世界有数の日用消費財メーカーのユニリーバ(注後記)が、NZ支社で週4日就労制の試験運用を開始した。同国では、地元企業が2018年初めに2ヵ月間の試験運用の成果を経て、同年11月から正式導入している。ユニリーバNZ支社の試験運用対象者は僅か80人程であるが、生産性及び従業員満足度向上等の成果が確認されれば、世界に16万人余りの従業員を抱える同社が本格的に導入していく可能性が高く、世界のワーク・ライフ・バランス管理が益々注目されることになろう。
12月1日付米
『AP通信』:「ユニリーバ、NZ支社で週4日就労制運用開始」
日用消費材の世界大手メーカーのユニリーバが、大手他社の先陣を切って週4日就労制の試験運用を開始することになった。
リプトン紅茶・ダブ(スキンケア)・ベン&ジェリーズ(アイスクリーム)等のメーカーで知られる同社が12月1日、NZ支社の事務所スタッフを対象に1年間の試験運用を採用したと発表した。
対象従業員は81人で、2021年12月までの間、自身に都合の良い4日間を選択して就労でき、但し給与はこれまでどおり週5日制のときと同額が保障される。...
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12月1日付米
『AP通信』:「ユニリーバ、NZ支社で週4日就労制運用開始」
日用消費材の世界大手メーカーのユニリーバが、大手他社の先陣を切って週4日就労制の試験運用を開始することになった。
リプトン紅茶・ダブ(スキンケア)・ベン&ジェリーズ(アイスクリーム)等のメーカーで知られる同社が12月1日、NZ支社の事務所スタッフを対象に1年間の試験運用を採用したと発表した。
対象従業員は81人で、2021年12月までの間、自身に都合の良い4日間を選択して就労でき、但し給与はこれまでどおり週5日制のときと同額が保障される。
同社は、シドニー工科大(1988年設立の公立大学)の支援を得て、生産性や従業員満足度等についてモニターしていく。
NZ支社のニック・バングス社長は、“当社の試験運用が奏功して、ユニリーバが世界的企業の先陣を切って同制度を導入するようになることを切望する”と語った。
NZにおいては、同支社に先駆けて地元のパーペチュアル・ガーディアン(1885年創業の遺書作成・遺産管理企業、従業員240人)が2018年に2ヵ月間の試験運用を経て、同年11月から正式導入している。
バングス社長は、地元企業の成功例に勇気付けられて、“古い就労体制を変革すべきときだと考えるようになった”と付言した。
NZのジャシンダ・アーダーン首相(40歳)も、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題で落ち込んだ景気を回復させるため、この就労体制も検討対象のひとつになると発言している。
なお、業界は違うものの、大手企業の中では日本マイクロソフト(1986年設立、マイクロソフト・コーポレーション日本法人、従業員約2,500人)が昨年8月、毎週金曜日を全社休業とすることで全従業員に週一日の追加の休日を与えることとした。
この結果、生産性が前年同月比約40%向上したことが確認され、同制度を更に展開することを決定し、他企業にも導入をはたらきかけている。
また、野村ホールディングス(1925年創業のアジア最大の投資銀行・証券持株会社)は12月1日、毎月最大60%まで事業所外での就労を認める制度の導入を検討していると発表している。
同日付NZ『NZヘラルド』紙(1863年創刊):「世界企業のユニリーバがNZで週4日就労制を試験運用」
世界の日用消費財メーカーのユニリーバが、NZで週4日就労制の試験運用を開始した。
この成果によって、同社の全世界16万5千人余りのスタッフにも適用される可能性がある。
NZ支社のバングス社長は、“1日10時間就労にして週4日制にするのではなく、これまでどおり1日8時間での導入であり、また、給与は週40時間就労の場合と同額が支給される”と説明した。
同社長はまた、パートタイム・ワーカーも同様の就労制が適用されるとした。
同社長は更に、“何時間就労したかではなく、得られた成果の方を重要視する考え方”だと付言した。
なお、2018年に試験運用した結果を踏まえて、同年末から正規導入しているパーペチュアル・ガーディアンのアンドリュー・バーンズ社長は、“生産性や従業員満足度が向上しただけでなく、通勤頻度減少によって、従業員の心の健康も通勤混雑の改善にも繋がっている”と語っている。
(注)ユニリーバ:1929年創業の英国企業で、食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリー等の日用消費財を製造・販売する世界有数のメーカー。日本にも子会社があり、リプトン紅茶・ラックス(ヘアケア・ボディケア)・ダブ(スキンケア)・クノール食品等を展開している。
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