米世論調査:高収入に「大卒は重要」が減少(2024/05/24)
大学はかつて成功への道とみなされていたが、米国の最新の世論調査によると、学費の高騰や機会拡大により、高給与の職業に就くために大卒である必要があると考えている人は半数以下だという。
5月23日付米
『CNBCニュース』:「20年前ほど大卒は重要でないがほぼ半数」:
米国で大学神話が崩壊しているという。
10年前、高等教育は一般的に肯定されていた。ピュー・リサーチ・センターとギャラップの世論調査によると、2011年には大卒学生の86%が大学資格は意味のある投資と捉え、2013年には成人の70%が大学教育は「非常に重要」だと答えていた。
調査は成人5千人を対象として行われた最新のピュー・リサーチ・センター世論調査では、現在、「大学は投資コストに見合わない」が29%、ほぼ半数の49%が、「20年前と比べて4年制大学は高給な就職先を得るためにそれほど必要なものではない」と回答している。...
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5月23日付米
『CNBCニュース』:「20年前ほど大卒は重要でないがほぼ半数」:
米国で大学神話が崩壊しているという。
10年前、高等教育は一般的に肯定されていた。ピュー・リサーチ・センターとギャラップの世論調査によると、2011年には大卒学生の86%が大学資格は意味のある投資と捉え、2013年には成人の70%が大学教育は「非常に重要」だと答えていた。
調査は成人5千人を対象として行われた最新のピュー・リサーチ・センター世論調査では、現在、「大学は投資コストに見合わない」が29%、ほぼ半数の49%が、「20年前と比べて4年制大学は高給な就職先を得るためにそれほど必要なものではない」と回答している。
このような価値観の変化には、授業料の高騰や、膨らみ続ける学費ローンが背景にある。
20年以上にわたり、大学の授業料はインフレ率を上回り、学生は実質的な負債を抱えている。私立大学の平均授業料は144%上昇、更に公立でも、州内出身者用学費は171%、州外出身者用学費は211%も上昇している。米国内の学費ローンの総額は1.6兆ドルで、これはカードローンや自動車ローンよりも大きいという。
そのため、多くの人が、借金と学歴への投資リターンの損得バランスを疑問視するようになっている。ローンを抱えながら4年制大卒の資格を取る価値があるとするのは成人のわずか22%となっている。大卒者は高卒者よりも平均して給与が高いが、いわゆる「大卒給与のお得感」は弱まってきている。
サンフランシスコ連邦準備銀行の最新レポートによると、大卒者給与の差は2010年代をピークに減少、2022年は4%減。今では、非大卒者よりも給与が高い大卒者は75%となっている。
専門家は高卒者の給与が急騰していることが原因だとしている。シンクタンク「経済政策研究所」のレポートによると、2020~2024年に給与が上がった高卒者は9.4%なのに対し、給与が上がった大卒者は2.2%だった。専門家は、「米国では大卒未満の若者にも職業の機会が増えており、過去10年の人手不足による売り手市場も要因の一つ」だとする。
これまでは、高給職を求める人々にとって大卒でないことが障壁であったが、雇用条件としての学歴を求めない企業も増えている。現在、三社に一社が今後は学歴要件を求めないとしており、代わりにスキル重視の方向へシフトしているという。10~15年前には求人資格のなかった非大卒労働者にも高給職への道が開かれている。
同日付米『CBSニュース』:「成功に大卒資格は必要か」:
大学はかつて成功への道とみなされていたが、最新の世論調査によると、現在では、給料のよい職業に就くために大卒資格が必要だと考えているのはわずかに4人に1人だという。
15年前は人生で成功するために大卒資格が必要だと4人に3人が回答していたという。
現在では大学1年間の諸経費が年間10万ドルにせまるところもあるほど、教育費が上昇していることや、過去10年で非大卒者の雇用機会も向上していることが背景にある。
大学の価値を最も重視しないのは共和党員で、共和党員の10人に6人が20年前と比較し大卒であることの重要性が下がっていると回答している。民主党員では、10人に4人が同様の回答をしている。
このような価値観の変化により、高等教育では特に若い男性の大学入学希望者が減少しており、近年入学者減少や財政上の問題から閉校となった大学もある。
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米、連邦法で大麻規制緩和へ(2024/05/17)
米国では、州により既に大麻は合法化されているが、連邦法で大麻の分類をリスクの低いカテゴリーに分類するという。大麻業界は急成長しており、規制緩和による減税効果で闇市場は縮小し、大麻関連の研究も容易に行われるようになるとみられている。
5月17日付
『AP通信』:「司法省、正式に大麻を危険性の低い薬物に分類へ」:
司法省は16日、正式に大麻を危険性の少ない区分に変更すると発表、米国の麻薬政策史上、画期的な変更となる。
医療目的での使用を想定し、他の危険薬物より常習性が少ないものと認識するが、大麻を娯楽目的で使用できるようにするものではない。
麻薬取締局(DEA)は今後調整に入るが、承認されれば、現在のヘロインやLSDと同じ「スケジュール1」から、ケタミン(全身麻酔薬)や筋肉増強剤(アナボリックステロイド)と同等の「スケジュール3」へ変更となる。...
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5月17日付
『AP通信』:「司法省、正式に大麻を危険性の低い薬物に分類へ」:
司法省は16日、正式に大麻を危険性の少ない区分に変更すると発表、米国の麻薬政策史上、画期的な変更となる。
医療目的での使用を想定し、他の危険薬物より常習性が少ないものと認識するが、大麻を娯楽目的で使用できるようにするものではない。
麻薬取締局(DEA)は今後調整に入るが、承認されれば、現在のヘロインやLSDと同じ「スケジュール1」から、ケタミン(全身麻酔薬)や筋肉増強剤(アナボリックステロイド)と同等の「スケジュール3」へ変更となる。「スケジュール3」も規制対象物質であり、許可なく保持することは犯罪となる。
2022年、バイデン大統領の求めで薬物区分を調査した保健福祉省が麻薬取締局に変更を勧告。バイデン氏は、大麻所持で有罪となった人々を恩赦し、州知事や指導者に恩赦を促していた。選挙年のこの発表で、バイデン氏には特に若い世代の支持が集まるとみられている。
元政府薬物管理政策顧問のケビン・サベット博士は、「我々が主張してきたように、大麻をスケジュール3へ移行すべき十分なデータはない。科学ではなく政策により、このプロセスを行うのは理想的でない」と批判している。
連邦麻薬政策は近年、各州の政策と比べ遅れており、38の州では既に医療目的の大麻は合法化され、24の州では娯楽目的での使用も合法化されている。このような状況から、大麻業界は急成長今や300万ドル市場といわれている。連邦法の緩和により、大麻業界内での減税効果は7割超といわれている。
また、「スケジュール1」区分の薬物では、臨床試験の許可取得が非常に難しいことから、規制緩和により大麻の研究も容易に行われるようになるとみられている。
同日付米『NBCニュース』:「大麻区分変更へ大きな動き:司法省」:
司法省が16日、大麻に関する大きな改革を発表。大麻をフェンタニルや覚醒剤などの危険薬物同等の分類から、より低リスクの薬物に分類する。すべての手続きには数ヶ月から1年程かかるとされる。
バイデン大統領は、Xの公式アカウントに投稿した動画で、「これは画期的で、長らく続いた不平等を変える重要な動きだ。実に多くの人々が誤った大麻政策で影響をうけてきた。大麻の使用や所持だけで拘束されるべきでない」と述べている。
同氏が薬物の件で発言するのは就任以来3回目となる。2回目は今年の一般教書演説で、「誰もが大麻の所持や使用を理由に投獄されるべきではない」と言及していた。カマラ副大統領も16日、このプロセスを賞賛する動画を公開している。
340億ドルの大麻市場にとって司法省の決定は朗報で、麻薬合法州での法人税負担が減ることとなる。IRS(内国歳入庁)税法 のセクション280により、大麻関連企業には通常企業の法人税控除が認められていなかった。
闇市場もこの影響で縮小するとみられる。ニューヨークやカリフォルニア等の州では、麻薬が合法化されていながらも、規制が厳しく税が高額な合法市場のもとで、闇市場も存在を続けていた。
民主党は大麻を規制物質法(CSA)から完全に撤廃しようとしており、州に独自の大麻法を制定する権限を託し、「麻薬戦争」による影響から救おうとしている。今月、チャック・シューマー上院内総務は、「議会は連邦政府による大麻禁止をやめ、麻薬戦争による弊害に立ち向かおう」と述べていた。
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