【日本の世相と世界の動き・・No.123<首相の支持率>】(2017/06/21)
<首相の支持率>
安倍晋三首相の支持率が、森友学園・加計学園問題を契機に急落している。6月20日報道の、各大手紙の世論調査による内閣支持率は以下のとおり、前回調査の5月時に比べて▼6~12%も下落している。
・共同通信:① 44.9%、② 55.4%、③ ▼10.5%
・讀賣新聞:① 49%、 ② 61%、 ③ ▼12%
・朝日新聞:① 41%、 ② 47%、 ③ ▼ 6%
・毎日新聞:① 36%、 ② 46%、 ③ ▼10%
・日経新聞:① 49%、 ② 56%、 ③ ▼ 7%
・産経新聞:① 47.6%、② 56.1%、③ ▼ 8.5%
(①最新調査、②5月時調査、③下落率)
今回の支持率急落について、実際の与党・自民党に対する支持率の影響の度合いが図れるのが、今月23日告示の東京都議選となるとみられる。...
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<首相の支持率>
安倍晋三首相の支持率が、森友学園・加計学園問題を契機に急落している。6月20日報道の、各大手紙の世論調査による内閣支持率は以下のとおり、前回調査の5月時に比べて▼6~12%も下落している。
・共同通信:① 44.9%、② 55.4%、③ ▼10.5%
・讀賣新聞:① 49%、 ② 61%、 ③ ▼12%
・朝日新聞:① 41%、 ② 47%、 ③ ▼ 6%
・毎日新聞:① 36%、 ② 46%、 ③ ▼10%
・日経新聞:① 49%、 ② 56%、 ③ ▼ 7%
・産経新聞:① 47.6%、② 56.1%、③ ▼ 8.5%
(①最新調査、②5月時調査、③下落率)
今回の支持率急落について、実際の与党・自民党に対する支持率の影響の度合いが図れるのが、今月23日告示の東京都議選となるとみられる。
ただ、自民党幹部の中には、2015年9月の安全保障関連法案制定時も10%前後支持率が下がったことがあったが、以降また持ち直していることでもあり、さほど危機感を持っていない雰囲気がある模様である。
更に言えば、他主要国の首脳の支持率が、次のとおり軒並み低調であり(別格の、習主席・プーチン大統領は除く)、それに比べれば、安倍首相の支持率は依然高いと考えられる。
●米国 ドナルド・トランプ大統領:支持率 39%、不支持率 57%(ロイター通信の6月15日調査)
●英国 テリーザ・メイ首相:支持率 39%、不支持率 48%。野党・労働党のジェレミー・コービン党首の支持率も39%(大手調査会社YouGovの6月8日下院総選挙時調査)
●ドイツ アンゲラ・メルケル首相:支持率 34%。しかし、今年9月の連邦議会総選挙時の対抗馬とされるマーチン・シュルツ野党党首(前欧州議会議長)の支持率は50%。但し、与党・キリスト教民主・社会同盟の支持率34%に対して、野党・社会民主党の支持率は28%(公共放送ARDの1月末調査)
●フランス エマニュエル・マクロン大統領:支持率 45%(5月16、17日調査)。なお、過去20年の歴代大統領の中では就任時最低の支持率(1995年シラク 61%、2002年シラク再選時 53%、2007年サルコジ 59%、2012年オランド 58%)
●カナダ ジャスティン・トルドー首相:支持率 52%、不支持率 44%(メインストリート・リサーチの1月下旬調査)
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英総選挙世論調査 保守党のリードが縮小(2017/06/02)
英国では総選挙が8日に予定されているが、テリーザ・メイ首相の保守党は野党第一党の労働党の急追を受け、ある世論調査によれば、そのリードは僅か3%にまで縮小していることが明らかになった。各種調査では、保守党の優勢は変わらないが、圧勝するであろうとされていた1か月前の予想はくずれている。
メイ首相は、4月18日に2020年に予定されていた総選挙の前倒しの意向を表明し、翌19日に英国議会下院の議決を得て、6月8日の実施を確定した。当時の世論調査では保守党への支持率が48%、労働党24%、自由民主党12%と、最大野党労働党の倍の支持を集めており、メイ首相には圧倒的多数を獲得する目算があった。EU27か国の加盟国とBrexit(EU離脱)交渉に乗り出すためには国内での立場を強化する必要があり、絶対的な勝算があるとして急遽選挙に打って出たのである。...
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メイ首相は、4月18日に2020年に予定されていた総選挙の前倒しの意向を表明し、翌19日に英国議会下院の議決を得て、6月8日の実施を確定した。当時の世論調査では保守党への支持率が48%、労働党24%、自由民主党12%と、最大野党労働党の倍の支持を集めており、メイ首相には圧倒的多数を獲得する目算があった。EU27か国の加盟国とBrexit(EU離脱)交渉に乗り出すためには国内での立場を強化する必要があり、絶対的な勝算があるとして急遽選挙に打って出たのである。
6月1日、直近の世論調査の結果が明らかとなり、今ではこの決断が正しかったのか、疑問を持つ人もいる。6月8日に圧倒的多数をもって勝利できなければ、EU離脱に関する正式交渉がまさに始まろうとしている中、メイ首相の立場は弱くなる。さらに議会における過半数を失うことになれば、英国政治は混乱に陥ってしまう。
選挙まで僅か1週間となり、保守党のリードは激減した。世論調査会社ユーガブ(YouGov)社の調査では、メイ氏の保守党への支持率は42%で、労働党の39%に対し、リードは3%ポイントしかない。また同社の別の調査では、保守党の獲得議席数が317と過半数である326議席に9議席届かないと見られている。
メイ氏にとって少し良いニュースは、別の世論調査会社パネルベース(Panelbase)社の世論調査ではリードが8%ポイントであることだ。保守党の支持率は44%と前週から4ポイント低下し、労働党の支持率は36%と3ポイント上昇した。自由民主党は7%と横ばいとなった。同調査における保守党のリードは、この1週間で前回調査の15%のほぼ半分となり、やはり労働党が選挙戦終盤で急速に追い上げていることを示している。
現在保守党は、2015年にキャメロン前首相が勝ち取った多数派を構成しており、12議席ほど過半数を超えている。もしこれを減らすことになれば、メイ首相の立場がかなり悪くなる。さらに過半数を取れないことにでもなれば、他政党との連立や少数派内閣を構成せざるを得なくなって英国政治は混乱に陥り、2.5兆ドル規模の経済や、政府の将来を見据えた政策の実現が危うくなる。
ユーガブ社の調査では、メイ氏が今なお首相に最も相応しい候補となっている。しかし43%の支持率はこれまでで最低であり、一方労働党党首のジェレミー・コービン氏(68)は30%とこれまでで最高となった。
英国で最も販売部数の多い新聞のサン紙は、メイ氏の選挙運動が余りにも守勢に回っていると警告する一方、経済紙のフィナンシャル・タイムズは、メイ氏に投票した方が無難な選択であるとして彼女を公式に支持している。ただサン紙はコービン氏についても、「おとぎの国を見せようとするだけで、その公約は保守党の不必要に防衛的な選挙戦に対抗して掲げられたものだが、実現不可能で、経済的には破局をもたらす。」と手厳しい。
メイ首相は5月31日に行われた他の党首とのテレビ討論を欠席し、批判されているが、ラッド内相が代役に立ち、他の党首達を「混乱の連合」と切り捨てた。フィナンシャル・タイムズ紙はその社説で、保守党がさらに議席を増やせば、その反欧州主義がさらに強固なものになり得るとし、「メイ首相がBrexit問題を決着することは疑いないが、EUと可能な限り近い関係から、英国のために最良の交渉ができるかどうかはかなり不透明だ。」と述べている。
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