スウェーデンメディアが見るスウェーデンの原発凍結(2014/10/03)
スウェーデンの新政府は、原発凍結に合意の決定をした。原発をとりまくスウェーデンの状況について、スウェーデンメディアが次のように報じる。
『ザ・ローカル紙』は「最終的に原子力発電を放棄する方針が、社会民主党のロベーン新首相と緑の党スポークスマン、ロムソン氏により示されたが、具体的な廃炉期限は示されず、党指導部はさらに議論が必要と述べた」と報じる。ロベーン首相は「スウェーデンは継続可能な幅広い合意が必要で、政府は直ちに“現状維持”的考え方を持つ」と
『ラジオスウェーデン』に語り、ザ・ローカル紙は「政府の出発点は、原子力発電所を必ず解体するという事。...
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『ザ・ローカル紙』は「最終的に原子力発電を放棄する方針が、社会民主党のロベーン新首相と緑の党スポークスマン、ロムソン氏により示されたが、具体的な廃炉期限は示されず、党指導部はさらに議論が必要と述べた」と報じる。ロベーン首相は「スウェーデンは継続可能な幅広い合意が必要で、政府は直ちに“現状維持”的考え方を持つ」と
『ラジオスウェーデン』に語り、ザ・ローカル紙は「政府の出発点は、原子力発電所を必ず解体するという事。我々は100%再生可能エネルギーを持つべきだが、まず分析の段階を踏む」という首相の言葉を引用する。ラジオスウェーデンによると「社会民主党は、再生可能エネルギーに代替可能な限り、原子力発電所の段階的廃止する考え。一方で、緑の党は廃止加速を望み、2018年までに原子炉2基閉鎖を誓約する」。
ザ・ローカル紙は、「緑の党は初めて連立政権に参加する。選挙に敗れた中道右派政権は、2006年から政権を取り、原子力発電を拡大する方針だった。1980年の国民投票で、過半数が原発の段階的廃止に投票したにも関わらず、スウェーデン議会は2010年に原子炉の新規取替え法案を可決し現在10基存在する」と報じる。また緑の党のロムソン氏は、「緑の党が、原子炉を閉鎖する法律制定を推し進めなかった理由」について、「特別法が必要だったため。つまり既に採算が取れない原子炉閉鎖のために、エネルギー企業に多額の金を国が支払う必要があった。我々は企業に、閉鎖費用を支払わせる必要がある」と、
『TT通信』に語った。
ラジオスウェーデンによると、「2党が合意したと思わない。両党は異なるメッセージを出しており、盲目的なエネルギー政策はメルトダウンで始まる。緑の党ロムソン氏は、原子炉の即時中断を意味する決定と言うが、ロベーン首相にこれを否定された」と、野党自由党のビヨルクルンド党首は、この決定を批判。TT通信は「今回の政策決定は、原子力発電は核廃棄物処理のために、より高くつき、より厳しい安全への要求が、適用される事を意味する」と伝え、ザ・ローカル紙は「原子力エネルギー開発停止の決断は、スウェーデンが環境保護団体WWFの世界の汚染国トップ10の1つに選ばれた翌日だった」と報じる。
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スウェーデンメディアが見るスノーデンのライト・ライブリフッド賞(2014/09/25)
スウェーデンで「もうひとつのノーベル賞」と呼ばれるライト・ライブリフッド賞に米国のエドワード・スノーデンの受賞が決まった。受賞についてスウェーデンメディアは次のように報じる。
『ザ・ローカル紙』は「スウェーデンのライト・ライブリフッド賞の受賞者が、スノーデンに決定というニュースがリークされた後、スウェーデン外務省は、ライト・ライブリフッド財団に、外務省施設の使用を禁止した」と報じる。
『ラジオスウェーデン』は「表向きの理由は、授賞式に使用されるプレスルームのセキュリティ状況と発表されたが、本当の理由は今年の受賞者にある」と伝える。
ザ・ローカル紙によると、「米国を内部告発したスノーデンが、“基本的な民主的プロセスや憲法上の権利を侵害する国の監視が、前例のない程及んでいた事を明らかにする勇気と熟練技”で受賞が決定し、150万クローナ(21万ドル)の賞金と共に他の3人と共同受賞」。...
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『ザ・ローカル紙』は「スウェーデンのライト・ライブリフッド賞の受賞者が、スノーデンに決定というニュースがリークされた後、スウェーデン外務省は、ライト・ライブリフッド財団に、外務省施設の使用を禁止した」と報じる。
『ラジオスウェーデン』は「表向きの理由は、授賞式に使用されるプレスルームのセキュリティ状況と発表されたが、本当の理由は今年の受賞者にある」と伝える。
ザ・ローカル紙によると、「米国を内部告発したスノーデンが、“基本的な民主的プロセスや憲法上の権利を侵害する国の監視が、前例のない程及んでいた事を明らかにする勇気と熟練技”で受賞が決定し、150万クローナ(21万ドル)の賞金と共に他の3人と共同受賞」。また「ライブリーフッド賞はもうひとつのノーベル賞と呼ばれ、“今日我々が直面する最大の緊急課題”に、実際的な回答を支援するために1980年に設立。授賞式はノーベル賞と同じ12月にスウェーデン議会で開催」と報じる。
『スウェーデンテレビ』は、「ビルト外務大臣はスノーデンの受賞に立腹した」が、「大臣自身は関与を否定した」と伝える。ラジオスウェーデンによると、「この春大臣は、スノーデンが、ストックホルムのインターネット国際会議に招待されなかった事を認め非難を受けた」。
『TT通信』は、「スノーデンは、どの受賞候補者より議論を呼ばない人物で、外務省の決定を“現実的政治”と理解を示した」が、「小国から来る受賞者に、スウェーデンは民主主義と人権の価値を支援してきた。政府が思い切って支持していたら、より適切だっただろう」と財団代表、フォン・ユクスキュル氏の話を引用する。
TT通信によると「財団はスノーデンとその弁護士に連絡を取り、法的支援に資金提供すると決定。スノーデンは、スウェーデンに来て受賞する事を望んでいる」。ザ・ローカル紙は「スノーデンは禁固30年の刑に直面する」と報じるが、TT通信は「スウェーデンの法律では、スパイ行為は政治的犯罪と見なされ、理論上スノーデンがスウェーデンに来ても、米国に身柄引き渡しのリスクはない」と報じる。
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