韓国軍の声明によると、今月24日早朝、北朝鮮が東部で潜水艦基地のあるシンポ(新浦)からSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射、約500km飛行し日本海の日本の防空識別圏(ADIZ)に落下に落下した。米韓合同軍事演習や高級外交官の亡命などで緊張が高まっている中の潜水艦発射ミサイルの試射。専門家は予測されたよりも北朝鮮の潜水艦発射の技術的進展がみられるとし、北の潜水艦技術が進めば、日本と韓国への脅威が増し、探知の難しい潜水艦による攻撃ではTHAAD(最新迎撃ミサイル)での迎撃も難しくなるとの見方をする専門家もいる。
8月24日付
『ロイター通信』は「北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルを発射」との見出しで次のように報道している。
・韓国軍の情報では、午前5:30頃潜水艦基地のあるシンポから発射されたミサイルは日本海の日本の防空識別圏内(ADIZ)に落下。国連決議に反発して発射したものとみられ、北の潜水艦発射弾頭ミサイル(SLBM)技術は進歩した模様。2日前には米韓合同軍事訓練が開始。韓国は報復も示唆。韓国政府は同国内で国家安全協議を行う予定。
同日付
『AP通信』は「北朝鮮が潜水艦発射ミサイルを発射、韓国」との見出しで次のように報道している。
・韓国当局によると、北朝鮮発射のミサイルで500km(310マイル)の飛行距離は、同種兵器では最大、射程内にはほぼ韓国全土。北の地上発射のミサイルでは優に韓国全土と日本をカバーしている。韓国合同参謀本部の声明によると、ミサイルは朝鮮半島と日本の間に着水した。
・韓国当局は北朝鮮が同国への侵略準備だと非難している米韓合同軍事訓練開始への「武装した抗議」だと非難。合同軍事訓練開始前、北はこれは朝鮮半島を「戦争の危機にさらす」とし国連安保理の臨時協議を要求。韓国には2.8万人の米兵が駐留。
・米国統合参謀本部は、潜水艦からはKN-11ミサイルが発射されたとみている。
・探知の難しい潜水艦による北のミサイル技術向上は脅威。同本部は米国への直接の脅威はないが、北の挑発に対し引き続き警戒するとしている。北には韓国と日本を攻撃可能な技術は既に備わっているとみる専門家もいる。
・直近には駐英外交官の韓国への亡命や米国の最新鋭迎撃システム配備があった。米国が主導する国連軍司令部は北の非武装地帯への地雷埋設を非難。
同日付韓国
『ヨンハップ』は「北朝鮮が潜水艦発射ミサイルを試射、韓国」との見出しで次のように報道している。
・韓国軍の声明によれば、北朝鮮は東部港湾都市シンポより、潜水艦発射弾道ミサイルを試射、これは明らかに米韓合同訓練への反発である。500kmの飛行はこれまでの潜水艦発射ミサイルよりも技術が向上。毎年恒例の米韓合同軍事訓練に対し北は「先制核攻撃」を行うと威嚇していたため緊張が高まっていた。北はこれまでも軍事訓練を北への侵略準備だとしてきた。
・北はこれまでも軍事訓練前にミサイルで威嚇してきたが、今年に入り北の亡命者や米の迎撃システム配備をめぐり韓国との緊張が非常に高まっている。
・専門家は北が潜水艦発射弾頭ミサイル(SLBM)発射に成功すれば韓国近辺の海面下どこからでも発射可能となるため、THAADシステム(最新迎撃ミサイル)での迎撃は難しくなるとみている。
・韓国は2,3年のうちに北がSLBMを配備すると予測していたが、水曜のミサイル発射を見た専門家は来年にも配備可能となると予測。500km飛行のSLBMは成功と見なされる。12弾頭を搭載した巨大潜水艦配備が可能とみている。
同日付中国
『新華社』は「北朝鮮が潜水艦発射弾頭ミサイルを試射」との見出しで次のように報道している。
・水曜、韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮から潜水艦発射弾道ミサイルが試射された。同本部は、今回の500km飛行は以前のミサイルより技術が向上したと見ている。
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韓国統一省は、北朝鮮大使館のナンバー2にあたる駐英副大使テ・ヨンホ氏が韓国に亡命し、家族とともに同国にいると公表。北朝鮮外交官の亡命(後に「BBC」がテ氏と報道)の注目報道の翌日、この声明が出された。統一省によると関係国との外交上の理由で亡命ルートや詳細は控えられている。亡命の理由についてテ氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制に対する反感、韓国の自由で民主的体制への憧れ、そして自分の家族の将来などを挙げたとされている。同氏の亡命は数々の北亡命者の中でも最高位。テ氏は英国民への北朝鮮のイメージ向上、EUとの連携、北朝鮮の偵察局の任務もあったとされる。韓国政府は同氏などの北の支配層の亡命が相次ぐのはキム体制がほころんでいる事を示唆するとしている。
8月17日付
『ロイター通信』は「北朝鮮の駐英副大使が韓国に亡命」との見出しで次のように報道している。
・韓国統一省によると、北朝鮮のテ駐英副大使が家族を連れて韓国へ亡命、北朝鮮から亡命する高官としては最高位。亡命ルートや家族の人数は不明。統一省チョンジョンヒ報道官によると、テ副大使はキムジョンウン体制に不満、韓国の自由な民主体制にあこがれ、子どもの将来を理由として亡命したと語っており、家族は韓国政府の保護下にあるという。
・「韓国中央日報」は、ある情報筋によるとテ氏は「綿密な計画」に従い亡命し「第三国へ亡命」する手筈だったという。
・在ロンドン公使館は「大変急な」出来事で亡命の事実確認が取れていない、「対応可能となった時コメントする」としており、テ氏の携帯は留守電につながるという。
・テ氏は(北訪問の)英国報道記者によく知られ、10年以上英国関連の公務に従事。緑豊かな西ロンドン郊外の大使館近くに在住、極左の集会でたびたび北を擁護する情熱的スピーチをしたが、北の大げささはなく、控えめなスタイルで対照的だった。
・一家は地元の高校に通う息子が先月学期を終えた頃に亡命していた様子。19歳の息子は大学で数学とコンピュータサイエンスを専攻との情報あり。
同日付
『ヤフーニュース』は「駐英北朝鮮公使が亡命と韓国」との見出しで次のように報道している。
・韓国統一省によると、北の体制に反発する駐英の北の外交官テ氏は亡命者として最高の官職。チョン報道官はテ氏の亡命の詳細は関係国との外交上の問題を懸念し触れず、この亡命は北の体制が揺らいでいる事を示唆。
・テ氏は55歳、欧州外交経験が豊富。大使館10年超任務し、デンマーク駐在、スウェーデン大使経験。
・韓国はすべての亡命は公表しておらず、テ氏の亡命公表は北との関係が核開発により冷え切っている事を示す。テ氏の亡命も韓国が拉致、又は誘導したと北からの反応を招くかもしれない。
・韓国政府資料によると朝鮮戦争で2万9千人以上が韓国へ亡命。その多くは北の圧政と貧困から亡命。 1997年北の高官でキムジョンウン氏の家庭教師を務めた労働党黄チャンヨップ氏が韓国亡命。韓国が北朝鮮に勝るのだと韓国から賞賛。同年、駐エジプト北朝鮮大使が米国に亡命。今年4月には中国のレストラン勤務の13人が韓国へ亡命、その後韓国は、昨年北朝鮮の情報機関幹部が韓国に亡命していたと発表。
8月18日付韓国
『ヨンハップ』は「米が注目される北からの亡命者保護を要請」との見出しで以下のように報道している。
・水曜米国は外交官トップ2である亡命者保護を訴えた。韓国統一省はテ氏は家族と共に韓国に到着したとするも詳細は発表していない。
・米国務省カトリーナ・アダムス報道官は、北からの亡命者を保護するべくすべての国の協力を要請、「米国は北朝鮮の人権状況と亡命者の処遇に深い懸念がある」としたが詳細へのコメントは控えた。更に「他国や国連人権理事会や国連難民機構などの機関と連携し、北朝鮮亡命の保護と恒久的解決方法を模索する」と述べた。
・テ氏は亡命の理由につき、キムジョンウン体制への幻滅と自由への憧れを語っており、韓国は北の支配幹部が体制の国際的孤立に希望を失っていると見ている。
同日付韓国
『KBSワールドラジオ』は「在英北朝鮮外交官No2が韓国亡命と統一省」との見出しで以下のように報道している。
・北の体制に幻滅し数週間前に自宅から姿を消した外交トップ2のテ副大使は英国市民に対する北朝鮮のイメージ向上を任務としていた。昨年5月キムジョンウンの兄ジョンチョルを率いロンドンでエリッククラプトンのコンサートに行った事が報道。
・北幹部による亡命はミサイル実験で国連の安全理事会による制裁が強められた後多発。
17日付英
『BBC』は「駐英北外交官が韓国亡命」との見出しで次の様に報道している。
・「BBC」の記者は、テ氏はもはや北朝鮮を擁護する義務はないのだろうという。以前テ氏は英国市民は支配層により北朝鮮に関する「ショッキングで恐ろしい」嘘を信じこませるよう洗脳されていると意見を述べていた。あるスピーチでは「(英国)市民、またはアメリカ人は教育や住居費、医療費が無料の国が世界にあると分かっていれば、考え直すのではないだろうか」と述べていた。
同日付英
『テレグラフ』は「タフで洗練された駐英北朝鮮副大使が韓国へ亡命」との見出しで次の様に報道している。
・元英使節が「タフで洗練された」と評す副大使が韓国亡命。以前北朝鮮外務省の欧州部門長を務めたテ氏は妻と3人の子どもを連れて韓国に亡命した。理由にはキムジョンウン体制への嫌悪、韓国の自由への関心、民主体制と家族の将来を挙げた。
・10年以上英国滞在、副大使歴は3年で英語と中国を話す。外務省の欧州関連部を経てロンドン駐在。息子の1人は公衆衛生学を学んでいるとされる。かつて仕事を共にした人はテ氏を語学に長け勤勉で大変洗練された、またタフなニゴシエータでもある人物とする。在英大使館はEUとの連携も受け持つためよくブリュッセルにも出張。同氏は他に北の偵察総局(RGB)の任務もあったとみられる。
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