自動運転技術やドローン技術の開発と共に、空飛ぶタクシーの開発には多くの国や企業が力を入れているが、パリ交通公団(RATP)とヨーロッパの航空宇宙機器開発製造会社エアバスも5月15日水曜日、空の移動サービスと都市交通を統合していくためのパートナーシップを結ぶと発表した。
『フランス アンフォ』によると、パリオリンピックが開催される2024年をめどに1台につき4から6席の空飛ぶタクシーがパリ地域で提供されるという。最高時速150キロメートルで移動し、イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網(RER)の駅に発着場が作られる可能性があるという。料金は1キロメートルあたり1から2ユーロ(約120円から240円)。RATPグループのイノベーションディレクターは、「空港と主要都市、またはベルサイユ宮殿などの主要観光地の間」など、20~30キロメートルほどの距離を結ぶ空中移動を目指していると説明している。
『ル パリジャン』によると、パリのフライトタクシーは、バスや地下鉄の代わりではなく、また少数の限られた特権者向けのサービスになるのでもなく、公共交通機関サービスの一つになるという位置づけだという。
RATPグループのイノベーションディレクターは、イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網(RER)の駅、または25のバス停留所センターなど、既存の不動産サイトでの垂直離陸車両の停留所、スカイポートの導入について検討中だと述べている。 「バス停留所センターは、電気バスが充電できるセンターに転換されているところであり、 そのようなセンターを飛行する車両を充電場所として活用できる。」と説明している。
実現には法改正や新たなルール作りなど大きな課題があるが、「電気バスや自動運転シャトルバス導入時と同じく、交通法を作り変えていくために国の機関と一緒に働いているところだ」と、イノベーションディレクターは自信を見せている。
『ビジネスインサイダー』が報じたところによると、エアバス民間航空機部門社長ギヨーム・フォーリー氏は、声明の中で次のように述べている。「RATPグループは、都市における航空モビリティソリューションを提供できる国際的な主要組織である。ユーザーやそのニーズ、またそれに関連するサービスに関する知識は、エアバスにとって理想的なパートナーである。」
5年後の実現のためには、空域管理、自律性、リアルタイム通信ネットワーク、エネルギー貯蔵、充電システム、および使用されるソフトウェアの信頼性(セキュリティおよび安全性)など、取り組むべき課題はまだまだ多い。
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