次官はイラクは増産凍結の建設的な議論をする準備が出来ていると語ったとも報じている。
3月8日付
『スプートニクインターナショナル』は、「サウジの作戦成功か?石油危機収束の5つの兆候」という見出しで、サウジのシェールオイルなどの高コスト生産者を淘汰するという作戦が上手く行き原油価格は下げ止まったのではないかという5つの兆候を挙げている。①ロシア、メキシコなど非OPECの影響力が増加している②米国シェールオイル業者が減産している③中国経済への懸念が和らいでいる④イランの増産は直ぐには大きく増えない見込み⑤過剰な米国の在庫が欧州への輸出に向けられつつあり解消している。
3月8日付トルコの
『デイリーサバー』は、「ロシア凍結合意の産油国会議主催へ」という見出しで、ロシアのインターファックス通信が7日伝えたところでは、ロシアエネルギー相が3月下旬にサンクトペテルブルグで産油国会議を開催する予定であると発表したと報じた。
3月8日付
『ロイター通信』は、「ナイジェリア、3月下旬ロシアで産油国会議開催を希望」という見出しで、ナイジェリア石油相が8日増産凍結の産油国会議開催を希望していると報じた。ナイジェリアは原油価格下落による外貨収入減少で最も苦労している国の一つ。
3月9日付
『ボイスオブアメリカ』は、「中南米産油国、原油価格引き上げで協調へ」という見出しで、エクアドルの石油相が、11日同国のキトーでベネズエラ、メキシコ、コロンビア、エクアドルの4ヶ国による会議を開催予定であるが、その会議では3月下旬ロシアで開催予定の増産凍結合意へ向けた産油国会議において、4ヶ国が協調して凍結を支持するよう話し合うと述べたと報じた。
閉じる
中国習近平主席の中東訪問(2016/01/20)
中国の習近平主席は1月19日にサウジアラビアを訪問しサルマン国王との会談と午餐会に臨んだ。中国主席のサウジアラビア訪問は2009年の胡錦濤主席の訪問以来7年ぶり。今回の中東訪問ではエジプトとイランも訪問する予定であり、イランへは経済制裁解除後初めての外国首脳の訪問となる。今回の中東訪問の目的は、①サウジアラビアは中国最大の原油輸入先であり約六分の一を占める他、イランからの輸入も合わせると約四分の一を占めることから、原油供給先との緊密な関係維持②最近のサウジアラビアとイランとの関係悪化に関し、両国に冷静な対応を要請し中東の安定化に寄与して存在感を示すこと③三ヶ国は中国が進めているアジア・欧州間の一帯一路経済圏構想の重要な核となる地域であり、最近設立されたアジアインフラ投資銀行を通じて3ヵ国のインフラプロジェクトの推進を図ること、の三つが考えられる。年初来やや混乱気味の内政はともかく、世界の政治経済において中国のプレゼンスを高めようとする習主席の外交政策は着々と進んでいるように見える。
1月19日付
『USニューズアンドワールドレポート』(AP通信引用)は、「中国主席、貿易拡大を目指す中東訪問でサウジアラビア到着」という見出しで習主席の2日間のサウジアラビア訪問を報じた。両国は経済協力、投資、開発に関する覚書に調印したほか、サルマン国王は習主席に同国の最高位の勲章を授与した。習主席は訪問前日にサウジアラビアの新聞
『アル・リヤド』に同国を中国の「兄弟国」と表現し両国関係の更なる発展を期待するという内容の記事を投稿した。...
全部読む
1月19日付
『USニューズアンドワールドレポート』(AP通信引用)は、「中国主席、貿易拡大を目指す中東訪問でサウジアラビア到着」という見出しで習主席の2日間のサウジアラビア訪問を報じた。両国は経済協力、投資、開発に関する覚書に調印したほか、サルマン国王は習主席に同国の最高位の勲章を授与した。習主席は訪問前日にサウジアラビアの新聞
『アル・リヤド』に同国を中国の「兄弟国」と表現し両国関係の更なる発展を期待するという内容の記事を投稿した。また、その記事の中で2008年の四川省地震の際サウジアラビアが最大の6千万ドルの支援を行ったことにも触れていると報じている。
1月19日付トルコの
『デイリーサバー』(ロイター通信引用)は、「習主席、中東の紛争国へ 中国、等距離を目指す」という見出しで習主席がサウジ、イラン両国を訪問するに当たり、中東において等距離を保つのが中国の方針であるという中国外務省の張明次官の発言を伝えた。同次官は「地域の問題について中国は常に等距離の姿勢を保ってきた。中東が安定しないと世界平和は望めない。安定なければ開発も進まない。中国は、その国の条件に合った開発路線を個々に進めるこの地域の国を強く支持する」とも発言した。
1月20日付台湾の
『タイペイタイムズ』は、「中国習主席、サウジアラビア到着」という見出しで、習主席の今回の中東訪問は世界で最も不安定な地域の一つである中東で中国の外交手腕を示したいという意図の現れであると伝えている。イランについては、欧米各国が経済制裁を行っていた間に中国は制裁に入らず関係を強めた。中国はイラン原油の4割を輸入していたし、イランにとって資本や技術の最大の提供国であった。制裁解除直後の訪問は、
中国の支配的な地位を守るために企図されたものというイラン問題の専門家の見方を伝えている。
1月19日付アゼルバイジャンの
『アゼルニューズ』は、「イラン、中国、原発建設を目指す」という見出しで、両国がイラン国内に2基の原子力発電所の建設を協議したというイランの原子力関係責任者の発言を伝えた。習主席はイラン訪問の際その協議を行う予定であるとも伝えている。
閉じる
その他の最新記事