日本を含めた世界市場は、トランプ・ショックならぬトランプ・サプライズと言われるほど、米大統領選挙前よりもトランプ旋風に後押しされている様である。ただ、トランプ次期大統領に代表される、保護主義を標榜する世界のリーダーが台頭してくるにつれて、世界経済の行方を分析・評価している経済協力開発機構(OECD)などの機関は、保護主義の拡大が世界経済成長の足かせになると懸念している。
11月28日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「世界経済機構、更なるインフラ投資が必要と警告」
「●OECDは11月28日、2016~2018年の世界及び主要国の経済成長見通しを発表。
●その中で同機構は、トランプ次期大統領が主張するインフラ投資が推進されれば、世界経済は成長すると期待するも、逆に、(トランプ氏主張の)保護主義が台頭することで足かせにもなりかねないと懸念表明。...
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11月28日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「世界経済機構、更なるインフラ投資が必要と警告」
「●OECDは11月28日、2016~2018年の世界及び主要国の経済成長見通しを発表。
●その中で同機構は、トランプ次期大統領が主張するインフラ投資が推進されれば、世界経済は成長すると期待するも、逆に、(トランプ氏主張の)保護主義が台頭することで足かせにもなりかねないと懸念表明。
●同機構によると、2017年の世界経済成長見通しは、米中の経済刺激政策を期待して、前回(今年9月)予測の+3.2%から+3.3%へと上方修正。
●米国の成長見通しは、2017年+2.3%、2018年+3.0%と予想するも、ユーロ圏はそれぞれ+1.6%、+1.7%。」
同日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙(
『ロイター通信』配信):「OECD、米国経済が世界経済成長を後押しすると期待」
「●OECDは、トランプ次期大統領の減税と公共投資政策が米経済を再び活況させると期待されることから、世界経済成長率を以前の見通しより上方修正。
●OECD評価では、世界経済成長率は、2016年の+2.9%より2017年は+3.3%、更に2018年には+3.6%まで上向くと予想。
●また、米経済は2018年には+3.0%と、2005年以来の最高値となるとし、失業率も今年の4.9%から2018年には4.5%まで下落すると予測。
●その他の国の予想は以下通り。
・英国;2016年+2.0%(前回予測+1.8%)、2018年+1.0%。
・中国;2016年+6.7%(前回+6.5%)、2017年+6.4%(同+6.2%)。
・日本;2016年+0.8%(前回+0.6%)、2017年+1.0%(同+0.7%)。
・ユーロ圏;2016年+1.7%、2017年+1.6%。」
同日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「OECD、世界経済の低成長の後押しに主要国の経済刺激策が必要と発表」
「●OECDのキャサリン・マン主任エコノミストは、現在の世界経済成長率は年+3.0%程度と“低成長構造”にはまっており、これを例えば2018年+3.5%へと引き上げるためには、主要国がより多くの財政出動等の政策実行が必須とコメント。
●欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁も、デフレ脱却のためにもユーロ圏の国々に、更なる金融政策の実施を要請。
●しかし、ユーロ圏の経済大国のドイツは、財政出動等には否定的。
●なお、マン主任エコノミストは、トランプ次期大統領のインフラ投資拡大策を評価するも、同時に同氏の保護主義政策が、米国内はもとより世界経済成長を押し下げかねないとも懸念表明。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「OECD、保護主義台頭は世界貿易にとって脅威と表明」
「●OECDは、世界で言われ始めている保護主義政策によって、その国だけでなく世界貿易をも損なう恐れがあると警告。
●同機構は、これ以上保護主義が広がらないよう、雇用増大、ビジネス規模の拡大・多角化、成長産業への積極投資等の構造改革を伴う積極策が必要と主張。」
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