昨年11月8日、大統領に就任してから一年が過ぎようとしているトランプ米大統領。上手くクリントン元国務長官を批判し勝利したのだが、未だに元ライバルを批判し続けている。共和党内ではまだ大統領に相応しい尊敬が得られず、共和党の団結も危うい。一方、国民の支持は、その言動から減少傾向にあるという。良い点としては、米国経済への期待上昇、対テロ対策への評価が挙げられている。
11月8日付米国
『Boston.com』(AP通信引用)は「選挙勝利から1年、未だにトランプは消えた敵の影を追う」との見出しで以下のように報道している。
大統領就任後10ヶ月が過ぎてもトランプ氏は昨年の選挙の勝利にこだわり続けており、事あるごとにヒラリー元候補を批判し続けている。水曜アジア歴訪中のトランプ氏は韓国から中国へ渡った。大きな祝賀会を開くとマスコミに語っていたがその予定もないようで、代わりに木曜朝、選挙勝利に導いた「嘆かわしい人々」におめでとうとツイートした。...
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11月8日付米国
『Boston.com』(AP通信引用)は「選挙勝利から1年、未だにトランプは消えた敵の影を追う」との見出しで以下のように報道している。
大統領就任後10ヶ月が過ぎてもトランプ氏は昨年の選挙の勝利にこだわり続けており、事あるごとにヒラリー元候補を批判し続けている。水曜アジア歴訪中のトランプ氏は韓国から中国へ渡った。大きな祝賀会を開くとマスコミに語っていたがその予定もないようで、代わりに木曜朝、選挙勝利に導いた「嘆かわしい人々」におめでとうとツイートした。
近しい友人でNewsmax(TVネット)のCEOクリストファー・ルディー氏は、選挙に固執するのは、自意識と自己防衛なのだと指摘する。圧倒的な地位を得た今でも、それにふさわしい扱いを受けておらず、彼の負けを望んでいた多くの共和党議員は、大統領に会っても硬直した態度をとるのだという。主流派からも受け入れられず大統領としての尊敬を得られていないという。
ただ就任当初に比べると選挙勝利へのこだわりは薄らいでいるという共和党議員もおり、会議中に話題にしたり、カラー印刷の選挙人獲得グラフを配布することは無くなったのだという。しかし、公職に就かず中間選挙出馬もないとみられるクリントン氏へのこだわりは不変で、クリントン陣営が“ロシア疑惑文書”に至る調査に金を払ったという点を執拗に批判している。
昨年の選挙勝利は間違いなく政治的な実績であるが、オバマケアの改廃などの公約達成は共和党の団結なくして今年は叶わないと見られる。2020年の再選に向けトランプの選対委は就任後すぐに次の準備を始めたというが、トランプは心理学的には大統領職を欲していないタイプの人間なので再選出馬を疑問視する声もあるという。
11月9日付米国『CNN』は「CNN世論調査:大統領就任から1年、トランプへの信頼が低下」との見出しで以下のように報道している。
9・11テロが起きた2001年以来、米国経済指標は最高値になったが、国民の大統領への期待は低下している。その減少幅は共和党支持者で最も大きいという。
CNNの無作為電話調査によると、4割がトランプ大統領を「評価する」と回答、就任直後より減少。同じく4割は「国を改革すべき」と回答。共和党支持者は86%が大統領を評価で就任直後と変わらない。
3割が大統領は「国を分裂より団結に導いている」と回答、就任直後より減少。昨年は8割、9割の共和党支持者が国の団結を期待していた。
調査はアジア歴訪に出る先週行われたが、「対外的に尊敬できる首脳」だと回答したのは24%、就任100日の調査では36%だった。
ほぼ3分の2(64%)が、トランプの声明や行動により大統領としての能力があると思えなくなっているという。トランプが「正直で信用できる」と回答した人も減少。トランプが「再選に相応しい」と回答したのはわずか3分の1で、6割強は「相応しくない」と回答しているという。64%は「大統領として誇りに思えない」と回答。
全体の支持率は36%で就任以来最低となった。政策ごとの評価も概ね低めだが、経済(45%)とテロ対策(44%)のみに期待がみられる。トランプの「個性が好き」と回答は38%に減少、就任以来最低値。ペンス副大統領に関しても、38%が支持で就任以来最低レベル。
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