『AP通信』
3月18日にISSに到着した3人のロシア人宇宙飛行士が、ウクライナ国旗を彷彿とさせる黄地に青の宇宙服をまとっていた。
早速、ウクライナ支援を標榜するものかとの質問を浴びせられたが、オレッグ・アルテミエフ飛行士(51歳)は、言下に否定した。
同飛行士が3月19日にテレグラム(注2後記)上に投稿した文書によれば、まず宇宙服は飛行士のサイズ等に合わせて約6ヵ月前に決めて縫製されるが、偶々3人ともバウマン記念モスクワ国立工科大(BMSTU、1830年設立)出身だったので、名誉ある母校のカラーを選択したものだとする。...
全部読む
『AP通信』
3月18日にISSに到着した3人のロシア人宇宙飛行士が、ウクライナ国旗を彷彿とさせる黄地に青の宇宙服をまとっていた。
早速、ウクライナ支援を標榜するものかとの質問を浴びせられたが、オレッグ・アルテミエフ飛行士(51歳)は、言下に否定した。
同飛行士が3月19日にテレグラム(注2後記)上に投稿した文書によれば、まず宇宙服は飛行士のサイズ等に合わせて約6ヵ月前に決めて縫製されるが、偶々3人ともバウマン記念モスクワ国立工科大(BMSTU、1830年設立)出身だったので、名誉ある母校のカラーを選択したものだとする。
同飛行士は、“何ら隠された意図を以て宇宙服を着用することはない”とし、“黄地に青の宇宙服はウクライナとは無関係であり、敢えて言えば、黄色の太陽と青空だ”と表明した。
更に同飛行士は、“これから暫くISSに滞在するが、我々は常にロシア大統領とロシア国民と一緒にいる”とも付言した。
ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス、1992年設立)のドミトリー・ロゴージン長官(58歳、2018年就任)も、BMSTUの紋章をツイッターに掲載して事態をフォローした。
ただ、同飛行士は3月18日にISSに到着したばかりのときには、黄地の宇宙服用生地の在庫が沢山あったことから、“止む無く黄地の宇宙服を着用している”と異なるコメントをしていた。
『スカイニュース』
3月18日、2月下旬のロシアによるウクライナ軍事侵攻以来初めてとなる3人のロシア人宇宙飛行士がISSに到着した。
オレッグ・アルテミエフ、セルゲイ・コルサコフ(37歳)、デニス・マトベイエフ飛行士(38歳)の3名で、黄地に青の宇宙服をまとっていた。
早速、ウクライナ国旗との関連について質問されたアルテミエフ飛行士は、“(他のロシア人飛行士を含め)別のミッションでISSに滞在するグループと異なる宇宙服をまとう必要があるが、我々用の宇宙服を準備する段階で、黄地の宇宙服用生地が多く残っていたことから、これを選択せざるを得なかった”と答えた。
しかし、ロシア国内では政府方針に異議を唱えることが取り締まられていることから、彼らも(ウクライナ国旗との関連性を)否定せざるを得なかったと疑う声が上がっている。
そこで、ロスコスモスの報道部もテレグラム上に、“今回の宇宙飛行士は3人ともBMSTU出身だったので、同校の紋章のカラーを使用したもの”だとした上で、“どこもかしこもウクライナ国旗が目に付くので腹立たしい”と投稿している。
なお、米国が対ロシア制裁に踏み切ったことから、ロスコスモス長官がISSに関わる共同プロジェクトから完全撤退すると息巻いていたが、米航空宇宙局(NASA、1958年設立)関係者はさほど深刻に捉えておらず、今回も予定どおり3人のロシア人宇宙飛行士がミッション達成のためISSに到着している。
(注1)ISS:米国・ロシア・日本・カナダ・及び欧州宇宙機関(ESA、2012年設立)が協力して運用している宇宙ステーション。地球及び宇宙の観測、宇宙環境を利用した様々な研究や実験を行うための巨大な有人施設である。1998年11月から軌道上での組立が開始され、2011年7月に完成。当初の運用期間は2024年までの予定であったが、2022年2月、NASAは2030年まで運用を継続すると発表している。
(注2)テレグラム:ロシア人技術者が2013年に開発したインスタントメッセージアプリケーション。スマートフォンのモバイルアプリケーションとして無料で利用可能。メッセージは暗号化されることでプライバシーを担保し、一定の時間が経つと消える機能もあるため秘匿性が高い。
閉じる
米ニューヨークタイムズ紙でこれまで6冊のベストセラーを出してきた調査報道記者が、米国の政治家から外交官、ビジネス、ハイテク、エンターテインメント界の大物まで、中国政府の利益を推進することによって自分たちを豊かにしてきたエリートたちの共犯関係を暴露した新作本を出版した。発売以降3週連続でニューヨークタイムズのベストセラーリストで1位を獲得している。
ピーター・シュワイツァー氏は、超党派の保守系シンクタンク「政府説明責任研究所(GAI)」の代表で、最新本のための調査は、同シンクタンクの調査チームとともに1年以上をかけ、財務および企業記録を丹念に調べ上げた。「現行犯:アメリカのエリートはいかにして中国の勝利を手助けして金持ちになったか」には、1093の巻末注と81ページに及ぶ参考資料一覧が含まれており、非公開の情報源はないため、連邦法執行機関や米国情報機関が本書の衝撃的な事実を追跡することが容易になっている。
シュワイツァー氏は『フォックスニュース』の番組に出演し、「私は、なぜ米国が中国の脅威に対して無反応なのかという問題全体を見たいと思ったのです。そして、2つの側面から見てみたかったのです。中国の視点だけでなく、米国のエリート、彼らの動機、中国政府から得る有利な取引、そして中国側で分かったことは、これは彼らの非常に素晴らしい戦略だということです。」と語っている。
シュワイツァー氏によれば、中国共産党指導部は彼らの戦略を「エリート捕獲」と呼んでおり、有利な契約や取引でアメリカの大企業を取り込み、中国が世界的に台頭しているときに彼らが別の事に気を取られているように仕向けるというものである。同氏は、中国政府の発想は、「甘い契約やその他の利益で米国を取り込むことができれば、我々の脅威に反応しないようになり、効果的にアメリカをロボトミー化することができる」というものだと語った。「中国の文献を見ただけで、それがよくわかりました。アメリカ側では、官僚だけでなく、バイデン家のような政治家一族が常に金儲けをしていることに目を向けたいと思いました」。
バイデン大統領は、彼の家族の過去の中国との親密さ、特に息子のハンター・バイデンが中国企業と取引をしたことで長い間批判されてきた。ハンター・バイデンは2013年に当時副大統領だったジョー・バイデンと共にエアフォース・ツーで中国に飛び、年末には中国の中央銀行と共同で10億ドル(約1150億円)の合弁企業「Bohai Harvest RST」を立ち上げたと報道された。
また、シュワイザー氏はマイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏が「北京に行き、習主席や共産主義体制について最もばかげたことを言いました。私はそれを説明したかったのです」とも述べた。シュワイザー氏は、ゲイツ氏は「中国の独裁政権の効率性と呼ばれるものに奇妙な憧れを抱いています。というのも、独裁国家は市民権について心配する必要がないため、効率的なのです。財産権を心配する必要もない。やりたい放題です。ビル・ゲイツは、習主席がいかに中国国民のために懸命に働いているか、中国国民の利益を一番に考えているかを語っています。しかし、習近平は、憂慮すべき一連の事を行っています。」と指摘している。
なお、『ブライトバート』によると、保守派のシュワイザー記者は、民主党と共和党の両方を調査してきた実績があり、その調査活動は左右両派から超党派的な賞賛を受けるユニークな存在であるという。今回の新刊本でも、民主党のエリートたちだけでなく、共和党の現職議員や元議員20名が中国とビジネス上のあるいは政治的なつながりがあることを暴露している。
米『ワシントン・タイムズ』によると、出版社のハーパーコリンズ社は、「中国政府がアメリカの組織に潜入しようとしていることは、驚くべきことではない。しかし、全く新しいのは、世界の覇権を狙う中国の独裁政権に協力しようとするアメリカのエリートの数である。大統領一族、シリコンバレーの達人、ウォール街の大物、アイビーリーグ大学、プロスポーツ選手まで、アメリカの力と安全を犠牲にし、個人的に豊かになることを望んでいる」と予告編で述べていると報じている。
閉じる