スウェーデンメディアが見るロシア軍事行動(2014/12/16)
バルト海近隣諸国で繰り返されるロシアの軍事行動が、スウェーデン近くでまた繰り返された。スウェーデンメディアは、「航空機ニアミス」について次の通り報じる。
『ザ・ローカル紙』は「先週金曜日スウェーデン付近でロシア軍用機が民間機とニアミスだった」と報じる。
『ラジオスウェーデン』によると「スウェーデンとデンマーク両政府はロシアの偵察機が、国際空域でスカンジナビア航空機に接近飛行した事を発表した」。ザ・ローカル紙は「ロシア防衛省は軍用機がスウェーデン南部地域にいた事を否定しなかったが、旅客機の航路から70キロ以上離れた安全な距離を取っていたと述べた」とロシアの反応を伝えるが、「当事者のパイロット達はもっと近かったと示唆した」と報じる。...
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『ザ・ローカル紙』は「先週金曜日スウェーデン付近でロシア軍用機が民間機とニアミスだった」と報じる。
『ラジオスウェーデン』によると「スウェーデンとデンマーク両政府はロシアの偵察機が、国際空域でスカンジナビア航空機に接近飛行した事を発表した」。ザ・ローカル紙は「ロシア防衛省は軍用機がスウェーデン南部地域にいた事を否定しなかったが、旅客機の航路から70キロ以上離れた安全な距離を取っていたと述べた」とロシアの反応を伝えるが、「当事者のパイロット達はもっと近かったと示唆した」と報じる。
ラジオスウェーデンは「スウェーデンとデンマークの外務大臣は共に、ロシア軍用機と民間航空機のニアミスを受けて、ストックホルムとコペンハーゲンの各ロシア大使を訪問」したと報じ、
『TT通信』は「スウェーデンはこの件を深刻に受け止め、明確な抗議を行った」とバルストロム外相の言葉を伝え、ザ・ローカル紙は「民間人の命を危険にさらすロシアのパイロットは不当」と、デンマークのリデゴー外務大臣の言葉を掲載する。
ザ・ローカル紙は「ロシア機は、自動送受信機(民間機をレーダーで認識させるための電子装置)なしで飛行し、“ニアミス”時にロシア機の姿が現れていなかった」事に触れ、「フルクビスト国防大臣が、危険極まりない行為と非難した」と報じる。
『ダーゲンスニュヒテル紙』は「この種の事故は今年2度目で、2月に134名の乗客を乗せたスカンジナビア航空機にロシア機が90メートルまで接近した」とパイロットの証言を報じる。
ザ・ローカル紙は「定期的な近隣諸国の領空侵犯と空域接近など、強まるロシアの軍事行動の予兆に、バルト海域で懸念が高まる」と評し、「ロシアは繰り返し関与を否定するが、大手を振って分離独立地域に政治的支援を行う」との見方を示す。また「世界的な防衛支出減少にも関わらず(*1)、ロシアの武器製造会社の売上げは、ロシア政府の軍用品調達への投資で拡大し、特に2013年(20%増加)の増加が目立つ」と、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のシニア研究員ウェゼマン氏の指摘を引用する。
ザ・ローカル紙は「ロシアのクリミア併合と東ウクライナ紛争への関与によって、プーチン大統領の空軍の軍事行為によって、バルト海諸国の気力が試される事になった」と報じる。
*1)SIPRIの報告書によると、信頼できるデータが無いため中国軍需企業の販売は含まれていない。
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スノーデン・ライブリフッド賞授賞式(2014/12/02)
米国の内部告発者スノーデンが、もうひとつのノーベル賞として知られるライト・ライブリフッド賞を今年受賞し、月曜日に授与式が行われた。ロベーン新政権下での受賞式を通して、スウェーデンメディアが下記の通り報じる。
『ザ・ローカル紙』は「米国諜報機関を内部告発したスノーデンは、もうひとつのノーベル賞と呼ばれるライト・ライブリフッド賞を受賞した」と報じる。
『ラジオスウェーデン』によると「受賞者スノーデンは、スウェーデン議会内での授賞式には出席しないが、ネットビデオ経由で参加した」。
ザ・ローカル紙は受賞理由について、「スノーデンの行動が、政府の監視行為の適切な制限と電子情報化時代のプライバシーの権利について、世界的に活発な議論を引起した。...
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『ザ・ローカル紙』は「米国諜報機関を内部告発したスノーデンは、もうひとつのノーベル賞と呼ばれるライト・ライブリフッド賞を受賞した」と報じる。
『ラジオスウェーデン』によると「受賞者スノーデンは、スウェーデン議会内での授賞式には出席しないが、ネットビデオ経由で参加した」。
ザ・ローカル紙は受賞理由について、「スノーデンの行動が、政府の監視行為の適切な制限と電子情報化時代のプライバシーの権利について、世界的に活発な議論を引起した。多くの国で、政府の一般市民の監視を制限するよう検討され、企業は顧客データ保護のために新技術やルーチンを補強する」とライト・ライブリフッド協会会長の言葉を引用する。
ラジオスウェーデンは、「社会民主党で前内閣官房長官のショリル氏は、スウェーデンはスノーデンへの亡命許可を検討すべきで、スウェーデンが、ベトナム戦争中に殺害を拒んだ米国の逃亡兵を、受入れた時と歴史的な類似点があると考える。この時、人道的観点から一時避難を提供したので、スノーデンに同様に出来る」との見解を報じる。ザ・ローカル紙は、「現連立与党の緑の党のムット氏は、スノーデンは国家安全保障局(NSA)のオルウェリアン監視プログラムを暴露したので、ネルソン・マンデラやマハトマ・ガンジーになぞらえて、スノーデンを政府専用機で移送可能であると述べた」と伝えるが、スウェーデンテレビは、「緑の党のフリドリン党首は、スウェーデンの法律では、政府が亡命判断を下すのを禁止しており、裁判所で裁定されると述べたが、コメントを避けた」と政治的見解を伝える。
ザ・ローカル紙は「パレスチナ国家を公認したスウェーデンは明確な声明を出した。ヴァルストロム外務大臣は、スウェーデンは米国の政策に従うだけではないと述べたが、ビルト前外務大臣は米国と友好的だった。米国との関係は変化した」と、米国出身のストックホルム大学ジャーナリズム専門のクリステンセン教授の見方を報じる。ラジオスウェーデンによると「外務省は、これまでは外務省内で行われてきた受賞者発表を、外務省の施設内で行うのを禁じた。理由はセキュリティ上の問題」だが、クリステンセン教授は「主義のために米国と悪い関係になる事を望む国はいない」と理解を示す。
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