日本に亡命中のカンボジア人活動家、同国独裁政権の資金源となっているODA差し止めを日本政府に要求【香港メディア】(2024/08/27)
日本に亡命中のカンボジア人活動家がこの程、カンボジア独裁政権による同政権批判の活動家及びその家族に対する一斉取り締まりについて非難の声を上げた。その際、政権批判活動に全く縁のない自身の弟が不当に拘束されたこと、更には、日本政府が同国に行っている政府開発援助(ODA)は独裁政権の延命に使われているので差し止めるよう訴えたと香港メディアが報じている。
8月26日付
『サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)』紙は、日本亡命中のカンボジア人活動家が、政治活動に無関係の弟を即刻解放するよう訴えたと報じている。
「カンボジア救国活動の会(2018年設立)」日本代表のハイ・ワンナー氏(38歳、2008年に日本に亡命)は8月26日、『SCMP』のインタビューに答えて、これまで政治活動に一切関わっていなかった弟が、自分の親族だという理由だけでカンボジア当局に拘束されたと非難の声を上げた。...
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8月26日付
『サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)』紙は、日本亡命中のカンボジア人活動家が、政治活動に無関係の弟を即刻解放するよう訴えたと報じている。
「カンボジア救国活動の会(2018年設立)」日本代表のハイ・ワンナー氏(38歳、2008年に日本に亡命)は8月26日、『SCMP』のインタビューに答えて、これまで政治活動に一切関わっていなかった弟が、自分の親族だという理由だけでカンボジア当局に拘束されたと非難の声を上げた。
同氏のコメント及び関連状況は以下のとおり。
●フン・セン元老院長(上院議長に相当、73歳、1998~2023年首相在任)及び長男のフン・マネット首相(46歳、2023年就任)は、カンボジア・ラオス・ベトナム三角地域開発プロジェクト(CLV、1999年検討開始のメコン川流域経済開発構想)を積極的に推進。
●同元老院長は今年7月、CLVに関して頻発する抗議活動を取り締まるためとして、国内はもとより海外にいる反対活動家及びその家族の一斉検挙を発動。
●この結果、8月14~19日の間だけで約60人が当局によって拘束。
●この中にハイ氏の実弟であるハイ・ワニス氏(28歳)も含まれるが、彼は長らく保健省に勤める実直な研究員で、これまで政治活動には一切関わってこなかったのに、ハイ氏の弟だという理由だけで8月16日に拘束。
●米人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、1978年設立)は日本政府に対して、カンボジア政権のかかる人権侵害に対して具体的行動を取るよう要請しているが、HRWアジア局プログラム・オフィサーの笠井哲平氏(33歳、元『ロイター通信』記者)によれば、“これまでのところ、日本政府は何ら公式な見解表明を行っていない”という。
●笠井氏は、“日本で活動を続けるハイ氏に直接手が出せないことから、彼に揺さぶりをかけるため、(無関係を承知で)実弟を拘束しており、独裁政権が取る典型的な手段であり全く許しがたい行為だ”と糾弾している。
●更に、フン政権は今年5月、訪日した際に支持者らに対して、自身が率いるナショナル・パワー党(2023年にキャンドルライト党から別れて設立)を含めた野党を公平に扱うよう訴えたスン・チャンティ党首を、カンボジアに帰国後即座に逮捕した。
●また、カンボジア裁判所は今年7月、キャンドルライト党(CLP、1995年設立の自由主義政党)のテアブ・バノール党首が東京での記者会見で、フン・マネット首相及びフン・セン元老院長を批判したことに関し、名誉棄損罪での有罪判決を下した上で、150万ドル(約2億1,700万円)の罰金を科した。
●以上のような独裁政権の暴挙を踏まえて、ハイ氏は、“日本政府が提供しているODAは、昨年7月の不公平総選挙含めて、フン政権の独裁を永らえるために利用されているので、カンボジア国民には悪いが、日本政府に対して当該ODAを停止するよう強く求める”とした上で、“あくまでもカンボジアでの自由で公正な選挙が行われるよう活動を続けていく”と表明している。
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中国、メーデーに観光客増加(2024/05/07)
中国の大型連休では、コロナ禍に比べ観光客が増加したが、不況の影響で財布のひもは固く、消費額はコロナ禍と同レベルにとどまっているという。
5月6日付米
『CNN』:「中国、メーデーの観光客増加も財布のひもは固く」:
中国でレーバーデーを迎え観光客の増加が報告されているが、観光客の消費額は抑え気味で、世界第二の経済大国では経済不況が続く。
中国文化観光省によると、5日まで続いた5連休の間、中国国内の観光客は2億9500万人で、移動が制限されたコロナ禍以前となる2019年の同時期と比べ28%増となった。その一方、観光収益は1668億元(236億ドル)で、2019年比でわずか13.5%増となった。...
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5月6日付米
『CNN』:「中国、メーデーの観光客増加も財布のひもは固く」:
中国でレーバーデーを迎え観光客の増加が報告されているが、観光客の消費額は抑え気味で、世界第二の経済大国では経済不況が続く。
中国文化観光省によると、5日まで続いた5連休の間、中国国内の観光客は2億9500万人で、移動が制限されたコロナ禍以前となる2019年の同時期と比べ28%増となった。その一方、観光収益は1668億元(236億ドル)で、2019年比でわずか13.5%増となった。この結果から、観光客一人当たりの消費額が5年前と比べ6%減額しているといえる。
映画を例にとると、映画を見た人は3777万人で、2019年の3509万人を上回ったが、チケット売上高は2019年とほぼ同額だったという。
中国の消費者は、経済の低迷や雇用状況の悪化により消費を抑えてきた。世帯資産の7割を占める不動産の記録的な不況が消費者マインドに影響している。
6日発表の4月のCaixin/S&Pグローバルサービス指数(PMI)は、前月比52.7から52.5に下落。また、非製造業PMI(購買担当者景気指数)は、3月の52.4から50.3へと大きく下落した。3月の小売販売市場も2月の5.5%から3.1%に落ち込んだ。
同日付香港『SCMP』:「中国、観光業界全面的回復へ向けレーバーデーの観光急増」:
中国の観光業界がレーバーデーで活況を取り戻している。中国経済への弾みとなることが期待されているが、消費支出の伸びは同じようにはいかず、中間層の消費行動に変化がみられるという。
国内消費が低調な一方、旅行需要は高まっており、今年後半も、回復傾向が続くと予想されている。専門家は、コロナ禍で、外食、ライブイベント参加、旅行、贅沢品やハイテクグッズ等、世界的に消費者の支出優先順位に見直しがおきたと指摘する。不動産市場開発も見直され、将来的な不動産購入を控える動きが増した。
首都北京では、1696万人の海外からの観光客を迎え、観光収入は196億元に達した。一方、国民の収入は低水準のままで、コストを抑えるため近場への観光が中心となっている。観光産物による町おこしが盛んになる等、旅行はコロン禍を経た人々の癒やしとなっている。
国家移民局によると、過去5日間に中国を訪れた外国人観光客は前年同時期比98.7%増の77万9千人となった。中国のビザ免除制度、国際線増便、SNS上でのプロモーションが功を奏した。
アウトバウンドも好調で、旅行代理店によると、海外への渡航者は全旅行者の27%で、対前年比で190%の伸びとなり、渡航先で人気なのはマカオや香港に加え、日本、韓国、東南アジアとなっている。
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