北朝鮮の核爆発実験(2016/09/09)
北朝鮮の国営テレビは今月9日北朝鮮が核爆発実験を実施したと発表、北朝鮮が5回目の核実験を行ったこととなる。韓国軍の声明によると、午前9:30頃、北朝鮮北東部の豊渓里にある核実験場付近で、推定M5.3の爆発による通常の地震波形とは異なる地震活動が観測された。今年1月を含む過去の北による核実験時の波形に似ているため核実験による「人工地震」だと見られていた。揺れは日本の気象庁、欧州、米国でも観測された。日本政府は、日米韓他関係国との連携を緊密にする。ロシアの報道によれば、ロシア極東の放射線監視システムでは、基準値を超える放射能は確認されていないという。市場にも震撼が及び、韓国株、韓国ウォンとも急落。技術的課題はあるものの、現状の核開発が進展すると、4年後までに日本を含むターゲット国を攻撃が可能となるという分析もある。
9月9日付
『AP通信』は次のように報道している。
・韓国軍合同参謀本部(JCS)は北朝鮮の核実験場の豊渓里付近で「人口地震波」を観測したという。欧州、米国の観測所でも観測され、米国地質調査所は「爆発」ととらえたという。韓国防衛省当局者は、核実験による爆発力は10キロトンだとする。1月の実験では6キロトン。
・韓国気象庁によれば、マグニチュード5.0は核実験による揺れで過去最大。...
全部読む
9月9日付
『AP通信』は次のように報道している。
・韓国軍合同参謀本部(JCS)は北朝鮮の核実験場の豊渓里付近で「人口地震波」を観測したという。欧州、米国の観測所でも観測され、米国地質調査所は「爆発」ととらえたという。韓国防衛省当局者は、核実験による爆発力は10キロトンだとする。1月の実験では6キロトン。
・韓国気象庁によれば、マグニチュード5.0は核実験による揺れで過去最大。2006年の北による核実験時はM3.9、今年1月はM4.8の人工地震波を観測。
・北朝鮮はミサイル実験を次々行うが、ミサイルの飛距離を伸ばすだけでなく、潜水艦装備や無線操作技術などの打ち上げ設備も向上している。
・度重なる実験で増々国連の制裁が厳格になり、北は孤立を深めるだろう。経済上の生命線である唯一の同盟国、中国も他国からの圧力で不満を増大。
・今年2度目の核実験はミサイル実験を繰り返す北朝鮮がいつか核ミサイルを米国に向けるのではと米国での大きな懸念を呼ぶ。今回の核実験は核保有を辞めさせたい西側の要求への反発とみられる。北が米国への攻撃可能な小型長距離核弾頭の開発に成功したかは不明。アナリストの中には短距離弾頭は成功しているとする者もいる。
・北の米国への要求には、南側の韓国から軍を撤退させ、南北朝鮮戦争終結のための平和条約への調印がある。北は米韓の核計画を非難し、米韓からの長期に渡る「敵対心」により小国北朝鮮の生き残りを賭けて核開発を余儀なくされているという主張している。
同日付中国
『新華社』は「北朝鮮の核実験によるとされる人口地震を観測」との見出しで次のように報道している。
・韓「ヨンハップ」によると、韓国は金曜9:30頃北朝鮮で前回核実験が行われた場所と同地点の豊渓里核実験場付近でM5.0の人口地震を観測。
・欧州地中海地震センター(EMSC)もM5.0の地震を観測、米国地質調査所はM5.3を観測。
・政府情報筋によると、メディアで報道されていたとおり、北朝鮮の68周年の建国記念日に合わせて核実験が行われた模様。
・韓国の黄京安首相は、国家安全保障会議による緊急会議を招集、朴大統領はラオス滞在中。
同日付韓国
『ヨンハップ』は「北朝鮮の核実験場付近で地震観測、韓国軍」との見出しで次のように報道している。
・韓国軍合同参謀本部(JCS)は、金曜、北朝鮮の68周年建国記念日、核実験場でM5の人工地震が観測されたと発表。震源は今年1月、4度目の核実験を行った場所と同じ地点だと見られる。
・韓国首相は本日緊急会議を招集し北への対処を協議する予定。外務省は米国など他国との連携に努めているという。
・核実験による震撼はウォール街にも及び、韓国株、韓国ウォンは8ウォン安の急落。韓国総合株価指数は15ポイント強下落。
同日付露
『スプートニック』は「M5.3の地震を北朝鮮核実験場付近で観測」との見出しで次のように報道している。
・米国地質調査所はM5.3の地震を北朝鮮の核実験場付近で観測。北は再び核実験を行った模様。西欧の地中海地震センターも北の5日回目の核実験を観測。 韓国政府筋は地下での核実験による人工地震の可能性が極めて高いとする。中国地震ネットワークセンターは、震源は高度0キロメートルだと見ている。
・ロシア緊急事態省の極東支部によると、ロシア極東の複数の放射能観測所は基準値を超える放射能を観測しておらず、「放射能監視システムは基準値以上の背景放射線の観測はない。」としている。
・米国でも地震を観測、国家安全保障会議の報道官によると、関係国と連携をとっているという。
・技術的課題はあるものの、現状の開発ペースを見ると、ジョンホプキンス大学高等国際研究の韓国研究機関による最新レポートにあるように、2020年までに日本を含むターゲット国を攻撃する目標に向けた核開発は着実なものとなるであろう。
閉じる
北朝鮮がG20と建国記念日に合わせ挑発か(2016/09/05)
韓国軍の声明によると、今月5日正午頃、北朝鮮が西部黄州付近から中距離弾道ミサイル「ノドン」(飛行距離1300~1500キロ、射程内に日本がある)とみられるミサイル3発を発射、防衛省によると約1000キロ飛行し、3発とも日本海の防空識別圏(ADIZ)内(北海道奥尻島の西200~250キロの海域)に落下したと推定されている。日本政府は北のミサイル技術向上に懸念を強めている。今回のミサイル発射はアジアに注目が集まる中の挑発であり、様々なタイミングが重なっていると指摘されている。安倍首相も出席する20カ国・地域(G20)首脳会議が中国の杭州で開かれているタイミングであり、また今月9日には北朝鮮の68周年目の建国記念日を控えている。前日に韓国では北朝鮮の人権状況改善を目指す北朝鮮人権法が施行されたばかりであり、また、北朝鮮が北侵略へのリハーサルだと批判する米韓軍合同の夏の軍事訓練が数日前に終了したばかりであった。
9月5日付韓国
『ヨンハップ』は「北朝鮮が威嚇のためノドンミサイル3発発射」との見出しで次のように報道している。
・韓国軍合同参謀本部(JCS)の声明によれば、北朝鮮が黄州辺りから中距離弾道ミサイル「ノドン」を3発発射。 ノドンの飛距離は1300~1500キロ、日本も射程に入る。
・3発とも1000キロ飛行し、日本の防空識別圏(ADIZ)に侵入したという。北朝鮮による発射警告は無かったという。...
全部読む
9月5日付韓国
『ヨンハップ』は「北朝鮮が威嚇のためノドンミサイル3発発射」との見出しで次のように報道している。
・韓国軍合同参謀本部(JCS)の声明によれば、北朝鮮が黄州辺りから中距離弾道ミサイル「ノドン」を3発発射。 ノドンの飛距離は1300~1500キロ、日本も射程に入る。
・3発とも1000キロ飛行し、日本の防空識別圏(ADIZ)に侵入したという。北朝鮮による発射警告は無かったという。軍は直近の警告に関する詳細を調査中。韓国軍は「今夜いかなる挑発にも備えている」としている。
・G20の中国でのサミット開幕と、北の政権発足記念日を数日前に控えて行われた。北の度重なる弾道ミサイル発射は国連決議に明らかに抵触するもの。韓国で、北の人権状況改善を目指す北朝鮮人権法が施行された翌日のミサイル発射。同法は北の人権侵害の状況に関するデータを集め脱北者の安全確保を目指すもの。
同日付露
『RT』は「韓国が米の防衛ミサイルが必須の自衛だと認めた数時間後北朝鮮がロケット3発発射」との見出しで次のように報道している。
・韓国「ヨンハップ」によると、中国で開催中のG20サミットで北の脅威を協議した数時間後、北朝鮮が今年10発目の弾道ミサイルを発射。飛距離は不明。
・韓国の朴槿恵大統領は、中国の習近平主席に対し、「北の地域内の脅威により両国の関係の発展は大いに乱された」と述べた。習主席は「中国は米の韓国へのTHAAD配備に反対する」と述べた。「新華社通信」によれば、習主席は「問題の対処を誤れば地域の戦略的安定を損ない対立を加速する」と述べたという。朴大統領はそれに対しTHAAD配備決定は北の脅威へ対抗するため「自衛上避けられない」とした。
・中国はロシア同様、米THAADのレーダーが自国の軍を探知出来、国家の安全を脅かすのではとの脅威を持っている。北も配備に反対を表明し近隣国や米グアム基地への核攻撃を示唆し1月には4度目の核実験を行っている。
同日付
『AP通信』は次のように報道している。
・韓国軍によると、月曜、北朝鮮が黄道から東方へ向け3発の弾道ミサイルを発射。韓国を抜け韓国東岸の東海に着水した。飛距離は未公表。北は定期的にミサイルとロケット実験を行っているが、特に北東アジアに世界の注目が集まるタイミングが多い。今回は経済大国が中国杭州でのG20サミットに集結している。
・中国は北にとって唯一の同盟大国であるが、中国との関係はここ数年の核ミサイル実験による他国からの厳しい目によりほつれ始めた。
・発射前の月曜、韓国の朴大統領は北が韓国と中国の関係を壊していると批判したばかり。また4日後には北の政府68周年記念を迎えるタイミングだった。また、北がいつも侵略へのリハーサルだと批判する米韓軍合同の夏の軍事訓練が数日前に終了したばかり。
同日付中国
『新華社』は「北朝鮮が東海へ弾道ミサイル3発発射」との見出しで次のように報道している。
・韓国軍によると、国家記念日を前にして北朝鮮がミサイルを発射。北の68周年を迎える金曜を前にした挑発行為との懸念が挙がっている。
・来年末までの米韓のミサイル配備合意に関しても緊張が高まっている。米韓は韓国南東部に配備予定のTHAADの一砲で北の核ミサイル脅威を自衛出来るとしており、中国、ロシアはこの配備に猛反発している。
閉じる
その他の最新記事