露朝首脳会談:米朝関係に悪影響も(4月20日)
ロシア大統領府も正式に露朝首脳会談が4月下旬に行われると発表した。金正恩委員長への訪露の招待状は1年以上前に届けられており、なぜこの時期に露朝首脳会談が行われることになったのかに注目が集まっている。
2月末の米朝首脳会談の決裂が分岐点だったのではないか。中国社会科学院アジア太平洋とグローバル戦略研究院の王俊生研究員は、金正恩委員長は朝米関係を改善し、国際社会の対朝経済制裁を解除させようとの目的が実現しなかったので、次にロシアを訪問し、経済的な困難を解決するために、国際社会でロシアが北朝鮮を支持するようにしてもらいたいと望んでいるからではないかとしている。...
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ロシア大統領府も正式に露朝首脳会談が4月下旬に行われると発表した。金正恩委員長への訪露の招待状は1年以上前に届けられており、なぜこの時期に露朝首脳会談が行われることになったのかに注目が集まっている。
2月末の米朝首脳会談の決裂が分岐点だったのではないか。中国社会科学院アジア太平洋とグローバル戦略研究院の王俊生研究員は、金正恩委員長は朝米関係を改善し、国際社会の対朝経済制裁を解除させようとの目的が実現しなかったので、次にロシアを訪問し、経済的な困難を解決するために、国際社会でロシアが北朝鮮を支持するようにしてもらいたいと望んでいるからではないかとしている。ただし国連の経済制裁下で、露朝間で文化・スポーツ・芸術などの面での協力は行えるであろうが、貿易やインフラの建設などの面での協力は実現困難だろうと述べている。
一方ロシアが近年北東アジアとの外交活動を強化していることから、北朝鮮はロシアとアジアの経済協力のための架け橋になろうとしているのではないかとの見方もある。
吉林大学国際政治学科の王生教授は、北朝鮮とロシアが関係を強化し、北朝鮮の今後の経済発展に協力するならば、将来の朝米会談のカードにできるのではないかとみている。ただし王生教授は、現在米露関係は複雑であり、露朝関係が発展の仕方如何では、米朝関係にマイナスの影響を与えることもあり得るとしている。
露朝首脳会談は2011年8月に当時の金正日委員長とメドベージェフ大統領の間で行われて以来のことになる。
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焦る北朝鮮・成果が欲しいトランプ大統領(4月20日)
(金正恩委員長がプーチン大統領と首脳会談)
北朝鮮・金正恩委員長がプーチン大統領の招待でロシアを訪問し、24日から25日にかけてウラジオストクの極東連邦大学で首脳会談が開かれるもようだ。今回の金正恩委員長のロシア訪問は米国トランプ政権に対するけん制の一環であるとみられ、制裁の早期緩和や段階的非核化について、国連安保理の常任理事国として影響力を持つロシアの支持を取り付けたい思いがある。非核化交渉をめぐって2度目の米朝首脳会談が決裂したことは記憶に新しいが、金正恩委員長は段階的非核化や制裁緩和の要求を年末まで待つと期限を切った。...
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(金正恩委員長がプーチン大統領と首脳会談)
北朝鮮・金正恩委員長がプーチン大統領の招待でロシアを訪問し、24日から25日にかけてウラジオストクの極東連邦大学で首脳会談が開かれるもようだ。今回の金正恩委員長のロシア訪問は米国トランプ政権に対するけん制の一環であるとみられ、制裁の早期緩和や段階的非核化について、国連安保理の常任理事国として影響力を持つロシアの支持を取り付けたい思いがある。非核化交渉をめぐって2度目の米朝首脳会談が決裂したことは記憶に新しいが、金正恩委員長は段階的非核化や制裁緩和の要求を年末まで待つと期限を切った。これに対し米国は完全な非核化の意思を北朝鮮が示さない限りは対話に応じるつもりはないとしている。こうした姿勢を続ける米国に対して金正恩委員長はいらだっており、徐々に米国に対し牙をむきつつある。
(焦る北朝鮮・大統領選の成果が欲しいトランプ大統領)
これまでも北朝鮮は軍事パレードを行うのではないかとみられる動きや弾道ミサイルを装備した潜水艦を建造しているなどといった動きを見せている。こうした中、金正恩委員長は17日、国防科学院が実施した「新型戦術誘導兵器」の発射実験を軍幹部とともに視察した。この「新型戦術誘導兵器」という武器は射程数十キロ程度の低高度ミサイルとの見方が出ている。これを視察したことは米国を過度に刺激しない程度の低レベルの挑発と読み取ることもできる。北朝鮮としては対米交渉のステージそのものを壊すことになってしまうような、過度な刺激は避けたいと考えている。現段階では北朝鮮の米国批判はポンペオ国務長官レベルにとどまっており、ポンペオ国務長官を交渉から外すよう要求している。制裁の効果もそろそろ出てくる兆しもあり、北朝鮮は焦っているようにみえる。今は米国が北朝鮮の外堀を埋めている状態だが、時期をみてトランプ大統領は北朝鮮に譲歩させる形で米朝首脳会談に臨むのがベストシナリオと考えている。しばらく米朝の神経戦が続く。
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北朝鮮:ポンペオを交渉相手とせず(4月19日)
18日の朝鮮中央通信は、北朝鮮外務省高官が米国との核問題の交渉において、ポンペオ国務長官以外との交渉を希望すると発言した、と報じた。
報道では北朝鮮と意思疎通が円満に行える人物と交渉したいと望んでいるとして、北朝鮮が核兵器の開発をやめていないと考えるならば、「朝鮮半島の情勢は誰も予測できなくなるだろう」と述べたと伝えている。
ポンペオ国務長官を交渉相手とせず、ということは、金正恩委員長とともに、お互いに親密な相手だとしているトランプ大統領としか交渉しないということになろう。...
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18日の朝鮮中央通信は、北朝鮮外務省高官が米国との核問題の交渉において、ポンペオ国務長官以外との交渉を希望すると発言した、と報じた。
報道では北朝鮮と意思疎通が円満に行える人物と交渉したいと望んでいるとして、北朝鮮が核兵器の開発をやめていないと考えるならば、「朝鮮半島の情勢は誰も予測できなくなるだろう」と述べたと伝えている。
ポンペオ国務長官を交渉相手とせず、ということは、金正恩委員長とともに、お互いに親密な相手だとしているトランプ大統領としか交渉しないということになろう。北朝鮮は米国との交渉そのものは否定していない。
また18日朝の朝鮮中央通信の報道では、金正恩委員長が新型戦術誘導兵器の発射実験を見学したことを報じたが、米国はこれに対し、まだコメントを発表していない。トランプ大統領が「私以外では、北朝鮮の核実験やミサイル発射実験をやめさせられなかった」と語っていたこともあり、この新型の戦術誘導兵器について、どのようなものなのかを慎重に分析しているものと思われる。
北朝鮮はいつでも軍事路線に戻ることができるとのジェスチャーをみせつつ、ポンペオ国務長官を交渉相手にしないという強気発言をして、米国の出方を伺っているところではないか。
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北朝鮮・キム委員長・来週にもロシア訪問か(4月19日)
ロシアの大統領府や外交筋は、大統領府の担当者のほか北朝鮮の高官が今月に入って相次いでロシア極東のウラジオストクを訪れたことを明らかにした。
また、23日には北朝鮮国営のコリョ航空の臨時便がウラジオストクに向かうことがわかり、地元行政府の関係者によると要人の警護にあたる北朝鮮の当局者が先行して現地入りするものとみられる。
プーチン大統領は今月25日から北京で開催される国際会議に参加する予定でこれを前に金委員長が来週半ばにも初めてロシアを訪れて、ウラジオストクでプーチン大統領との首脳会談に臨むのではないかという見方が強まっている。...
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ロシアの大統領府や外交筋は、大統領府の担当者のほか北朝鮮の高官が今月に入って相次いでロシア極東のウラジオストクを訪れたことを明らかにした。
また、23日には北朝鮮国営のコリョ航空の臨時便がウラジオストクに向かうことがわかり、地元行政府の関係者によると要人の警護にあたる北朝鮮の当局者が先行して現地入りするものとみられる。
プーチン大統領は今月25日から北京で開催される国際会議に参加する予定でこれを前に金委員長が来週半ばにも初めてロシアを訪れて、ウラジオストクでプーチン大統領との首脳会談に臨むのではないかという見方が強まっている。
ことし2月にベトナムで行われた米朝首脳会談が物別れに終わる中、金委員長としては北朝鮮に対する制裁の緩和も検討するべきだと主張するプーチン大統領との関係を強化することで制裁解除に向けた自らの立場の正当性を訴えて米国をけん制する狙いがありそうだ。
一方、プーチン大統領としては非核化をめぐる協議でロシアの存在感を示す狙いがあるとみられる。
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菅長官「北朝鮮の行動・見極めたい」(4月19日)
北朝鮮の国営メディアはきのう、金正恩朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、新型の戦術誘導兵器の発射実験を行なったと伝えた。
詳しいことは明らかにしていないが、長距離弾道ミサイルではない通常兵器と見られる。
これについて菅官房長官は記者会見で、事柄の性質上、具体的な情報の内容や我が国の対応を答えることは控えたい。
北朝鮮が今後、核・ミサイルの放棄に向けて具体的にどのような行動を取るのかしっかりと見極めていきたいと述べた。
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