既報どおり、トランプ新大統領は選挙戦中の公言どおり、就任後も対中国強硬路線を貫いている。そして、特に南シナ海問題についても、中国側主張に真っ向から反対する論戦を張っている。当然のことながら、中国はこれまでの主張を繰り返し、部外者の干渉として猛反発している。一方、フィリピンのトランプと呼ばれたドゥテルテ大統領であるが、暴言・妄言は相変わらずで、中国に与するように、フィリピン駐留米軍について根拠の薄いクレームを付けている。
1月29日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「南シナ海をめぐる直近の状況」
「●ドナルド・トランプ新大統領の対中国強硬路線を踏襲するように、ショーン・スパイサー大統領府報道官は先週、中国が主張する南シナ海海域は公海であるので、米国としては公海上の安全保障の観点から、中国が同海域内の7つの人工島に勝手にアクセスしたり、また、一方的に更に開発を継続することを阻止すると表明。
●これに対してすぐさま中国側は、外交部の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官が、紛れもない中国主権海域について部外者は余計な口出しするな、と言えば、国防部の陸康(ルー・カン)報道官は、そこは公海ではなく中国の主権の及ぶ領海だ、と反発。...
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1月29日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「南シナ海をめぐる直近の状況」
「●ドナルド・トランプ新大統領の対中国強硬路線を踏襲するように、ショーン・スパイサー大統領府報道官は先週、中国が主張する南シナ海海域は公海であるので、米国としては公海上の安全保障の観点から、中国が同海域内の7つの人工島に勝手にアクセスしたり、また、一方的に更に開発を継続することを阻止すると表明。
●これに対してすぐさま中国側は、外交部の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官が、紛れもない中国主権海域について部外者は余計な口出しするな、と言えば、国防部の陸康(ルー・カン)報道官は、そこは公海ではなく中国の主権の及ぶ領海だ、と反発。
●軍事専門家は、米国が言うとおり、中国の人工島へのアクセスを阻止する行動に出れば、中国は必ずや抵抗しようから、軍事衝突の可能性が増大するとコメント。
●一方、米同盟国のフィリピンは、2014年締結の米・フィリピン防衛協定強化協定(EDCA)に則って、米軍が近々5ヵ所で駐留米軍受け入れ施設の設営に取り掛かると公表。
●これに対して中国が、米国がフィリピンを軍事拠点化しようとしていると非難。
●中国寄りの方針を表明しているロドリゴ・ドゥテルテ大統領の意を受けて、デルフィン・ロレンザーナ国防相は、フィリンピンは米中間の争いに対しては中立の立場を取らざるを得ないとコメント。」
一方、1月30日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「米軍の活動に関し、フィリピン内で公式見解に混乱」
「●フィリピン軍報道官のレスティテユート・パディーラ准将は1月30日、米軍はフィリピン国内に兵器庫等を設営する予定はなく、また、フィリピン軍基地内に置いてあるのはゴムボート、発電機、避難所設営用資材のみだと発言。
●これに先立ち、ドゥテルテ大統領は1月29日、米軍が防衛協定違反して恒久的な軍事設備を造ろうとしていると非難声明。
●これまでも、ドゥテルテ大統領とフィリピン軍高官の見解には、何度か食い違いが発生。
●なお、EDCAによると、フィリピンの海洋安全保障と災害救援等のため、恒久的ではないことを条件に、5ヵ所のフィリピン軍基地内に、駐留米軍用施設の設営や、艦船・航空機等の配備を容認。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)』テレビニュース:「ドゥテルテ氏、米軍が協定に反して“恒久的な”兵器庫を造ろうとしていると非難」
「●ドゥテルテ大統領は1月29日のテレビ会見で、米軍が“恒久的な”兵器庫等をフィリピン内に設営しようとしており、これは明らかにEDCA違反だと非難。
●これに先立つ3日前、米国防総省が年内に、フィリピン軍基地内に倉庫、兵舎、滑走路等を設営することを駐留米軍に許可したと、ロレンザーナ国防相が発表。
●同大統領は、これを許すと米中間の緊張がいやが上にも高まり、フィリピンが危険にさらされると強調。」
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