オバマ大統領任期時の最後の四半期(2016年10~12月期)の国内総生産(GDP)の確定値が、専門家の予想を上回って年率換算で2.1%だったことが判明した。3月12日付
Globali「トランプ景気(?)で雇用環境益々快調(2)」の中で、“オバマ政権のおこぼれではない、トランプ大統領就任後初の実績となる2月の雇用統計の結果、これまた専門家予想(+19万人増)を大幅に上回る+23万5千人増と報告された”と報じたが、一度失速しかけた米景気が再び力強く回復に向かっていることが覗える。
3月30日付米
『Foxニュース』:「オバマ政権最後の景気指標は大したことなし」
米商務省は3月30日、オバマ政権の最後の四半期(2016年10~12月期)のGDP確定値が年率換算2.1%と、予想以上に伸びたと発表した。
しかし、同大統領任期の8年間の平均値は約1.5%成長であり、1930年のハーバート・フーバー大統領(編注;第31代大統領で、就任当初の1929年10月に世界恐慌発生)の時代以来の最低値であった。...
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3月30日付米
『Foxニュース』:「オバマ政権最後の景気指標は大したことなし」
米商務省は3月30日、オバマ政権の最後の四半期(2016年10~12月期)のGDP確定値が年率換算2.1%と、予想以上に伸びたと発表した。
しかし、同大統領任期の8年間の平均値は約1.5%成長であり、1930年のハーバート・フーバー大統領(編注;第31代大統領で、就任当初の1929年10月に世界恐慌発生)の時代以来の最低値であった。
ただ、オバマ大統領就任直前の2007年12月以降、世界金融危機に突入し、当時0.3%成長まで落ち込んだことから、景気がかなり回復したことは事実であり、
実際、世界金融危機時に約870万人の雇用を喪失したが、オバマ政権下で1,130万人の雇用を創出した。
因みに、ビル・クリントン政権下(編注;第42代民主党大統領、1993~2001年)2,290万人の雇用を創出したが、ロナルド・レーガン政権下(第40代共和党大統領、1981~1989年)で1,590万人増やしたものの、ジョージ・ブッシュ政権下(第43代共和党大統領、2001~2009年)では僅か210万人の雇用創出のみであった。
なお、トランプ大統領は就任時、常時3~4%成長を達成させるとの目標を掲げているが、この数値はクリントン政権時以降未達で推移した。
同日付英
『BBCニュース』:「米国、四半期成長率を上方修正」
2016年10~12月期の確定成長率は2.1%と、当初発表の1.9%より上方修正した。
それでも、第3四半期(7~9月期)の3.5%には遠く及ばず、2016年通年では、2011年以来の最低値である1.6%のままであり、
トランプ大統領は、減税とインフラ投資政策で4%成長を達成するとしているが、米国は2000年の4.1%成長以来低い成長率に留まっており、専門家は現在の米経済構造ではこの達成は困難と予想している。
同日付フランス
『フランス24』オンラインニュース(
『AFP通信』配信)では「米国、2016年最終四半期成長率を上方修正」
米経済は、2008年の世界金融危機以降確かな回復を見せているが、それでも過去の景気後退後の回復率に比し、労働者の高齢化と貯蓄率(内部留保)上昇という足かせもあって、最も低い成長率となった。
トランプ大統領が掲げる3%以上の成長率達成との目標に対して、多くの専門家は、生産性の向上と労働人口の拡大がなければ非現実的な目標だと評価している。
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