中国の「ゼロ・コロナ」戦略、デルタ株で試される(2021/09/16)
中国で3回目となる新型コロナウイルスの発生に直面している。ゼロ・コロナ政策を維持することの妥当性を疑問視する中国の専門家も出て来ているが、中国政府はこの政策にのっとって、発生が確認された東海岸の都市での取締りを強化し、集団検査を増やしている。
米
『abcニュース』によると、福建省莆田市の周辺の料金所では新型コロナウイルスの検査が実施され、そのうちの十数カ所は完全に閉鎖されたという。また、近隣の厦門市や泉州市でも、デルタ株の感染が拡大しているため、移動を制限している。
国家衛生委員会は15日、福建省の各地でさらに50人の感染者が確認され、そのほとんどが莆田地区であると発表した。
2019年末に中国中部の都市・武漢で初めて検出されたパンデミックの開始以来、中国では厳しい検査、ロックダウン、検疫、マスク着用の義務が課せられている。...
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『abcニュース』によると、福建省莆田市の周辺の料金所では新型コロナウイルスの検査が実施され、そのうちの十数カ所は完全に閉鎖されたという。また、近隣の厦門市や泉州市でも、デルタ株の感染が拡大しているため、移動を制限している。
国家衛生委員会は15日、福建省の各地でさらに50人の感染者が確認され、そのほとんどが莆田地区であると発表した。
2019年末に中国中部の都市・武漢で初めて検出されたパンデミックの開始以来、中国では厳しい検査、ロックダウン、検疫、マスク着用の義務が課せられている。中国では感染拡大はほぼ抑え込んでいるが、国内の様々な地域で新たな感染者が発生し続けている。7月から8月にかけてはデルタ株の感染が複数の省に広がり、より感染力の強い新たな変異ウィルスへの懸念が高まっている。
仏『レゼコー』によると、今回莆田地区で確認されたデルタ株は、9月10日に莆田市でシンガポールからの旅行者が最初の感染者として確認されたという。しかし、この旅行者は、中国に到着後、ホテルで厳重に隔離されている間に、3回の陰性反応が確認されていた。
伝染力の強いデルタ株は、世界で最も厳しいとされる中国の「ゼロ・コロナ」戦略にとって、やっかいな存在だと言える。中国は2020年3月以降、外国に対してほぼ閉鎖されている状態となっているが、7月末に南京から始まった感染の波が17省に広がり、福建省での感染はまだ食い止められたばかりである。それ以前に、工業地帯である広東省でも流行が再燃しており、これも海外からの変異株の流入が原因とされている。
他のアジア諸国と同様に、中国でもウイルス学者の中から、ゼロ・コロナ政策を維持することの妥当性を疑問視する声が上がっている。上海の感染症専門家である張文宏氏は、7月末に「ウイルスと共存することを学ばなければならない」と述べている。しかし、インターネットユーザーから「外国の思想を伝えている」と非難され、直後に大学から盗作の疑いをかけられたため、発言を撤回することを余儀なくされた。また、ある教師は、ネット上のニュース記事へのコメント欄で、中国はウイルスと「共存」できると示唆したことで、15日間拘留されたという。
中国政府がゼロ・コロナ政策を維持する理由の一つは、中国がワクチン接種による集団免疫を獲得するまでの時間稼ぎである。疫学調査の第一線で活躍する鍾南山氏によると、中国では21億5千万回のワクチン接種が行われており、年末までに集団免疫に必要な80%の接種率を達成するという目標に向けて順調に進んでいるという。
しかし、アメリカの外交問題評議会の国際保健を担当する黄延中氏は、デルタ株はこの議論を無意味なものにすると述べている。「中国の既存の予防接種計画では、集団免疫を獲得することはできない」とニューヨーク・タイムズ紙に語っている。
北京の欧米外交官は、「習近平は、昨年の流行の抑制を個人的な勝利として位置づけた。北京オリンピックまで半年、第20回共産党大会まで1年という時期に、戦略を変えてウイルスへの警戒を緩めるようなリスクは絶対におかさないだろう。」と述べている。
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避難のための混乱が続くアフガニスタン(2021/08/23)
アフガニスタンでタリバンが政権を取ってから1週間が過ぎた。何千人もの人々がいまだにアフガニスタンを脱出しようとしている。カブール空港では、何千人もの民間人があらゆる手段を使って国外に脱出しようとしている。
仏
『BFMTV』によると、英国防省は、英国が1000人の軍隊の助けを借りて、すでに4000人を避難させたと発表した。イタリアの外務大臣によると、目標としていた2500人のうち、1週間足らずで約1600人のアフガにスタンの民間人がイタリアによって避難できたという。ポーランド、デンマーク、カタールも、数千人の外交官やアフガ二スタン人通訳を避難させた。フランス軍は、アフガニスタン人を中心に約600人を搬送した。...
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仏
『BFMTV』によると、英国防省は、英国が1000人の軍隊の助けを借りて、すでに4000人を避難させたと発表した。イタリアの外務大臣によると、目標としていた2500人のうち、1週間足らずで約1600人のアフガにスタンの民間人がイタリアによって避難できたという。ポーランド、デンマーク、カタールも、数千人の外交官やアフガ二スタン人通訳を避難させた。フランス軍は、アフガニスタン人を中心に約600人を搬送した。22日の夜には、アラブ首長国連邦のアブダビを経由してカブールとパリを結ぶ空輸により、新たに400人のフランス人とアフガニスタン人を本国に送還できた。避難が始まってから6回目のフライトとなる。
こうした中、仏『レゼコー』によると、英国国防省は22日、避難の為に空港に押し寄せる群衆の中で7人のアフガニスタン人が死亡した発表した。同日、北大西洋条約機構(NATO)の関係者がロイター通信に語ったところによると、カブール空港周辺で過去7日間に少なくとも20人が死亡したという。
米『ワシントンタイムズ』は、米軍撤退の実行に当たり、バイデン大統領が軍事顧問を無視して完全撤退を指示した結果、先に非難させるべきであった何万人もの民間人がアフガニスタンに取り残されてしまったと報じている。
米議会関係者がワシントンタイムズ紙に語ったところによると、大統領が4月に決定を発表した後、民間人を避難させるためのスケジュールを何度も要求したにもかかわらず、何も回答を得ることができなかったという。
バイデン大統領の部隊撤退は、致命的なまでに正確に進められたという。今年4月に「9月11日までに米軍を撤退させる」と発表した後、米軍は空輸された人員や装備の数をプレスリリースで発表し始めた。この時、バイデンは、トランプ前大統領が「条件付き」と称していた撤退を放棄した。トランプは、タリバンが一定の合意を守らなければ、昨年10月に2500人の兵力を維持した時のように、米国の撤退を停止するという条件を付けていた。カタールのドーハで交渉相手のタリバンの指導者、ムラー・アブドゥル・ガニ・バラダーと電話で話した際、トランプは「私たちはあなたがどこに住んでいるのかを知っている」と伝え、2020年2月の合意を破らないよう警告していたと、キース・ケロッグ退役中将がフォックスニュースで語っている。しかし、バイデン大統領は、これを無視し無条件の撤退を実行したという。
7月2日には、20年間にわたって軍事作戦の心臓部として機能していたカブールの北にある広大な米空軍基地バグラムが、真夜中に放棄された。アフガニスタンの人々は、司令官が別れの挨拶をしなかったことに不満を抱いた。
計画に詳しい国防関係者がワシントンタイムズ紙に語ったところによると、軍司令官はアメリカの撤退が完了する前にバグラムを閉鎖するつもりでいたという。この関係者は、バイデンが発表した期限やその直前までバグラムを稼動させておくことが現実的であるという考えを否定した。この関係者は、数千人の米軍関係者をカブールやその他の遠方の都市から輸送しようとするのは、物流上の悪夢だっただろうと語った。バグラムが閉鎖された2週間後、アフガニスタンでの総司令官だったオースティン・スコット・ミラー氏がアメリカに帰国した。アフガニスタンは、アメリカの治安部隊、最大の作戦基地、4つ星の総指揮官を失ってしまった。そして、大使館に配属された2つ星の司令官が残りの米軍撤退を率いた。結果的に、アメリカ軍が先に撤退し、6万人以上のアメリカ国民とアフガ二スタン人のビザ保持者が取り残されてしまった。
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