ロシア軍・マリウポリ掌握へ圧力強化
ロシア軍は東部の要衝マリウポリの掌握に向けてウクライナ軍に事実上の降伏を迫るなど圧力を強めている。ウクライナ側は徹底抗戦する構えで、停戦の見通しは立っていない。
北部チェルニヒウでも被害が拡大。ウクライナのニュースによると病院、協会などの建物が次々と破壊された。町では残された市民が停電の中、寒さと闘い、食料もなく避難生活に耐え続けている。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領はロシア・プーチン大統領との対話を実現させたうえで交渉の妥協点を見出したい考えを示している。...
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ロシア軍は東部の要衝マリウポリの掌握に向けてウクライナ軍に事実上の降伏を迫るなど圧力を強めている。ウクライナ側は徹底抗戦する構えで、停戦の見通しは立っていない。
北部チェルニヒウでも被害が拡大。ウクライナのニュースによると病院、協会などの建物が次々と破壊された。町では残された市民が停電の中、寒さと闘い、食料もなく避難生活に耐え続けている。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領はロシア・プーチン大統領との対話を実現させたうえで交渉の妥協点を見出したい考えを示している。ロシア側は時期尚早だとしていて、隔たりは依然埋まっていない。
ゼレンスキー大統領は22日、イタリア議会でオンライン形式の演説。ウクライナの惨状を訴えたうえで結束してロシアに対する圧力をいっそう強めるよう求めた。
首都キエフでも攻撃が続いている。20日夜、ショッピングセンターが破壊された。病院では乳幼児たちが命の危険にさらされている。
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ウクライナ戦争からの教訓(3月22日)
ロシアによるウクライナ侵略という悲劇を目の前にして人間世界の「業」と言えばいいのか、「宿命」と言えばいいのか、最も嫌な側面を毎日のように見せつけられている思いである。
テレビに映し出されるウクライナへの鮮烈な空爆映像は、ピカソの戦争絵画「ゲルニカ」を思い起させるものである。「ゲルニカ」は1937年、スペイン内戦時にスペインの独裁者・フランコ将軍がゲルニカ地方への無差別爆撃をテーマにピカソが描いた有名な絵画だが、それから85年も経つにも関わらず、われわれは未だに同じような光景を毎日のように目にしている。...
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ロシアによるウクライナ侵略という悲劇を目の前にして人間世界の「業」と言えばいいのか、「宿命」と言えばいいのか、最も嫌な側面を毎日のように見せつけられている思いである。
テレビに映し出されるウクライナへの鮮烈な空爆映像は、ピカソの戦争絵画「ゲルニカ」を思い起させるものである。「ゲルニカ」は1937年、スペイン内戦時にスペインの独裁者・フランコ将軍がゲルニカ地方への無差別爆撃をテーマにピカソが描いた有名な絵画だが、それから85年も経つにも関わらず、われわれは未だに同じような光景を毎日のように目にしている。
21世紀になってもイラクやアフガニスタン、クリミアなどで、こうした戦禍を度々見てきたが、よく考えればこれが人間社会の冷酷な現実であり、ウクライナの問題が終わってもこうした「怨念」のようなものは、世界中に渦巻いており、こうした悲劇がこれからも予期しないところで起き続けていくのだろう。
我々、日本人はどうすればこうした悲劇に巻き込まれずにこの現実をどう生き抜いていくのかを真剣に考える時が来ていることは確かである。
日本が差し当たってすべきことは、平和主義国家ドイツが方針転換したように、自分の国は自分で守れるだけの軍事力を持つことであることかも知れない。ただし、それだけでは十分ではない。今回、ウクライナ戦争で学んだことは、グローバル世界においては1国平和主義では通用しないということであり、遠い国の戦争であっても経済や貿易、エネルギーなどで世界のどの国にいても影響が及ぶということである。つまりわれわれは世界全体の平和に目配りしていく必要があるという現実である。
2015年、世界の警察官であった米国が世界の警察官をやめると宣言して以来、世界は不安定になり、強権国家の中国やロシアが台頭する一方で国連の影響力はますます弱体化した。
そうした中で日本が世界に対し貢献するべきことは、唯一の被爆国として、世界平和を前面に掲げ、主導していくことかもしれない。例えば国連常任理事国になって、国連安保理改革を行うなどし、世界秩序を少しでも平和的な方向に向かうようサポートしていくことが求められているのだが、その現実性は厳しいものがある。
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“歴史に刻まれる戦争犯罪”戦闘激化で増える犠牲(3月21日)
ウクライナ・ゼレンスキー大統領は20日、新たにビデオメッセージを公開し、「マリウポリの封鎖は戦争犯罪として歴史に刻まれるだろう。ロシア軍が平和な都市に行ったことは何世紀にもわたって記憶されるテロ行為だ」と述べ、都市を封鎖して攻撃を続けるロシアを強く非難した。今も各地で続く戦闘。市民の犠牲は増え続けている。
国連人権高等弁務官事務所は、今月18日までに、少なくとも64人の子どもを含む、847人の市民の死亡が確認されたと発表。マリウポリなどでは、犠牲者数の詳しい確認が取れておらず、実際はさらに多いとしている。
ロシアの生物兵器など使用・各国が警戒強める(3月20日)
ロシア・プーチン大統領は19日、「ウクライナで米国が軍事的生物学的な活動を行い容認できない。ロシアだけでなくヨーロッパに大きな危険をもたらしている」と述べ、「ウクライナ側が生物兵器を使用する疑いがある」と一方的に主張した。
米国など各国は「今後ロシア軍が苦戦を強いられた場合、虚偽の主張をもとに生物兵器や化学兵器を使用するおそれもある」として警戒を強めている。
和平交渉締結への道のり(3月20日)
ロシア軍は遂に極超音速ミサイルを使用し、ウクライナの地下軍事施設を破壊したと発表した。ロシアとウクライナの戦闘は膠着状態にあり、ロシアは早めに戦闘を終わらせるために、今後もより強力な兵器や戦力を投入してくるものとみられる。一方で戦況次第で和平交渉が急進展する可能性もある。
早期に和平交渉を締結させることがロシアとウクライナの双方にとっても、世界経済にとっても最も望ましいシナリオであるが、戦闘と同時並行で行われている停戦協議についてロシア側、ウクライナ側双方が現実の戦況を見ながら、いかに有利な条件に持ち込むかを必死で模索している。...
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ロシア軍は遂に極超音速ミサイルを使用し、ウクライナの地下軍事施設を破壊したと発表した。ロシアとウクライナの戦闘は膠着状態にあり、ロシアは早めに戦闘を終わらせるために、今後もより強力な兵器や戦力を投入してくるものとみられる。一方で戦況次第で和平交渉が急進展する可能性もある。
早期に和平交渉を締結させることがロシアとウクライナの双方にとっても、世界経済にとっても最も望ましいシナリオであるが、戦闘と同時並行で行われている停戦協議についてロシア側、ウクライナ側双方が現実の戦況を見ながら、いかに有利な条件に持ち込むかを必死で模索している。なぜならその時の条件が、その後数十年にわたり影響して行くことになるかも知れないからである
ロシア側の代表団トップ・メジンスキー大統領補佐官は、ウクライナとの停戦協議ではテーマによって進展の度合いが異なっているとの認識を示した。ウクライナの非武装化をめぐる交渉については5合目まで到達したと述べた。
第一回目の交渉以降、ウクライナからの情報によると、ロシア側はゼレンスキー政権の打倒は目指さないとのシグナルを出しているという。
つまりゼレンスキー政権はそのまま続けてもよいという意思表示であり、その条件として「NATOへの加盟を断念すること」「ロシア語を公用語にすること」「他国軍の基地や兵器を排除すること」などを呑むように要求している。武装解除についてはウクライナの完全武装解除を意味するものではなく、ロシアに脅威を与えないレベルの軍事力であるならば認める可能性がある。
長期戦となればロシア経済に打撃が及ぶため、プーチン大統領としてはタイミングを見て和平交渉を締結したいと考えているとみられる。そのためには自分が勝利したという材料がいくつか揃って自らの面子と戦利条件があればよいと考えている可能性が高い。
引き続きウクライナ情勢を注視していきたい。
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