金正恩の専用列車、ロシアに到着(4月24日)
24日の早朝4時56分に金正恩委員長を載せた専用列車はロシアのハサン駅に到着した。金正恩委員長は列車から降りて、歓迎式典に臨み、「金日成の家」を訪問した。「金日成の家」は金日成主席の訪露を前に両国の友好を祈念して1986年に建てられたもの。列車はこの後、ウスリースクを経由してウラジオストックに向かった。金正恩委員長はこの訪問が最後のものにはならないとして、今後もロシアとの関係強化を図る意欲を見せた。...
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24日の早朝4時56分に金正恩委員長を載せた専用列車はロシアのハサン駅に到着した。金正恩委員長は列車から降りて、歓迎式典に臨み、「金日成の家」を訪問した。「金日成の家」は金日成主席の訪露を前に両国の友好を祈念して1986年に建てられたもの。列車はこの後、ウスリースクを経由してウラジオストックに向かった。金正恩委員長はこの訪問が最後のものにはならないとして、今後もロシアとの関係強化を図る意欲を見せた。
金正恩委員長は25日には極東連邦大学で、プーチン大統領と会談し、午後には父親である金正日総書記の足跡をたどって、当地の工場や景勝地を訪問するとみられる。この会談によってロシアの朝鮮半島問題に対する影響力が強まるのか外交注目される。また露朝首脳会談によって、六者会合の参加国で、金正恩委員長と会談していないのは、日本だけになる。
露朝首脳会談が行われるのは、2011年8月に当時の金正日総書記とメドジェーエフ大統領が会談して以来。金正日総書記がウラジオストックを訪問したのは2002年で、当時のプーチン大統領と会談した。
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ロシア大統領・北朝鮮に6か国協議再開・提案へ(4月24日)
ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による、初の首脳会談があすロシア極東のウラジオストクで行われる予定である。
北朝鮮の国営メディアは金委員長がきょう未明、専用列車でロシアに向けて出発したと伝えた。首脳会談では朝鮮半島の非核化をはじめ2国間の経済協力など幅広いテーマで話し合われる見通しだ。
このうち非核化について、ロシア政府の高官は北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について金委員長に再開を提案する方向で調整していることを明らかにした。...
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ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による、初の首脳会談があすロシア極東のウラジオストクで行われる予定である。
北朝鮮の国営メディアは金委員長がきょう未明、専用列車でロシアに向けて出発したと伝えた。首脳会談では朝鮮半島の非核化をはじめ2国間の経済協力など幅広いテーマで話し合われる見通しだ。
このうち非核化について、ロシア政府の高官は北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について金委員長に再開を提案する方向で調整していることを明らかにした。
すでに、米国や中国にも伝えているという。6カ国協議は、中国を議長国に米国と北朝鮮、日本、韓国とロシアの6か国が参加して、2003年から断続的に行われてきたが、米朝両国の対立が激しくなり、2008年12月を最後に途絶えたままだ。
プーチン大統領は、北朝鮮の非核化に向けて、これまでも6カ国協議の枠組みで話し合うべきだと主張していて、金委員長との首脳会談で協議の再開を提案することで非核化の議論でロシアの関与を強めたい狙いがあるとみられる。
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北朝鮮も金正恩の訪露を報道(4月23日)
23日の朝鮮中央通信は、金正恩委員長が、ロシアのプーチン大統領の招待により、ロシアを訪問し、プーチン大統領と会談すると報じた。
18日にはロシア大統領府が、金正恩委員長の訪露について発表していた。これより前ロシアメディアは、4月末にウラジオストックで露朝首脳会談が行われる見通しだと報じていた。
2018年5月31日にロシアのラブロフ外相が訪朝した際に、プーチン大統領の親書を渡し、金正恩委員長のロシアへ招待していた。...
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23日の朝鮮中央通信は、金正恩委員長が、ロシアのプーチン大統領の招待により、ロシアを訪問し、プーチン大統領と会談すると報じた。
18日にはロシア大統領府が、金正恩委員長の訪露について発表していた。これより前ロシアメディアは、4月末にウラジオストックで露朝首脳会談が行われる見通しだと報じていた。
2018年5月31日にロシアのラブロフ外相が訪朝した際に、プーチン大統領の親書を渡し、金正恩委員長のロシアへ招待していた。プーチン大統領は金正恩委員長の都合のよい時期での訪問を待っているとしていた。
なんとしてもロシアからの経済支援が欲しい北朝鮮であるが、現在の経済制裁下では、ロシアといえども食糧支援などにとどまり、大規模支援は行えないのではないか。また1980年代までの中ソ対立の時代には、北朝鮮は中ソの間のバランス外交につとめていたが、現在は経済面では中国に大きく依存しているため、北朝鮮としては経済面でのロシアの依存度をもう少し高めたいところであろう。また外交面では米中露のトライアングルを利用して、北朝鮮に有利になれるように立ち回れるかが、焦点になってくる。
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北朝鮮外務次官、ボルトンを非難(4月22日)
米国のボルトン大統領補佐官が、ブルームバーグ社のインタビューで、金正恩委員長に非核化の意思があることが証明されなければ、3回目の米朝首脳会談を行うことはできない、と述べたことに対し、北朝鮮の崔善姫外務次官は痛烈な非難の言葉を投げつけた。
朝鮮中央通信社は、20日崔善姫外務次官が、ボルトン発言に対し、「ボルトンは朝米首脳会談の意図も理解しておらず、ユーモアだと考えていったのかもしれないがうまくいかず、私には何らの意義も感じられなかった。...
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米国のボルトン大統領補佐官が、ブルームバーグ社のインタビューで、金正恩委員長に非核化の意思があることが証明されなければ、3回目の米朝首脳会談を行うことはできない、と述べたことに対し、北朝鮮の崔善姫外務次官は痛烈な非難の言葉を投げつけた。
朝鮮中央通信社は、20日崔善姫外務次官が、ボルトン発言に対し、「ボルトンは朝米首脳会談の意図も理解しておらず、ユーモアだと考えていったのかもしれないがうまくいかず、私には何らの意義も感じられなかった。米国人的な機微も感じられず、ロジックもなく、愚鈍に思える」とさえ述べた、と報じた。
ハノイでの米朝首脳会談に参加したもう一人の高官であるポンペオ国務長官に対しては、北朝鮮の権正根米国事務局長が批判し、交渉相手の交代を要求していた。これに対しポンペオ国務長官は19日に、「米国は依然として外交努力を行い、北朝鮮の非核化を目指す。トランプ大統領が全体を見て、我々のチームが具体的な執行を行う」と述べていた。
トランプ大統領側近に対するこれらの北朝鮮側の発言は、ハノイ会談は米国の頑迷さによって決裂に陥ったという北朝鮮の思いの表れであろうが、トランプ大統領本人への批判を避けていることから、米国とのチャネルは閉ざしていないことになる。また一連の発言は北朝鮮が、トランプ大統領とポンペオ・ボルトン氏との離間を図っているのではないかとの見方もある。
ただし北朝鮮が新型の戦術誘導兵器の実験を行ったことに対し、米国議会が追加の経済制裁を求める動きも見せていることもあり、3回目の米朝首脳会談の行方はわからない。
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北朝鮮のエリート層生活苦に、露朝貿易に活路見出せるか(4月21日)
18日の米国の「ニューヨーク・タイムス」は、国連の経済制裁によって、国家から俸給を得ていて、北朝鮮の全体主義を支えているエリート層、即ち党幹部や兵隊、警察官などが困窮している、と報じている。
初期の国連制裁は大量破壊兵器の開発をさせないための制裁であったが、2016年以降の制裁は、石炭や鉄鉱石などの鉱産物や水産品、衣類の輸出禁止や労働者派遣、外資との合弁企業の設立の禁止など、北朝鮮が外貨を獲得できなくさせる制裁となっている。...
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18日の米国の「ニューヨーク・タイムス」は、国連の経済制裁によって、国家から俸給を得ていて、北朝鮮の全体主義を支えているエリート層、即ち党幹部や兵隊、警察官などが困窮している、と報じている。
初期の国連制裁は大量破壊兵器の開発をさせないための制裁であったが、2016年以降の制裁は、石炭や鉄鉱石などの鉱産物や水産品、衣類の輸出禁止や労働者派遣、外資との合弁企業の設立の禁止など、北朝鮮が外貨を獲得できなくさせる制裁となっている。このため国家から俸給を得ている人口の2~3割にあたる人々の生活が困窮しているというのである。
北朝鮮の輸出を制限されている産品の輸出先の9割は中国であった。中国(少なくとも中央政府)は真剣に国連制裁を履行している状況のなかで、北朝鮮が活路を見出そうとしているのはロシアなのだろう。間もなく行われる露朝首脳会談も、経済的な問題が非核化の問題よりも重要な議題になっているものと思われる。北朝鮮にしてみれば、米中貿易戦争のなかで、中国は「米国に言いがかりをつけられたくないから、北朝鮮に甘い顔をできない」と考えているように映る。
ただし現状ではロシアは中国のかわりにはなれない。少なくてもロシアに輸出でき、外貨を獲得できれば「まし」という程度である。2017年の露朝貿易額は7784万㌦に過ぎず、中朝貿易額の49億㌦には遠く及ばない。2018年の中朝貿易は制裁で大幅減といっても24億㌦であり、ピーク時の2013年は65億㌦であった。2020年に露朝貿易を20億㌦にすることを目指しているとされるが、かなり難しい。
また現在米露間では、米国でのロシア疑惑やINF条約をめぐって、複雑な情勢にあるが、米露関係がうまくいけば、ロシアの関心が北朝鮮から離れる可能性も高い。
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