米ホワイトハウス、バイデン大統領がコロナに感染しないよう過剰なほどの感染防止対策(2022/02/09)
『AP通信』 は2月頭、バイデン大統領が新型コロナウイルスに感染するのを防ぐためにあらゆる手段を使っていると報じた。
バイデン大統領が1月末にホワイトハウスで州知事たちと会談した際、大統領だけ水の入ったグラスが渡された。州知事たちの飲料水は、マスクを外して飲むことがないよう、用意されなかった。また、大統領が座る場所も、ハリス副大統領や閣僚を含む全員から3メートル以上離されていた。バイデンが部屋に入ったとき、サージカルマスクをしていたホワイトハウスのスタッフには、すぐにN95マスクが手渡された。
これらは、大統領がブースター接種まで受けているにもかかわらず、感染しないようにするためのホワイトハウス側の並々ならぬ努力のほんの一部だという。...
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バイデン大統領が1月末にホワイトハウスで州知事たちと会談した際、大統領だけ水の入ったグラスが渡された。州知事たちの飲料水は、マスクを外して飲むことがないよう、用意されなかった。また、大統領が座る場所も、ハリス副大統領や閣僚を含む全員から3メートル以上離されていた。バイデンが部屋に入ったとき、サージカルマスクをしていたホワイトハウスのスタッフには、すぐにN95マスクが手渡された。
これらは、大統領がブースター接種まで受けているにもかかわらず、感染しないようにするためのホワイトハウス側の並々ならぬ努力のほんの一部だという。
一方で、『AP通信』 によると、バイデン政権は何カ月もの間、コロナから最も保護されている人々が最も慎重であり続け、国の経済的、心理的回復の足を引っ張っているとして、過度に慎重な姿勢に悩まされてきた。バイデンは、感染力の強いオミクロン株が発生したとき、「心配の種ではあるが、パニックの種ではない」と述べた。側近や専門家たちも、コロナワクチンがオミクロン株に対して有効であることを示す研究を次々と取り上げ、ワクチン接種を受けた人々に日常生活を送ることができると主張してきた。1月19日の記者会見で、バイデンは「我々は、ワクチン、ブースター、マスク、テスト、薬など、命を救い、ビジネスや学校をオープンにしておくためのツールを持っている」と宣言し、まだ広がっている規制が「ニューノーマル」を反映しているという考えを否定し、「きっと良くなる」と約束した。
その一方でバイデン大統領の感染防止のために厳格な警戒態勢が取られていることは、現政権がワクチンを接種している人やブースターまで終わっている人たちに、オミクロン株が流行する中でも通常の生活に近い形でやっていけると発信している現政権の努力を自ら台無しにする恐れがある、と『AP通信』 は指摘している。
政治ニュース専門の米左派メディア『ポリティコ』 は、補佐官たちが、バイデン大統領がコロナに感染することを恐れているのは、政府関係者の中に、ブースターまで接種している大統領が感染すれば、政治的・政策的に大惨事になる可能性を予見している者がいるからだと伝えている。コロナ規制やワクチンに反対している人たちが声を上げ、政府のコロナ対策に対する信頼を損ねる可能性が懸念されているという。さらには、79歳と高齢の大統領は、回復に少なくとも数日かかると思われ、年齢と健康についての懸念を高める可能性も心配されているという。
これに対し、右派政治ニュース誌『ナショナルレビュー』 は、ブースターまで済ませた大統領の感染が恐れられているのであれば、バイデンが大統領を務められるほど健康かどうかを問うことが妥当だろう、と伝えている。11月下旬、バイデンの医師は、彼が「健康で活力があり」、「職務に適しており、免除や便宜を図ることなく、すべての責任を完全に果たしている」と断言した。
同誌は、「バイデンの最新の健康診断が正確であれば、バイデンも彼のスタッフも彼がコロナに感染することを怯える必要はないだろう。もしバイデンが感染しても、最高レベルの医療スタッフ、設備、薬、治療法などをすべて利用できる上に、通常の風邪やインフルエンザの症状が出る可能性が高く、入院に至る可能性は極めて低く、回復するはずだ」と指摘している。
そして、「バイデンは本当に健康で丈夫で、職務に適しているのだろうか。それとも、ホワイトハウスはまだオミクロン株を実際よりもずっと危険なものとして扱っているのか。ホワイトハウスはバイデンがまだオミクロンに感染していないことを、政治的な勝利とみなしているのだろうか。少なくとも7800万人のアメリカ人がコロナに感染している今、なぜ感染していない人がある種の勝利者と見なされるのだろうか。」と疑問を唱えている。
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「進撃の巨人」のパロディで米議会対立深まる(2021/11/18)
米国の共和党議員が、自身のSNSにヒスパニック系議員やバイデン大統領に暴力を振るう内容のアニメ映像(「進撃の巨人」を使用)を投稿していたことで、問責調査を受けている。
11月17日付米国
『CNBC』 は「下院、オカシオ議員を殺めるアニメ映像を巡りゴサール共和党議員を調査」との見出しで以下のように報道している。
米議会下院で調査の結果、共和党のポール・ゴサール議員の所属委員会解任処分が決まった。ヒスパニック系で民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス議員を殺め、剣をバイデン大統領に向け振りかざすアニメ映像をSNSに投稿していた。投票は賛成223対反対207で、2名の共和党員のみが民主党側に投票した。...
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11月17日付米国
『CNBC』 は「下院、オカシオ議員を殺めるアニメ映像を巡りゴサール共和党議員を調査」との見出しで以下のように報道している。
米議会下院で調査の結果、共和党のポール・ゴサール議員の所属委員会解任処分が決まった。ヒスパニック系で民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス議員を殺め、剣をバイデン大統領に向け振りかざすアニメ映像をSNSに投稿していた。投票は賛成223対反対207で、2名の共和党員のみが民主党側に投票した。
ゴサール議員は先週、改変ビデオを自身のSNS公式インスタグラムとツイッターに投稿。日本のアニメシリーズ「進撃の巨人(Attack on Titan)」のシーンを使い、彼の顔をしたキャラクターが2本の剣を持ち、オカシオ議員やバイデン大統領の顔をした巨人を攻撃。メキシコ国境に移民と警備隊員がいる様子も描かれていた。
白人愛国者団体所属していた経歴をもつゴサール議員は、下院民主党の批判を受けても謝罪はせず、移民政策のパロディだったと主張し、「私はアニメで暴力を扇動したつもりはない。映像は経済救済法に盛り込まれた移民救済を巡る政策対立を描いたものだ。米国は不法移民問題に苦慮している。アニメの中に移民がもたらす脅威以外の含みはない」等と述べた。
ゴサール議員は、オカシオ議員も監査・政府改革委員会に属している下院監視・政府改革委員会と下院天然資源委員会からの除名が決定した。ペロシ下院議長は決議にあたり「ゴサール議員の行動には相応の対応が必要だ。議員や大統領への脅迫はアニメ中とはいえ深刻な侮辱行為で議員に限らず国民を脅かすものだ。」としていた。下院ではこれまで10年以上諮問調査が行われたことはなく、問責決議は除籍処分に次ぐ重い処分で、半数以上の賛成が必要となる。
調査を発案したのは民主党女性連合はじめ複数の議員だった。この改変映像と今年1月トランプ前大統領が支持した議事堂襲撃事件に関連性があると指摘し、暴力の描写は実際の暴力を煽り、議事堂の時のように議員に危険が及ぶと指摘していた。
同日付米国『ポリティコ』 は「オカシオ議員を殺める映像を投稿したゴサール議員へ下院決議」との見出しで以下のように報道している。
共和党議員が、民主党議員への暴力的映像をSNSに投稿したことで、下院の調査を受け、所属委員会から除名処分となった。殆どの共和党議員は団結し処分決議に反対を示した一方、共和党からは2名が民主党の決議に加わった。
議会内で問責決議に発展するケースは稀だが、今年1月の議事堂襲撃事件以来、共和党の過激派議員への対応を巡り、下院内で両党幹部の対立が顕著となっている。そんな中、今回の映像投稿を機に両党の対立が一層増しており、民主党の間ではこれが国内に飛び火するのではとの懸念も生じている。合衆国議会警察によると、議事堂襲撃事件の余波で、今年は議員への脅迫事案も増えているという。
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