英国では今年3月、神経剤「ノビチョク」により、元ロシア人スパイのセルゲイ・スクリパリ氏とその娘が意識不明で発見された事件が起こり、ロシアの関与が疑われていた。これに対し今回米政府は、ロシア政府が神経剤を使用したと断言し、同国に対し新たな制裁を科すと発表した。
米国務省のヘザー・ナウアート報道官は「国際法に違反して化学兵器や生物兵器の使用をしている、あるいは自国の国民に対して致命的な兵器を使用していると判断された」と述べた。...
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英国では今年3月、神経剤「ノビチョク」により、元ロシア人スパイのセルゲイ・スクリパリ氏とその娘が意識不明で発見された事件が起こり、ロシアの関与が疑われていた。これに対し今回米政府は、ロシア政府が神経剤を使用したと断言し、同国に対し新たな制裁を科すと発表した。
米国務省のヘザー・ナウアート報道官は「国際法に違反して化学兵器や生物兵器の使用をしている、あるいは自国の国民に対して致命的な兵器を使用していると判断された」と述べた。制裁は今月22日に発効される予定で、安全保障関連がその対象になると説明された。ただ、宇宙飛行や民間航空関連に関わるものについては、ケースバイケースで適用除外もあるという。
また、今後ロシアが化学兵器の使用をしないという確実な保証をして、国連の査察を受け入れなければ、さらに厳しい制裁措置を取る可能性もある。ただこれについては、トランプ米大統領が米国の国益にかなうと判断されれば、回避されることもあり、回避によって批判を受けることの政治的リスクとの兼ね合いが注目される。
英国は今回の決定を歓迎している。同国外務省は「イギリスの道路で化学兵器を使用したことへの国際的反応は、挑発的で無謀なロシアの行動がまかり通らないとメッセージを送っている」と話した。
ロシア側はこれまで化学兵器および生物兵器の保有や使用を一切否定している。
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